知花子ども会では、7月より東南植物楽園の協力で「地域子ども教室」を開催している。第1回目の7月2日(日)「蓮まつりツアー」には総勢20名が参加し、見学の際には同園の比嘉正一学芸員から蓮の種類と特徴及びスイレンとの違いなどについて説明が行われた。
又、同園の植物群を散策しながら、専門的な説明に参加者一同感激し、新たな発見が多く参加してよかったと大好評であった。次回参加する際は是非、メモ帳を持参し情報収集して下さい。
ちなみに、学芸員の説明の中で、同園には1本しかなく50cmほどのまだ小さな木があった。その葉の形には特徴があり、「幸運を呼ぶ木」と言われているという。その木の名前は「菩提樹(ぼだいじゅ)」である。この木が登川の団地内に植えられているとのことですので近くの方は探して見て下さい。又、なんとこの菩提樹の木が私たちのすぐ近くにもありました。知花第一公園にある大きな木がそうです。
インド菩提樹(ぼだいじゅ)
▲見学前の説明会風景
▲第1回地域子ども教室参加者記念撮影
▲中華料理で使うレンゲはこの花びらの形から生まれたとの事
1.睡蓮と蓮の違い
スイレンはスイレン科スイレン属の浮葉性植物。ハスはハス科ハス属の挺水性植物。スイレンは浮葉、ハスは水面から立ち上がる立ち葉になる。スイレンの葉には撥水性がなく、ハスにはある。地下茎を比較すると、スイレンで中味が詰まっているのに対し、ハスは穴の空いたレンコンなどの違いがある。
2.蓮と睡蓮の特徴
ハスの主な生育地は池・沼・水田。花期は通常7月〜8月、花托が9月〜11月頃と言われている。草丈1〜1.5m、花の直径は10〜20cm、花の色は淡紅色、白色、一重、八重咲きがある。開花は夜明け前後。朝日が昇とともに開き、多少差はあるが午後3時ころには閉じ、4日目には散ってしまうのが通常のパターン。午前中、特に直射日光があたらない蓮(ハス)は清々しい色合いを見せてくれる。
スイレンは温帯種、熱帯種と大きく分けられる。温帯種は耐寒性スイレンとも呼ばれ、一般的に日本で親しまれ、屋外で越冬し管理が楽。これに対し熱帯種は熱帯性スイレンとも呼ばれ、花の色が鮮やかで水面から高く立ち上がる。越冬管理が必要になる。
温帯種のスイレンは赤、黄、ピンク、白の品種があり、紫、青がない。全て日中に開く、昼咲き。日が昇ってから開き始め、夕方になり閉じる。花は4日ほど開閉を繰り返す。
最低水温が20℃を超えると生育が盛んになり、生育を初めて約1ヶ月後には開花する。花は昼咲きと夜咲き種がある。昼咲きの花色は青、紫、黄、ピンク、白の品種がある。夜咲き種の花色は赤、ピンク、白の品種がある。温帯種に比べると甘い香りのするのが多い。
3.歴史的かかわり
ハス
ハスはインドで国花であり最も神聖な花とされる。仏陀の生誕を告げて花が開き、仏陀は蓮(ハス)の花にたち「天上天下唯我独尊」と第一声を上げたと言われている。
中国では俗人に染まらない君子の花。極楽世界は蓮(ハス)の池であると信じられている。大輪の蓮(ハス)が咲き誇る様子は荘厳にして極楽浄土の象徴となり仏教と切り離せない花となった。
果実の入った花托の形が、昆虫のハチの巣に似ているところから、ハチス(蜂巣)の”チ”がぬけ、略されてハスになったという。
ハスの栽培は日本、中国でも古くから行われてきた。品種間で簡単に交雑するため、品種も多い。古い時代の化石も発見されていることから、日本に野生していたことは事実。有名にしたのは大賀一郎博士による「大賀蓮」の発見である。1951年、千葉県検見川総合運動場の地中より見つかった3粒の種が発芽し開花したのは、時の話題になった。後の鑑定により2000年前の種であることが分かった。
日本、中国、アメリカで交配による品種の作出が行われている。インターネットの普及、既存の品種や新品種の紹介があり、栽培愛好家が増加している。
