布フェチ、布好きにとってラオス滞在は、至福の時間だ。
しかも一人旅であるから、誰に気兼ねすることなく、思う存分、様々な布と戯れられる。
今回は気に入った布を、記念にひとつ、シン(ラオスの伝統的スカート)に仕立ててもらった。
布を買ったお店でウエストとヒップのサイズを測ってもらうと、翌日にはダーツも入ったスカートに仕立て上がる。
ウエストがゴム仕様じゃないスカートは久しぶり(笑)。
自分サイズだから気持ちいい。
今日はホワイホン女性職業訓練センターというところで、草木染め体験をした。
Houey Hong Vocational Training Center
for Women
http://www.houeyhongvientiane.com
手織りのシルクのスカーフに、絞り染めの技法を使って染色する。
まず、サンプルのなかから気に入った模様を選ぶ。
やるときになってわかったが、それは板締め技法だった。
染料もいくつか選べて、ピンク系を希望したら、それは「カイガラムシの分泌液」ということだった。
最初にスカーフを屏風だたみにし、模様を入れたい場所を2枚の細い板状の竹ではさみ、ビニール紐で竹を縛る。
カイガラムシの分泌液を煮出したピンク色の染色液にタマリンドの実を加え、十分水で濡らした布をその中で10分以上揉み込む。
次に一旦水洗いした布を、みょうばん水を加えた染色液を沸騰するまで、色ムラが出ないように棒でかき混ぜながら煮る。
液が温まってくると、酸っぱさの混じった独特の匂いがしてくる。
嫌いな匂いじゃない。
そうして出来上がったのが、こちら!
指導してくださった方によれば、「よーく揉み込んだから、色が布によく浸透して、きれいに仕上がりました」とのこと。
研修5年目だという日本人のお嬢さんがいらして、ひさしぶりに日本語を喋り、しかも色々と織物の話ができて楽しかった。
そのときに、機織りをしているラオス人の女性たちから注目されたのが、この日履いていたワタシのシンだった。
彼女たちによれば、モードな模様なのだという。
裾に飾り布があしらってあるのも、オシャレなポイントなのだとか。
そういえば、布屋のマダムが言っていた。
新しいオリジナルの模様を提案して織ってもらっていると。
ラオスでは、織物はあくまでも生活の糧であったり、自分たちの生活の中にごく普通に生きているものであり、そういうことだから、彼女たちに職人的気構えとか厳しいこだわりとかはなく、織物を産業として発展させようという国の施策とは、現実はまだかけ離れているのだという。
センターでは、日本からの依頼で帯も織られていた。
「帯の仕立て方を教えてもらいたい」と言われたことは、日本に帰ったら早速先生に報告しよう。