カゲのブログ

もう黙っとれん。ワシにもひとこと言わせろ。

どないなっとんねん郵政

2009-07-01 | 政治一般
日本郵政の西川社長の続投が決まったらしいな。いろいろあったけど、これで今年の冬からやっとったゴタゴタも、やっと一件落着やな。

いやいや、まだ一件落着とは行かんで~。なんせ、民主党の鳩山はん、政権交代が実現したら西川社長は辞めさせるて言うてはるさかい、今後の選挙の結果次第では、どうなるか分からんで。

さよかいな。そやけどちょっと聞いてええけ? この日本郵政の問題、ワシ始めっからよう分からへんかったんやけど、西川社長ってな、国民が払ぅた保険料で造った、かんぽの宿とかの施設を、二束三文で民間に売っ払ってしもたんやろ? そのほかにも郵政関係ではいろいろ不祥事があったやんけ。障害者団体のための郵便料金の割引きを悪用した問題でも、幹部が逮捕されたやろ? 簡易生命保険の不払い問題もあったし、文化的に価値の高い郵便局舎を叩き壊したりしとったわなぁ。そんなこんなを考えたら、社長には責任とってもらうんがスジや思うけど、給料減らす程度で済む問題け?

そやさかい、国民の怒りを買うたんやろ。鳩山弟はんは、その国民の気持ちを受けて西川はんをクビにしょうとしたんやないけ。

そらまぁそうなんやろうけどな。一方でこういう話もあるやんけ。そもそもこの問題を鳩山弟はんが取り上げた裏には、旧郵政官僚の差し金があったらしいやんけ。旧郵政官僚とか郵政族議員とかが、小泉郵政改革でズタズタにされた郵政利権をなんとか取り戻そう、ちゅうヤツやろ? そういうの考えたら、鳩山弟はんは「正義、正義」て言うてはったけど、どっちが正義なんか分からへん思うねんな。

どっちが正義か分からん? まぁそう思うのも当然やろな。なぜならば、どっちにも正義はないからや。

え? どっちにも正義がないんか? ほな、正義はどこにあるねん。

本来政治の世界には正義なんかないけど、あえて言うたら正義は別の所にあるな。

別のトコ? それはどこやねん。

小泉はんの郵政民営化。三百数十兆円て言われる莫大な郵政の資金が、財政投融資ていう形で、無節操に無駄なとこに流されとった。これを断ち切る、ていう郵政民営化の本来の目的はまったく正しいことや思うで。ワシ、べつに小泉はんの肩もつ気ぃないけどな。

そやけど、今はその小泉郵政改革が国民の間で批判されとるんとちゃうんけ?

この壮大な郵政改革の目的を達成するためには、小泉はんは、日本の政治の力だけでは足らと思たんや。そこで小泉はんは別の力を利用したわけや。それは竹中はんに代表される、日米の財界の力やな。特にアメリカの財界は、郵政の莫大な資金によだれが垂れるほど欲しがっとったさかい、惜しみなく力を貸してくれた、ていうワケや。うまいこと行ったあかつきには、見返りの一つもあるかも知れん、ていう期待をしてな。

つまり、竹中はんが悪いねんな。

まあ、単純に竹中はんが悪い、ていうワケでもないけどな。当の小泉はんかて、アメリカべったりのトコあったさかい、そもそも本来の小泉竹中路線の第一の目的が「莫大な資金をアメリカに流す」ちゅうことやったんかも知れんなぁ。
まあ、いずれにせよ、郵政民営化の目的は二つあったワケや。郵政資金を財投から引っぺがす、ていう目的と、その資金を日米財界に流す、ていう目的やな。そのうち前者はもっともな目的。これは国民にとっても利益をもたらす改革や。ところが後者の目的はちょっと困るな。

そらそやで。ワシら国民の財産をアメリカの食いもんにされてたまるかいな。

つまり、郵政改革は「財投資金の垂れ流しを叩き切る」ていう大義名分の裏で「これがうまいこといったら、莫大な資金を好きなようにできまっせ~って」言うエサをぶら下げて、日米財界の力を借りて改革をやったちゅうことや。

