皆さん、こんにちは
日曜の午後、いかが過ごされましたか?
明日はいよいよ金環日食ですね
明朝は雲が多いようですが
朝7時30分頃の金環日食時間は
晴れていてくれるとイイですね
金環日食の様子、どのようになるのかと思うと
ワクワクしてきます
皆さんも観察されることと思いますが
写真を撮ったりするとき
目を傷めないように気をつけましょうね
くれぐれも、太陽を直接見たりしないて
メガネをつけて安全・万全を期して
すばらしい自然現象を楽しみましょう
では、連載12回目のお話しです
< 第2章~体験したことを活かしてみるⅡ>
シンクロナイズドスイミングの講習会で
オリンピックチームコーチの一員の先生から
講習会の別れ際に聞いたお話し
(4月20日の11回目を書いたブログに書いています)
「性格が悪いと一流にはなれない」
このことは、私の心にズン!と響きました
心を磨くと結果が変わる
これは、競泳選手をしていた頃
頭でわかっていても出来なかったことでした
やり残したことに再トライする
本気でこのことに取り組むと
覚悟を決める時だよ、と
私の心の奥の方でこえが聞こえていました
競泳選手を続けるために学校を選んだので
身体も心も鍛錬するのは当たり前ですが
当時の私は思春期の不安定さに加えて
それまでにクセ付いたネガティブスピリットが
心の中を大きく占めていました
思うようにタイムが伸びず
もうダメかもと不安になったり
後輩や妹に追い抜かされていく焦りと
ガンバっているつもりの自分への怒り
私は私と思うものの他人から比べられることや
家庭内で扱いに差をつける親や
スランプから脱することができない私に
「おまえはいい嫁さんになればいいんだ」と言った監督への怒りや
どうせ私は.・・・ひがみ・ねたみ・そねみ
ちょっとつまづくとこんな気持ちがグルグルして
言われたことが思い出されて悲しくて
どうしようもなく落ち着かないのでした
不安で心細くて
どうしたらいいかと思いつつ
親とは
「心の絆」を太くしていく関わりを持てていなかったですし
躾、という大義名分で「姉妹の扱いに差をつける」行為に
悲しさと怒りを感じてもいたので
頼りたくても頼らない、甘えたいのにそうしない
心と身体の距離が離れている
幼児のように膝を抱えてうずくまっている
その時のセルフイメージを思い返すとこんな感じでした
私の中のこの私は
外からのちょっとした刺激で反応して外に出てきました
なので、そんな自分をますます嫌いになり
そんな気持ちをごまかすために
食や音楽にのめり込み
必要なことに手ぬきをし
目標に向かって集中することができず
自己嫌悪感は高まり
周囲から見放されたと感じて
現実から逃げたい気持ちになっていました
健全な精神が健全な肉体に宿らず、です
こんなことから私の中には
本来の思いとは違うことをする習慣がついて行きました
その後大人になるにつれて
色々な体験から学び気づきを得て
変わっていましたが
私の中にある傷つき体験をケアするには
まだ不十分だったのです
シンクロの技術を身につけるだけでなく
私の中にある過去を変えるんだわ
そう思えた時
力がグングン湧いてくるように感じました
毎日練習し、食事管理し
より良い筋肉とほど良い脂肪をつけために
努力しました
なるべく車は使わず歩き
お買い物した袋で筋力をつけ
クラブメニューにあるダンスレッスンに出て
身体の使い方や体幹を鍛えました
1カ月もすると、スタイルはすっかり
シンクロ選手にようになっていました
新しい技術も一つ一つ出来るようになり
そのおかげで
学生時代に出したベストタイムを上回る記録を出せて
シンクロの練習が競泳にも有効だとわかり
仕事にも大いに活かされていました
それで益々、トレーニングに励むようになりました
がんばれば成果が出る嬉しさを味わって
私の中にある過去の思い出を
変えようと必死でした
人と比べないでいることにも注意を払っていました
そしてある時
上司から石川県で国体が催されることを知らされ
シンクロの選手として出場してみたいと
思うようになりました
当時の国体は、デュエット出場のみでしたから
急遽、エアロビクスのインストラクターの方を口説き
一緒に練習を始めました
私も自分の練習をしつつ、教える練習です
彼女は運動神経バツグン、ダンスも出来るので
私よりも早い上達だろう、と予想していたのですが
手の技術だけで身体を浮かせることに難儀し
なかなか進みません。。。
他のクラブの見学に行き
年下のシンクロコーチに教えを請いまた練習する
そんな繰り返しをしつつ
「過去を繰り返さない、プライドは捨てるのよ」
自分を励ましていました
周囲の方々も心から応援と協力をいただき
心強い思いで練習を重ねていきました
仕事、家事と子育て、練習を繰り返し
疲れはかなり溜まっていましたが
へこたれている場合ではないと叱咤激励
そうこうしているうち、デュエットパートナーも
何とか演技ができるようになり
あの元オリンピックチームのコーチの先生に
出場可能かを見てもらうことにしました
それを決めたとたん
系列クラブでも、同じように国体を目指し
動いているとわかったのです
それは、最初に私を指導してくださった先生がいるクラブで
競泳選手経験のある若いコーチでした
打てば響く、トレーニングしがいのある年齢です
会社の人々の多くが若いコーチペアが有力と見始めて
私たちは無駄な努力?