スイレン
スイレンは園芸植物として飛躍的な発展を遂げている。温帯種は温帯に広く分布し、世界中で10数品種が確認されているという。日本にはヒツジグサが野生しているが、現在栽培されているのは明治の終わりころの海外からの導入品種である。交配による品種作出も行われていて、愛好家も多い。
熱帯性スイレンは耐寒性がないことから、植物園の温室で見るイメージが強かったが越冬が簡単に出来ることが分かり、今では手軽さも手伝ってか一般で栽培が広がっている。最近では、ヨーロッパ、タイ、アメリカで交配が盛んに行われ新しい品種が作出されている。
熱帯種のスイレンはアクアリウムで古くから「ニンファ」と呼ばれ、水草として親しまれてきた。花を観賞するのでなく、葉の芸を楽しむ目的があり、今でも水草として販売されている。
4.蓮と睡蓮の楽しみ方、育て方
ハス
ハスは一般的にレンコンで植え付ける。園芸店で求めたポットはそのまま育ててよしとするものと、もう一回り大きなポットに植えないと咲かない品種がある。苗を求めた園芸店で確かめると良い。
青々とした葉を楽しむのもよいし、出来れば美しい花を咲かせたい。植え付ける前に固形の油粕などの置肥、育てている最中に追肥を行う。冬になると葉は枯れて、地中にレンコンが残る。ハスの分根は翌年の春に掘り取る。傷つけないように掘ったレンコンは、太くしっかりしたのを選び、最低2節つけて切り取る。育ちがいいと、いくつもの新しい植えるレンコンが出来るので、愛好家同士で交換し合うのもいいし、隣近所にあげてもいい。植える用土は粘土質がよい。土壌が軽いとレンコンが浮いてくる。
栽培になれてくると十数鉢ぐらいになるので、品種の区別が難しくなることから品種ラベルは必ず付けておく。
スイレン
温帯性スイレンは地下茎をもっていて、成長点から葉・花茎をだす。根も地下茎からでる。地下茎は肥大する、根が伸びる、中間のタイプがある。栽培するときにはこうしたタイプを考慮して植え付ける容器を選ぶ。スイレンの葉は全て浮き葉なので、容器は葉が浮いて広がるスペースが必要になる。一度鉢に植えて、水を貯めたスイレン鉢に沈める。このとき、スイレンを植えた鉢と水を貯めた鉢とのバランスを考える。
用土は粘土質がよい。肥料は緩効性(溶け出すのに時間がかかる)がよく、植え付ける時に少し施し、成長するに従って追肥を行う。油粕と骨粉を混ぜた専用の肥料やこれに準ずる肥料が市販されている。化成肥料も効果的なので、使い方を考えて施す。ただ、多すぎると枯れるときや、成長が悪くなる場合もあるので注意する。
陽当たり良好を好むので、日照時間が最低6時間を超える場所を選ぶ。ただ、真夏には水がお湯のようになり、開花しなくなる。気温の落ちてくる晩夏には再び開花を始める。
越冬中は水を切らさないようにする。地下茎が凍らなければ屋外の越冬は問題ない。用土ごと凍る場所では屋内などへ避難する。
熱帯性スイレン
栽培の仕方は温帯性に準ずる。熱帯性は大型になる品種が多いが、狭い場所ではそれなりの大きさで開花する。もともと花付きがいいので、追肥、陽当たりの良い場所さえ間違わなければ、充分な開花が楽しめる。葉が茂りすぎると花つきが悪くなるので、込み合ってきたら取り除く。根元には光が十分当たるのがよい。
温帯性に比べて冬の寒さには弱いので、冬越しは屋内で行う。
5.蓮と睡蓮の品種と数
ハスの品種数168 スイレン品種数17
▲熱心に説明を行う学芸員さんの胸にぼだいじゅの葉が・・・
▲東南アジアのでん粉源となるパンの実
パンの実参考資料1
パンの実参考資料2
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