山も見ていた・・・・
大学病院に10泊したが、2月中下旬は 天候も落ち着いていたので
「読書三昧」の合間に、射水平野と富山湾を飽きることなく眺めていた。
(下半分は夜景)
左側には、高岡の町並みと、氷見から能登半島へとつづく山々が
連なって見え、夜は夜で、ビーズ玉のような夜景に見とれた。
もう1ヵ月遅く入っていたら、北陸新幹線を疾走する列車とかを
見ることができたのだが、まぁ、その姿を想像してみることも
楽しいものだった。
・・・・「新幹線(続)」で書いていたが、せっかく金沢新幹線(名前は
「北陸」新幹線)が開通するのだから、列車名は絶対に「白山」に
すべきだった・・・・などと思いながら(ちょっと しつこいかも・・・)。
食堂でコーヒーなどを飲みながら、南東方向に見える薬師岳の
勇姿も眺めていた。
立山や剱岳も見えることは見えるのだが、ちょっと建物や木立の
陰になって見えづらかった。
薬師岳というのは、その名前の由来となっている 薬師如来を祀る祠が
頂上にあるのだが、古来から「医薬の仏」「医王如来」として信仰される
山容を 病院から おがむことができる、という なんともできすぎた環境にある。
おがむと言っても、ナミアムダ・・・と唱える「阿弥陀如来」は西方極楽浄土に
いるとされ、「薬師如来」は東方瑠璃光浄土にいるとされるので、ここでは
違うホトケ様の名を呼んでも意味ないだろう。
「医王如来」という名前から連想される山が「医王山(いおうぜん)」で、
福光側の斜面はイオックスアローザ としてスキー場などのリゾート施設に
開発されたが、昔は恰好のハイキングコースであり、キャンプ場であった。
この医王山が、金沢の「東」に位置している。
では、薬師岳は、どこから見て「東」に位置しているのかというと、
「北叡山 各願寺」 から。
近年、「曲水の宴」とかいうウソっぽいイベントの会場にさせられているが、
ひもとけば、比叡山から平安時代初期に最澄が訪れて以降、北の叡山として
繁栄し、伽藍数が3,000を超えたこともあったという立派な歴史を有する。
「東」というのは日の出の方向であり、日没の「西方世界」が死者の
世界なのに対し、生きている者の世界を表しているので、「現世利益」を
謳う傾向が強くなるのは自然のなりゆきであろう。
「読書三昧」は、本を持ち込んだのではなく、全てスマホによるKindle 版。
ドイツ人の禅僧「ネルケ無方」の著書ばかりだが、「迷いは覚りの第一歩」を
読んで、今までに無い「わかりやすさ」と、キリスト教との比較の視点、
赤裸々な自分自身の生活や悩みなどの内容に感銘し、もっと読んでみたいと
思っていたところだったので、有り余った時間を有効活用した。
3冊を読み終えて、次に、「科学するブツダ 犀の角たち」で印象に残っていた。
佐々木 閑(しずか)著「日々是修行 ―現代人のための仏教一」を読み始めた。
・・・・ネルケ無方を読んだ後では、余りにも内容が薄っぺらすぎる !!。
サーっと読み飛ばして、次に、
「葬式をしない寺―大阪・應典院の挑戦―」にも手をつけた。
たまたま、我が家の菩提寺が廃寺問題で紛糾しているそうなので、
他人事でもないだろうと関心を持って読み始めたのだが・・・・
音楽空間とかゲージツ空間とかの活動など、特異な活動の自慢話と
平田オリザとのつきあいとか・・・・幻滅ものでしかなかった・・・。
結局、残った時間を、読みかけのまま中断していた
を読み直すことにした。
日本の仏教書というのは、漢字とか、経典の字づらにとらわれて
何を言おうとしているのかが よくわからない部分が多い。
ネルケ無方の著書でさえ、道元の言葉なんかを紹介されても、
何を言わんとしているのかが、さっぱりわからない。
ドイツ人に、今の日本語で解説してもらって初めて理解できる、という
トホホな ありさま である。
もう少し、ネルケ無方から学ぼうと、Kindle版 ではないが、
「裸の坊様 (サンガ新書)」を購入して、読み始めた。