あっぱれ日本車 / されど日本車

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売れているクルマに付いて回る物足りなさ。レヴォーグ&アテンザ編

2016-07-24 | スバル
  乗り出し価格が300~400万円台にもかかわらず、販売開始から2年以上もコンスタントに月1000台以上が売れるモデル(3年目は乗り換えがあって中古車に圧されるので苦しい?)はもはや日本では数えるほど。トヨタのアルファード/ヴェルファイア&ハリアーといった別格すぎる存在(ハイグレード・ナショナルモデル!!!)を除けば、国内外の有名ブランドでもなかなか達成できる数字ではないです。達成できているのはVWゴルフ、BMW3er、メルセデスCクラス(見込み)といった超が付くくらいの定番輸入モデルばかり・・・レクサス期待の『NX』も発売1年半で3ケタに転落しました。

  レクサスでも無理なのだから、他の日本メーカーでは完全にお手上げ!ということで日産やホンダのように日本では黙って軽自動車に参入しておくのがベストなのか!と思いきや、それを潔しとしなかったスバルとマツダから予想外のヒット車が出てきました。「レヴォーグ」と「アテンザ」はそれぞれ発売から2年、3年半が経過しましたが、当初の公表した目標である「月平均1000台」は見事にクリアしています。

  レヴォーグもアテンザも先代(レヴォーグの場合はレガシィTW)までのコンセプトを継承・発展させたブランドの「伝統モデル」ですので、SUVやミニバンといった流行に乗った企画ではなく、さらに日本メーカーが圧倒的に有利なHVを封印してまで、真っ向からゴルフ、3er、Cクラスに「正統派」対決を挑んだ!その心意気にファンが応えたとも言えそうです。

  ハッピーな話はここまで。スバルにしろマツダにしろ経営陣に経済系メディアがインタビューすると、かなり神経質になっている様子が伺えるのが「円高」について。1ドル=80円突破を経験してから発売された「アテンザ」も「レヴォーグ」もどちらも『円高スペシャル』な設計になっているわけです。もちろん技術的イノベーションの部分は期待できるわけですけども、どちらも乗った印象が・・・大雑把に言ってしまうと「過渡期」なドイツ車みたいです。良くも悪くもドイツ車みたい。飛び道具一切なし!といえばVW、MB、BMW。

  内装は中国の下請けがアッセンブリーしているBMWみたいな既視感たっぷりの形状が目に付きます。せめてコラム周りのレバー類のデザインを変えたらだいぶ印象が違うと思うんですけどね(ドイツ車にも全く同じ感想)。インパネにしてもデザインを完全に放棄してます。デミオ、フレア(SのOEM)やトレジア、ステラ(どちらもDのOEM)の方が革新的という意味ではよっぽどオシャレじゃないですか? 

  もちろん車格なりの保守的スタイルで高齢者ユーザーが多いから過激には弄れない事情があって、トヨタや日産は未だに木目やってます。アテンザやレヴォーグの内装は「古臭い木目よりマシ」とか言う意見もありますけど、一定グレード以上で選択可能なクラウンアスリートやフーガのブラック・サイバー調の方がセンスがいい。価格も100万円くらいしか変わらないし。

  先ほどはファンが応えたと書きましたが、レヴォーグもアテンザも他社ユーザーの乗り換えが半数以上。これはゴルフ、3er、Cクラスと比べると相当に高い水準です。1990年頃にレガシィTWやファミリア乗っていた人々が、2000年代に輸入車に乗り換えて、給料上がらないなーってことでスバルやマツダに戻ってきた。けど腐ってももとは輸入車乗りだ!という意地からか、レヴォーグやアテンザといったフラッグシップを選択。これMBやBMWよりもいいじゃん!と盛んに周囲に吹聴・・・実際にドイツ車に並んだ!越えた!と感じられる部分はありますからね。

  あくまで結果論ですけども、1990年くらいに頑張ってMB乗って(レガシィTWやファミリアでもいいけど)、2000年以降は、WRXやアテンザ(初代)を愉しんで、これからは「ジャガーXEだー!」(あるいはこれから発売されるジュリア)という選択をしたならば、世界最高水準を常に体験し続ける、なかなか幸せなカーライフになりそうな気がします。もちろん「住めば都」じゃないですけど、客観的な価値判断なんて無視して没頭できるカーライフ(できればトラブル無しで!)が一番幸せではありますけど。

  レヴォーグやアテンザ(現行)に何度か乗っていますが、「なんか足りない」という感じを毎回どちらにも受けます。とくに顕著なのがハンドルを切った瞬間の「間の悪い」フィールですね。BMWやアウディじゃないんだからさー・・・そんなドタバタしないでスッと曲れよ!どこぞの高級車みたいに持ったいぶってんじゃねーよ(ロールし過ぎ!)と毎回のように心の中で叫んでいます(オマエの運転にも問題アリだろ!)。売れているクルマっていうのは、例外なく何とも不思議な部分が多かったりするものですね。そして完璧をめざしたクルマほど意外に売れない・・・アルファ166など。


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