「政治を国民の手に」国民会議

政治を国民の手に取り戻すために、腐りきった菅政権や検察、裁判所などの実態、権力と癒着したマスコミの横暴を暴きます。

どうする拉致問題

2007年04月23日 | Weblog
拉致問題に関し北朝鮮は「拉致は解決済み」、日本は「拉致被害者の返還」を求め、両者の意見は食い違ったまま時間だけが過ぎている。昨年来、日本政府が考えていた「国際社会が北朝鮮を追い詰め言うことを聞かせる」という筋書きが破綻した現在、新たな戦略を構築しないと日本は拉致問題で不利な立場に追い込まれかねない。

「拉致問題」は北朝鮮の「テロ支援国家指定」解除の問題もからみ、少なくとも日朝双方がどんな方法で問題を解決していこうとするのか米中露韓に対し説明が必要になる。その際、日朝両国政府は「拉致問題を進展、解決させる」ということはどういうことなのかを定義し、解決までのロードマップを示すことが求められるであろう。

そこで日本政府も今までのような「制裁一辺倒」や相手が下りて来るのを「待つ戦略」だけではなく、北朝鮮政府の内情もよく理解するとともに金正日政権内部の権力闘争も利用した戦略も必要だ。例えば北朝鮮内部は軍部の力が強く必ずしも金正日体制で一枚岩というわけでもない。

今年に入り米国は「金融支援解除」という柔軟姿勢に転じたが、ひょっとすると「核開発に固執する軍部」に対し金正日の発言力を高めさせ「核廃棄」に踏み出させる戦略だったのかもしれない。この辺については軍部と対立する北朝鮮外務官僚が米側との秘密会合で率直に話し合った可能性は高い。

ところで拉致は時期的に見て金正日の父親の金日成が特殊機関にやらせていたようで、金日成は不良息子の金正日もこの特殊機関に監視させていたといわれている。そのためか2002年の小泉訪朝時に金正日は「拉致は特殊機関の一部の妄動主義、英雄主義者の仕業」と説明し特殊機関への反感をにじませていた。

北朝鮮の「拉致は解決済み」の姿勢の裏には特殊機関を管轄する軍部の意向が強く働いているとも考えられる。恐らく軍部は様々な工作活動に携わっている拉致被害者を返還すれば軍事機密が漏洩すると恐れているかもしれない。一方金正日や外務官僚は「体制の維持」と日本からの膨大な「経済援助」を望んでいるはずだ。

そこで「経済制裁解除」や「膨大な経済支援」を切り札として「拉致解決」に反対する軍部を金正日によって押さえ込ませる工夫も必要だ。このような交渉は表立ってはできないだろう。そこで日朝の交渉担当者間で信頼関係を築き、秘密交渉に持ち込む事が必要になる。複雑化する交渉を進めるためにも安倍政権はもっとこのような寝技を使って欲しい。