のような風が吹き始めました
私たちは希望の光が小さくなっていくように感じていきました
このまま続けられるかしら・・・不安になりかかった時
学生時代の私が顔を出しました
「もうやめちゃえば?毎日キツイし」
「負けるのはイヤだ、でも頑張っても出れるとは限らない」
こう私が思うと、パートナーも同じように思い
練習に身が入らなくなりました
そのタイミングで上司から
大阪の先生に今の実力で
国体予選突破の可能性があるか
系列クラブのペアも一緒に行き
同門の立場でアドバイスを受けたらどうかと提案を出され
新たな動きへと一歩を出したのです
もちろん、気持ちも整理して
自分の可能性を信じてやってみると決めました
以前はライバル出現で
不安な気持ちを押し殺したり
怒ったりして不安定なまま過ごしたけれど
今度はそうしない
その時できることに最大の力を注ぐと思えていました
その気持ちになれたのは
やり残したことを終えたい気持ちと
問題をクリアするためには
過去と似たようなことが再現されるものだと
納得していったからでした
なので、系列クラブの若いコーチ達とも
同じことを目指すガンバル仲間として
受け入れる事ができたんです
不安から離れてこの気持ちになれた時
ホッとしてとても安心感に包まれました
人を悪く想わない私をうれしく思えました
「性格が悪いと一流にはなれない」
こうおっしゃった先生に会うのです
過去のような私では見透かされると恐れていたとも気づきました
私は変わっていると思えて
先生に会うことが、がぜん楽しみになりました
どんな結果を言われても
やってきたことには納得していたからです
そして、いよいよ大阪へ出発し
指定されたプールへ着くとそこは
何と営業前時間を借りていて
水温20度の極冷でびっくり
全身をそこに投じると思うと腰が引けました
それでも、プールを借り歩く選手たちは
こんな環境でしか練習できないと初めて知り
私たち、恵まれてきたなぁと、
水温の冷たさに尻込みしている自分を恥ました
そんなわけで皆
緊張の面持ちでウオーミングアップをし
2,3の技術を見ていただく時間になりました
ところがあまりの冷たさで
身体と心が同調しない
手足がしびれて、感覚がわかりにくい
それでも、演技を見ていただく時には
ベストを尽くしてやり遂げなければなりません
誰が1番にします?
先生が開口一番、おっしゃった時
皆顔を見合わせて迷う表情
私が先に手をあげなきゃな。。。と
覚悟を決めようとした時
私のパートナーが手を挙げて
早く済んだ方がホッとするから行きます、と
笑顔でプールに入っていきました
そして指定された技術
バレーレッグ(片足を90度に上げる)をした時
な~に~それ~?
話しにならんわ~!
もう~いいわ。。。はい、次の人
にっこり笑って、コチラを向いてきました
ええっ~?うそ?
今足を上げたところなのに?
って、一瞬見ただけでわかるの?
でもわかるんだろうなあ。。。
やだなぁ~うまく出来るかな
心の中は大忙しになりました
若いペアは顔が引きつっています
でも、ここで手を上げないと来た意味がないよ
意を決して手を上げようとしたら
はい、次あなた
先生は若いペアの一人を促しました
そして、私の方を見てニヤッと笑い
プールに入ろうとしている人の背中に
早くしないとどんどん寒くなるよ~
と言いながら
バシャバシャ~っと水をかけたのでした
ひえ~なんてことを。。。
意地悪じゃないとわかっています
しなくてはならないことだから
即実行が出来る意思を持ちなさいということ
わかるものの・・・
さらっと言える先生強い!