ワシら国民の財産をエサにされたらかなわんな。

そして小泉はんは4年前、劇場型選挙で国民を騙くらかして、圧倒的な支持のもと、郵政民営化をやったワケや。そして今になって「これはどうもおかしいでぇ」て国民が思い始めたわけやな。

うんうん、ワシもそう思い始めたわけや。

さて、それを逃さんかったんが旧郵政官僚や。これを機を、小泉改革でひっぺがされた既得権益を、少しでも元に戻そう、ちゅう魂胆や。

なるほど。そう考えたら納得できるな。

つまり、この問題は単純な善悪二元論で考えたら間違える。少なくとも三つあって、その三つの力の闘争やったわけや。三つのうちの二つはものすご力が強い。まず第一に、旧郵政族や郵政官僚に代表される既得権益者。第二に、日本の財界とか米国金融資本に代表される、いわば新既得権益者。まあ「新しい既得」ていうのは自己矛盾しとるけど、まあそのへんは許せ。

三つあんにゃろ? もう一つは何やねん?

もう一つは前の二つに比べたら圧倒的に弱いけど、ワシら一般の国民や。郵政民営化は郵便、貯金、保険等の国民サービスの向上のためにある、ちゅうやつや。

ほな、三つ目が正義やんけ。

まあ、少なくともワシら国民にとってはそういうことやな。
小泉はんは、郵政民営化の本来の目的、つまり、さっき言うた三つ目の「国民の利益」、それを実現するために、強大な力を誇る「郵政官僚の既得権益軍団」さっき言うた一つ目のやつな。こいつにに太刀打ちするために「日米財界や金融資本の力」これが二つ目のやつやで。こいつを利用した、ていうふうにも考えられるワケや。

なるほど。そういうことやったんか。

つまり、日米の財界の力ちゅうのは、本来の国民の正義のために利用しただけや、ていうことやな。そやさかい、これをそのまま放っといたら、郵政資金はみんな米国金融資本に持って行かれる。それでは困るさかい、どっかでブレーキをかけなあかん。

その、ブレーキのかけどきが今や、て言うわけか?

それはワシには分からん。かんぽの宿とかの郵政の財産を、力を貸してくれた財界へのご褒美として、くれてやってもエエと思うんやったら、今はほっといたらええ。そやなしに「いやいや、それはまかりならん、財界にもアメリカにもびた一文くれてやらん」て思うんやったら今がブレーキやろな。
ちなみに、郵政選挙の当時、民主党は郵政民営化の抵抗勢力のレッテル張られて大敗したけど、ホンマは郵政民営化そのものは賛成やったんやで。そやけど、せっかく改革して取り戻した郵政資金を、アメリカにくれてやるのは反対やったんや。小泉劇場型選挙のカゲにかくれて、あんまし報道されへんかったさかい、国民の間にはほとんど知られてないけどな。

そういえば言うとったような気ぃするけど、小泉はんのド派手なパフォーマンスの前に霞んどったんか、ほとんど印象がないな。

さて時代は変わり、いよいよ日本の政治は政権交代が現実になるかもしれん、ちゅうとこまで来たわけやけど、民主党代表鳩山兄は「民主党が政権をとったら郵政民営化を見直す」て言うてはるやろ。西川社長についても辞めさせるて言うてはるわな。これは、さっきの二元論で見たら、旧既得権益勢力の巻き返しみたいに見えるわな。そやけどな、実際そういう勢力の力を利用せんことには、財界、アメリカの強大な力に太刀打ちでけへん部分もあるさかい、そのことを一概に否定するんはどうかと思うで。

それは戦略や、ていうワケか?

要は、落としどころの問題や。この問題をどこらへんで決着させるかや。つまりさっき言うた二元論の両極端とは違て、その中間のどこかに落としどころがあるはずや。郵政既得権益にも、かと言って財界アメリカの親既得権益にも食い物にされへん、ちょうどええ落としどころがな。つまり、具体的に言うたら、西川はんを辞めさせたあと、だれを日本郵政の社長にするか、それが一番重要なとこや。


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