部品Blog

―― 部品技術・部品メーカー関連の記事集.

電子部品メーカー各社、フィリピン工場を増強 ビジネスの優位性生かした部品作り進む

2011-06-29 | 電子部品業界



 電子部品メーカー各社がフィリピン工場を増強している。

 スマートフォン、タブレットPC、ノートPC、薄型テレビ、自動車、産業機器、太陽光発電、白モノ家電、ゲーム機などグローバルに増大している電子部品需要にフィリピン工場の増築や生産ライン増設、生産性向上で応える。

 中国、タイ、ベトナムなどとともに、ワーカー人件費の安さ、税制優遇置、英語圏という優位性を生かしたフィリピンでの電子部品作りが進む。


●生産性を大幅向上

 ロームは、フィリピン工場で生産しているチップ抵抗器を1608サイズ以上のアルミナ基板抵抗器から1608サイズ以上の金属板抵鈍器の高付加価値品に主力を移し、車載、ゲーム機、エアコンなどの需要増に対応する。

 特に、車載用は専用ライン化し、チップ抵抗器生産能力の6-7割を占める規模にまで拡大した。

 モノリシックICもQFP、QFN、BGA、CSP、SOPなど生産するパッケージの種類を広げ増産、10年度は過去最高の生産数量を記録した。

 06年から導入した多列化ラインも拡大し、生産性を大幅に向上させている。

 世界やアジアでの競争(RACE)を勝ち抜き、ロームグループでのエース工場になる思いを込めた全社活動「R-ACE」を展開している。

 ムダの徹底排除にクレームゼロ、5S標準化、教育認定、CSRを加えた五つの柱で改善活動を推進。

 生産設備の90%以上を内製化する強みを生かし、製造設備をタイムリーに改善し、08年上期ピーク時3200人いた正社員を2800人に絞り込み、過去最高の生産を達成している。

 フィリピンエ場の国彦社長は「品質第一を基本にして、存在価値を撤底的に高め、次の50年に向けてQCDSEで世界最強の量産工場を目指していく」と言う。


●生産規模を拡大

 太陽誘電は、フィリピン工場をインダクタのグローバル一大供給基地として、生産能力の拡大とともに生産品種の拡充を展開。

 スマートフォンをはじめとする携帯機器向けなどの新製品の相次ぐ開発で、生産設備の自動化投資で生産規模を拡大している。

 SMKは、タッチパネルなどを生産するフィリピン工場の増築が先頃完了し、受注増に対応できる体制が整った。

 市場要求に合わせ、静電容量タイプや、抵抗方式のガラス/ガラスタイプおよびフィルム/ガラスタイプなどをそれぞれ増産できる体制が構築された。

 同社ではフィリピンのタッチパネル生産能力を11年度には1.5倍から2倍程度に高める計画。





【記事引用】 「電波新聞/2011年6月29日(水)/1面」


最新の画像もっと見る