ここは別天地だ。
和也が言った。
蒼穹が走る。魔弾が閃く。
ライオネル・・・ここはどこでもない。古里ではないのだ。
恋は儚い。
例えそれが人より10年も遅れた初恋であったとしても。
夢中になれば、謂れの無い罪になる。
君は寂寞。
小さな背中に影の尾ひいて。
泣くなよ、ライオネル。君はまだ、小さなネズミのままなのだ。
この場所には無い。
あそこにも、そっちにも無い。
どこにもありはしないのだ。
何を読むことも無い。
あらゆることが心無い識別の眼差しに感じるのだ。
苦しいのだ。
眠れぬ夜を恐れ、排他的な目に晒され、そして最後に彼は笑った。
卑屈になるなよ、そんな顔で、誰も喜びやしないのだよ。
君の恐れの表情は、人に理解などされやしないのだよ。
不安なやつだって言われる。不安なやつだ、まったくもって、不安なやつだ。
まず一粒、星をくれ。
一粒あればそれで100万の星空を育てよう。
それでも足りないくらいなのだ。
まだ、この寂しさは君の小さな宇宙に底なしの闇を作り上げているのだから。
まずは一粒、星をくれ。
ただ一粒、星をくれ。
蒼穹が走る。魔弾が閃く。そこに煌々と煌々としてのみあるのだ。
〆
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