桜木町 LOGBOOK

某上場企業の広報担当がビジネスや桜木町での日常生活について語っています。

父親のクルマ選び(その1)

2006年03月04日 23時11分11秒 | クルマ
私はクルマを選ぶ場合、そのクルマがどう使ってもらいたくてその最終型になっているのかを考える。もちろん好き嫌いはあるが、そのコンセプトがパッケージとしてちゃんと現れていれば、特に文句はない。今回父親がクルマを選ぶのに際して、これを再確認した。

 父親はもう70歳を越えているが、幸いなことに元気で、アルバイトの合間に好きなゴルフや旅行に行ったりという充実した老後をおくっている。父はかれこれ7年ぐらいトヨタのコロナ・プレミオという1.8リッターのセダンに乗っていたが、どうやら昨年の株式市場の活況に上手く乗ったようで、クルマも新しいものに乗りたいなどと言い出した。しかし、流石に自分が運転するクルマとしては最後ということで、安いクルマにしておこうと思ったらしい。そこで目に付いたのがトヨタから最近出た「ベルタ」というコンパクトセダンだった。実際にディーラーで見て、格好や値段を見、当然試乗もした結果、これを買おうと思った。私がクルマには煩いので、一応最後に私の意見を聞きたいと電話を掛けて来た。私は2月と3月では値引きも違うので、とりあえず待つようにと説得し、早速ディーラーに赴いてベルタを調べてみた。

 ベルタは取り回しがしやすいコンパクトカーで、外観も内装も優雅なセダンという宣伝文句だ。テレビCFでも分かるように狙っている層の中心はやはり女性ではなかろうか。ベースはヴィッツと同じプラットフォームを使っているが、ホイールベースは90mm長く、トランクの容量も十分大きい。確かに内外装は小奇麗で、1.3リッターのエンジンを積んで140万円以下という価格はヴィッツから考えても安い。

 しかし私はこのクルマは「セダン」であると言っているにも関わらず、パッケージングとして妥協をしている点が多すぎるのが気になった。

① 外観の美しさを追求する余りAピラー(前の柱)が寝すぎていて(しかも太い)、運転座席からの前方視界が非常に悪い。そして天井が低いので圧迫感がある。さらに座席の高さを調節できないので、その圧迫感からは逃れようがない。
② セダンということで5人が乗れると言っているが、後部座席のシートベルトは腰に1本で、センターの座席にヘッドレストはない。さらに言えば、1.3リッターでは4人乗っての坂路は辛く、どう考えても1.5リッターはラインナップとして不可欠。
③ とにかくユッタリと乗りたいクルマのはずなのに椅子の作りがチープ。これではロングドライブをするとすぐに疲れてしまう。また標準のタイヤの幅が細い。取り回しをしやすくするために細くしたとのことだが、高速道路を走るには安定性に欠ける。
 要は、セダンとして大事な基本性能が疎かにされているのだ。もちろん前世代のプラッツよりは格段良くなっているのは認めるが、ちゃんとしたセダンを作ろうという努力の後が感じられない。確かにその値段で抑えることが難しいのも分かるし、もう少し出すと、その上の車種であるカローラや下手をするとプレミオを買えてしまうのだ。トヨタとしては何とかして値引きをしてもコミコミ150万円台というところに収めたいのだろう。

 長くなってしまったので、この話も2回に分ける。

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