ピンポ~ン♪
“花屋です…花束のお届けです~”
春のお花がいっぱいの花束…
今日はT嬢のお誕生日でもなく
何かの記念日でもなく
何と…これはお見舞いのお花
実はT嬢、オデコを切って只今怪我療養中なのです
災難続きを心配したお友達からの心温まるお見舞い…
心配ばかりかけちゃってごめんなさい
泣いてばかりいたお正月
泣く事に飽きるまで泣いていよう・・・なんて思ったけれど
世の中お正月気分も明けると毎日目を腫らしている訳にもいかず
カレちゃんとのおしゃべりは一時お休み…
新しい毎日がスタートし
新しい生活が動き出した
2008年は、カメラの仕事を本格的に初めてみようとか
グラフィックデザイナーの先生の新しい企画をいてみたいとか
昨年末に契約が決まった化粧品の仕事で思いっきり活躍してみたいとか
カレちゃんの知らない生活が始まった
これまで構築してきた仕事や趣味、勉強など引き続き頑張るし
今年も忙しくなりそう
K君も新しい事が始まった
これまでクラブで楽しんでいたスカッシュ…
何と、今年から試合に参加するという意気込み!
早速、1月20日がデビュー戦だった
このオデコの傷…
何を隠そう、K君のデビュー戦の日、
観戦席で滑って転んで怪我をしまったというドジな話
T嬢 “カレちゃん…なんでママのピンチを助けてくれなかったの?”
カレラ “転んだのはママに落ち着きが無いからデツよ”
T嬢 “んん~それもそうだけど…”
カレラ “カレちゃんは神様じゃなないからママみたいな巨体が転ぶのを止められないよ!”
確かに…
巨体がつまづいた時、“コツン!”と大きな音がした。
側にいた人が“大丈夫ですか?”と言ってくれた
音のわりにそれほど痛くは無かったので“大丈夫です”と答えた。
その時・・・・
“血がぁ~!!”と周りが騒がしくなった。
“え!?”と思いながらオデコをおさえた手が血で真っ赤だった
“うそ・・・・”
生温かいものがオデコからどんどん流れた
偶然、スカッシュの選手の中にいた看護師さんがいらして
応急手当で止血してくださった
すぐに救急車が来て、救急隊員の手当てを受るT嬢
痛みは無いのにすごい事になってしまった
あっという間にT嬢は重傷者となってしまった
それは男子の準決勝戦の最中だった
“皆に悪いな~”
“皆に申し訳ないな~”
選手や観客の見守る中、T嬢は救急車に収納された。
“みなさぁ~ん ごめんなさい・・・”
選手でもないのに流血戦とは…
あ~情けない…
穴があったら入りたいほど恥ずかしい気持ちでいいぱいだったし
大切な試合中だっただけに本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった
顔や頭だからと、大事をとって
世田谷から慈恵医大まで少し長い距離を救急車で運ばれる事になった
救急車で高速道路を走るのは、想像を絶する恥ずかしさだった
走行中ず~っと、ぴーぽーぴーぽー♪と鳴らし続ける…
“あまり痛くないので急がなくても大丈夫みたいなんですけど・・・
サイレン鳴らさないと駄目ですか~?”とT嬢
付き添いの救急隊員の方に声をかける…
“駄目です!”とキッパリ言われた
サイレンを鳴らすのは決まりだとの事
そんな訳で、思わぬ事故に遭い(自ら起こし…)
K君のデビュー戦は忘れる事の出来ないほどドラマティックな一日になってしまった
ぱっくり切れた5センチの眉間の割れ目…
無事、スペシャリストの先生にきれいに切り揃えて丁寧に縫って頂いた。
手術をして下さった先生は“最高の出来栄え!”と自信満々に語るが
“フランケンみたいにならないかな~”と心の中で少しだけ思った
今年は年回りが良いって聞いて
節分以降をかなり期待していたのに…
最高の前の厄落としなのか、何なのか
カレちゃんとの別れがあり、救急車があり・・・災難続き!
これでもかぁ~と言うほどつらい事を味わったから
『いい年周り』ぐらいの事じゃ駄目で
最高の2008年にしなくっちゃ納得いかないと強く思うT嬢
神様~!
T嬢にに素晴らしい2008年を下さ~い!!
カレちゃん…ママ、いい年にするわよ~♪
お空から応援してね!
ところで…
今日思いもよらない方から“カレちゃんへ…”とイチゴのお菓子を頂いた
それは、カレちゃんの大好きなお花屋さんのおじさん…
カレちゃんは“お花屋さんのおじさん”と言うけれど
実はとっても偉い園芸の先生で
今日は先生とカレちゃんの思い出話をして久しぶりに少し涙目になってしまった
勝手知ったる東急本店の屋上…
カレちゃんはお花屋さんにつくとキャリーバッグから飛び降りて
“おじさ~ん!おじさ~ん!カレちゃんだよ~”と
金子先生を探して奥の方まで縦横無尽に走った
犬好きな金子先生は
“こんにちは!来たなぁ~甘えん坊さん!”と言いながらカレちゃんを撫でて
お水をいっぱい飲ませて下さった
カレちゃんはいつも先生にいっぱいおしゃべりをしていた
随分前、ある日の出来事…
家でテレビの方をず~っと見ているカレちゃんの視線の向こうには
あの、お花屋さんのおじさんが映っていた
T嬢 “あっ!お花屋さんだ~!!”
カレラ “ママ知らなかったの?おじさんはいつもテレビに出てるよ”
T嬢 “全然知らなかったわ~”
カレラ “カレちゃんいつもおじさんの番組見てたよ♪”
カレちゃんの大好きなお花屋さんのおじさんは
NHKの趣味の園芸の金子明人先生だったのです
きっと、カレちゃんはお花さんに行く度に
“おじさん~昨日テレビ見たよ!見たよ~”とか言っていたのだろう…
そんな訳で、
カレちゃんがきっかけでT嬢は金子先生とお喋りする様になり
その後、先生の園芸教室には月に一度参加させて頂くようになった
その頃、金子先生も大切な愛犬を亡くされ
とても悲しい思いをしていたそうです
そんな時に、カレちゃんと出会い
懐いてくるカレちゃんをとても可愛がってくれたのだそうです
最近思う事がある
T嬢の側にはいつもカレちゃんがチョロチョロとくっついているんだろう…と
何故なら…
T嬢が道を歩いていると、不思議なくらいよその犬が尻尾をふってついてくる
きっと、犬にはカレちゃんが見えているのだろう
あの頃金子先生にも
亡くなったワンちゃんがいつもついてきていたのかもしれない
だって、いつもカレちゃんは不思議なくらい
金子先生に向かってお喋りをしていたから…
そう言えば、今日金子先生から頂いたイチゴのお菓子…
カレちゃんがイチゴが大好きだって知っていたのかな…?
元気な頃“カレちゃんはねぇ~イチゴが一番好きデツよ”
なんて先生とお喋りをしていたのかもしれない(笑)
先生どうもありがとうございました
カレちゃんは
お空でお花屋さんのおじさんちのワンちゃんと遊んでいるのかな…