まちづくりはFeel-Do Work!考えるより感じよう、みずから動き、汗をかこう!(旧“まちづくり”便利帳)

まちづくりの支援者から当事者へ。立ち位置の変化に応じて、実践で培った学びの記録。もう一人の自分へのメッセージ。

新しい形の地域通貨(湘南:ビーチマネー)

2007-08-09 08:17:05 | Personal Views

今朝のNHKニュースで湘南に生まれた新しい地域通貨「ビーチマネー」が紹介されていました。通貨として使うのは、紙幣型でも通帳型でもない”ビーチグラス”。”ビーチグラス”とは、波に揉まれて角が丸みを帯びたガラスの破片で、浜辺の嫌われものだった単なるガラス片に新しい価値を吹き込むことで、宝探し感覚で楽しみながらビーチクリーン活動をしてもらうという画期的な仕組みです。

全国各地に広まった地域通貨は、流通や循環などに問題を抱え、一時期の勢いを失い淘汰が始まったものの、”見えないものを可視化する”という地域通貨本来の強みが消えたわけではありません。
これまでも「アール(渋谷)」や「わらび(岩手県西和賀地域)」など、ボランティア活動に対して発行される地域通貨は、決して珍しくはないのですが、「ビーチマネー」の素晴らしいところは、「ビーチグラスを発見する」という行為そのものが遊び感覚に溢れている点です。
元々は「地元の浜を綺麗にしたい」というエコサーファー/堀直也氏のゴミ拾い活動から始まったそうですが、浜のゴミに無関心だった人の視線を足下に向けさせることで、地域への愛着や環境問題への意識改革の促進に役立ちそうです。

そもそも最初に「ビーチマネー」を知ったのは、6月30日放映のテレビ東京「地域密着系都市型エンターテイメント番組『出没!アド街ック天国』」でした。本年4月に始まったばかりのビーチマネーを、ベストランキング30のうち14位に取り上げたことは、なんとも粋な計らいです。放映時は42店舗だったビーチマネーの加盟店も、本日現在では50店舗に増えていました。加盟店は一店一店エコサーファーが足を使って増やしたそうで、遠くは横須賀市までと、かなり広範囲に及びます。一辺が3センチ以上あるビーチグラスならビーチマネーとして使えるそうで、ビーチマネーのお洒落なステッカーのある加盟店では、1度に300円まで利用することができます。
通貨の価値は、ガラスの色の珍しさによって決められており、以下のとおり。

30円相当:白色やこげ茶
50円相当:緑や青
200円相当:2色以上混じったもの

この事例から学べることは、負の遺産であっても視点を変えることでプラスに転換できること、地域に関心を持たせる仕組み・デザイン・工夫が重要であること、「清く楽しく美しい取組み」は共感者を増やし易いということ、などが挙げられると思います。
地域固有の負の遺産には何があるのか、どのように関心を集めるか、参加した人々にどんなカタチ(結果)にして見せる(魅せる)か、様々な地域で挑戦して欲しいと思います。

出没!アド街ック天国(テレビ東京)2007年6月30日放送
http://www.tv-tokyo.co.jp/adomachi/070630/20.html
エコサーファー エコマネー利用店舗一覧
http://www.eco-surf.com/beachmoney/beachmoneyshoplist.html
堀直也氏インタビュー記事(株式会社タウンニュース)
http://www.townnews.co.jp/020area_page/03_fri/02_chig/2007_2/06_22/chig_jin.html
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