久しぶりのブリュッセル

2006-03-19 21:16:23 | 映画@ベルギー
昨日の話ですが、久しぶりにブリュッセルに行ってきました。お目当ては映画。ブリュッセル国際ファンタスティック映画祭で上映された、黒沢清の「Lost」と塚本晋也の「Haze」を観てきました。

今年の映画祭で観るのはこの2本だけ。メイン会場のPassage 44には行かないので、あまり映画祭に行く、という感じもしません。ブリュッセルで仕事をしていたときは、仕事帰りに映画を観て帰るのもたまにはいいかな、と思えたのですが、今となっては電車の定期もないし、平日の、しかも夜に映画を1本観るためにブリュッセルまで・・・という気にはとてもなれません。ちょっと淋しい気もするけど。

久しぶりにせっかくブリュッセルまで行ったので、本当は和食でも食べたかったのだけど、映画が6時半からだったので和食は断念。代わりに土曜日はノンストップで営業している中華スーパー近くのベトナム料理屋に行ってきました。早めに着いたので、だらだらと2時間くらい時間をかけて。(^_^;) 午後だったのでほかに2~3組しかお客さんがいなくて快適でした。

もちろん(?)、レストランの前に隣のマンガ&アニメ屋をチェック。久しぶりに行ったらいつのまにかきれいになっていました。以前はいろいろと売っていて雑然としていたけど、今では本当にマンガとアニメの専門店、という感じで、なかなか繁盛している様子。隣のベトナム料理屋といい、リエージュにもこういうお店があるといいんだけどな~。

さて、肝心の映画はというと、ちょっと期待はずれ。(^_^;)

黒沢清の「Loft」(主演:中谷美紀、豊川悦司、西島秀俊)は予告編を見て、正統派のホラーというか、本当に怖ーいホラーを期待していたのですが、恐怖に取り付かれた人間の弱さを、どちらかというと面白おかしく描いている、という感じ。雰囲気的には、「回路」と「ドッペルゲンガー」を足して2で割ったような感じ、かなあ。怖いんだけど可笑しい、というのは、発想は悪くないように思うのだけど、でも怖いんだったら最後まで徹底して怖くしてくれればいいのに、可笑しいんだったらもっと皮肉をこめて徹底的に可笑しくしてくれればいいのに、というのが私の個人的な感想です。でも、「回路」と同じような映画を作っても仕方ないしね・・・。新鮮味のあるホラー映画を作る、というのは、いつの時代でもとても難しいものだと思いますが。

もう1本は塚本晋也の「Haze」。もともとは25分くらいの短編映画として撮ったものを再編集して49分にしたもので、短編ならではの勢いがある、という感じ。あるとき目覚めたらものすごく狭い、コンクリートの竪穴のような空間にいて、そこにいる理由も出口もわからず悪戦苦闘する、という設定はヴィンチェンゾ・ナタリの「Cube」を彷彿とさせます。短編なので、話は単純でわかりやすいですが、映像と音楽の迫力はさすが塚本晋也。まったく非現実的な話なのに、何があってもあんな狭いわけのわからない空間に閉じ込められるのは絶対に嫌だなあ、と心底思わされる映画でした。(^_^;)

映画とは直接関係ないのですが、今回映画を観に行ったNOVAという映画館は普段インディペンデント映画を上映している映画館で、とても快適とは言えない造りです。(^_^;) そもそも平らな床にあまり居心地のよくない椅子が並んでいるだけ。おまけにいつもそうなのか、映画館の中がやたらと暑くて、2本目を見終わった頃にはなんだかふらふらになってしまいました。幸い短い映画だったから良かったのだけど。

家に帰り着いたのは、真夜中近く。義母の家に遊びに行って帰りが真夜中、というのとは全然疲れ方が違って、年かしら・・・。(^_^;)