いやースゴい~
その時、オリンピックで銅メダルを取った
小谷実可子さんのコメントが蘇りました
「シンクロの練習に耐えれれば
嫁姑のどんな意地悪にも耐えられると
選手の子は言われて育ちます」
きっとこういう心の鍛錬を
たくさんするのだろうなあ
コメントの意味がわかった気がしました
あれこれ思いつつ
水に入った人が演技を始めたのを見ていた
その時
ダメダメ!違う!
もっとこうして~
違うって!
さっきの先生は何処へやら
どんどん指摘が入り熱い指導が繰り広げられ
同じ技術を何度も繰り返しやらせています
そのたび、ちが~う!
バシャバシャ水をかけて
演技を止めて注意の連続
迫力と熱意に周囲は圧倒されそうでした
そして何度か目の後に私の方を向いて
あの子耳が悪いの?
聞こえてないのかしら?
聞いてこられ・・・
返答につまっていると向き直って
後1回、それでできないなら交代!
見ると、水中の彼女はすすり泣き
すかさず先生から
私はあなたを観る義務はないの
でも
あなた方が真剣な思いで遠くから来て
シンクロをしたいという熱意に
応えたいと思ってやっているだけ
甘えて泣くなら、もう交代しなさい
静かにおっしゃっいました
その時
ハッとしました
そうだ
先生には私たちを教える義務はなく
私たちが頼み込んで
時間をいただいているんだった
応えて下さったこと、ことばで感謝したけれど
それは心からの感謝ではなかったな
甘えず、環境に左右されず
自分の思いを出来ることに発揮する
上手にやろう、と思うのは土台間違い
まだ未熟だから教えを請いに来ているんだった
一流の選手とは、心の良さを伴うと
言いきったこの先生には
選手の心の中がわかることを
実感した瞬間でした
水中の彼女は頷いて、演技を始めて
合格をもらえました
先生の一言で
心がピシっと立てなおったのですね
次の演技を見てもらうことができたのです
そして次、若いペアの一方を指名され
真剣なやりとりが繰り広げられました
その時です
私のパートナーが私の方へ寄ってきて
驚きの一言
私、ここに来るべき人ではなかったですね
シンクロ代表になるってこと、甘くみてました
帰ったらもう、シンクロ出来ないと思います
絶句・・・
こんな時に、そんなことを言う?
焦る、というよりボー然でした
今から私演技を見てもらうのに
心も身体も固まりそうでした
ですが、やっぱりね
何故かこうなるのを、肯定する私がいました
それでも、演技の直前だったので
今言わなくても。。。とも思いました
と、その時
はい、どうぞ~
とうとう私の順番が来ました
プールに歩み寄りながら呼吸を整えて
今は演技だけに集中するよ
練習通りやってチャンと教えてもらう
心の中でつぶやき、演技をしました
すると
叱られることもなく
むしろそれでいい、最新のスカリング技術を駆使せず
より美しい型を描こうとボディ意識を高めなさい
などと、他の人達とは違うアドバイスです
国体予選でする技術を全てチェックしていただき
最後に倒立姿勢でするスカリングを観られ
しっかり指導を受けて終了でした
プールから上がる時
出来ることをやったものの
他の人と先生の反応が違うことに不安を感じる私がいました
他と比べて恐れたり、自分を小さく低く観たりする
私の中のクセが出始めました
他の人より年齢が上で選手を目指すような人じゃない、と
思われたから
静かに教えてたのかな
どんどん不安や憶測が大きくなります
ドキドキしながら、プールから上がってくると
待っていた人達から
「上手でしたよ」とこえをかけられ
素直に受け取る私と
お世辞言わなくても。。。
斜に構える私が出てきて
それを悟られないように、
寒かった~とか
タオル取ってくださいなど
他のことに気を向けて平静を保とうとしていました
そして先生が私たちを近くに集め
同行した上司も呼び結果を話し始めました
それは
予想もしていないことでした
先生の言葉に全員驚き
アゼンとしたのでした
どんなことを言われたか
それはまた
次回、お話ししますね
では、また