備忘録

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皇太子さま記者会見の一問一答(2)

2006-02-23 12:03:44 | Weblog
【質問】雅子さまの最近のご様子と今後のことについてお聞きします。昨年12月、「東宮職医師団」の見解が出されました。殿下はこの見解をどう受けとめられましたか。子育てと公務の両立や、ライフワークになるような活動、研究、それらを公務に生かしていくか、医師団見解の提言を実現させるために、殿下の具体的なイメージをお聞かせ下さい。

【皇太子さま】雅子はおかげさまで少しずつではありますが、順調に回復に向かっていると思います。天皇、皇后両陛下を始め多くの国民のみなさんに温かく見守っていただいていることに、この場をお借りして心からお礼を申し上げます。昨年12月に雅子の最近の様子ということで、医師団の見解が発表されたのは、病名と治療方針、現在の病状及び今後の課題について国民のみなさんに理解していただくためで、これはあくまでも医師団の専門的な判断に基づいて行われたものです。私ももちろんこの判断を尊重しています。雅子もお医者さまの治療方針に従って努力していますし、私もこれからも支えていくつもりです。

 雅子は皇族としての自身の役割と皇室の将来を真剣に考え、これまでも努力してきましたし、現在もそのように考えて行動しており、私もそれに支えられています。環境の改善を勧めた医師団の見解は、こうした私たちの努力を更に実現していくために有意義なものであると考えてのことと思っています。

 私自身、雅子には今までの経験を生かしたライフワーク的なものが見つかると良いと思っています。私自身が主として今まで水上交通史を研究しており、そのことがライフワークになりつつあることが、いろいろなことをするうえで支えになっているように思うからです。また、乗馬やテニスを始めとした運動も、治療の一環として行っておりますが、それも良い成果を、良い効果を上げているようで、今後も続けてほしいと思っています。

 おかげさまで、雅子は順調に回復しておりますが、まだ回復の途上にあることをみなさんにもご理解いただき、静かに温かく見守っていただければと思っています。

【質問】昨年の会見では、公務の新たなテーマとして、環境や福祉、子どもの教育、国際文化交流などを挙げられるとともに、ご夫妻それぞれで別の公務をこなされていくケースもあり得るとの考えを示されました。こうした公務の見直しについて、なぜ変える必要があるのか、どのような形に、どのように変えていくのか具体的にお聞かせ下さい。

【皇太子さま】公務についての考えは昨年の会見でもお話ししましたので、あえて詳しくは申しません。公務については、今まであった公務はそれぞれ意義深いものとして行われてきておりまして大切にしていきたいと思っています。また一方で、皇室が今まで時代に合った、あるいは時代に先駆けた公務をしてきたことを考えますと、やはり今の時代にできること、私たちの世代だからできるものを真剣に考えていくことも必要ではないかと思います。それらはもちろん、公務をしながら見いだしていけるものと思います。これに関して、以前の会見でお話ししたことが、今までの公務をやめるように一部で誤解された節がありますが、そのようなことはないので申し添えておきます。

 雅子の公務については、今少し体調が回復し、公私にわたる様々な活動をしていく中で、考えていくことになるのではないでしょうか。また雅子の場合、最近もいくつかの公務を行いましたが、これはあくまでも回復のための足慣らしの意味もありますので、そのあたりのことを皆さんにはお分かりになっていただきたいと思います。


【質問】「皇室典範に関する有識者会議」が最終報告書を提出し、女性・女系天皇を容認する方針が示されました。今後の皇室のあるべき姿に関する考えや敬宮愛子さまの将来について、父親としてのお気持ちをお聞かせ下さい。

【皇太子さま】「皇室典範に関する有識者会議」が最終報告書を提出したこと、そしてその内容については私も承知しています。親としていろいろと考えることもありますが、それ以上の発言は控えたいと思います。皇室のあるべき姿としては、私は以前から申し上げているように、皇室の伝統を尊重しながら天皇陛下をお助けしつつ、国民の幸せを願い、国民と苦楽を共にしていくことだと思います。これは時代を超えて存在するものと思います。宮中で行われている祭祀(さいし)については、私たちは大切なものと考えていますが、雅子が携わるのは通常の公務が行えるようになってからということになると思います。愛子には一人の人間として立派に育ってほしいと思います。名前の通りに、人を愛し人からも愛される人間に成長してもらえればと願っております。

【関連質問】愛子さまとトリノオリンピックをテレビ観戦しておられるとのことですが、愛子さまが興味を持っていらっしゃるのはどんな競技でしょうか。

【皇太子さま】今まで一緒に見たものとしましては、スノーボードのクロスですとか、スピードスケート、それからスキーの大回転などがありますね。何かとても興味を持って見ているようです。

【関連質問】愛子さまは幼稚園に入園されます。ご本人が楽しみにしているご様子をお聞かせください。また、学習院幼稚園を選択された理由についてお聞かせ下さい。

【皇太子さま】愛子もどの程度その辺が分かっているかどうかは、私も分かりませんけれども、ともかくこの4月から今までとは違う環境で、幼稚園という所に通うということが少しずつ分かってきているように思います。そして、本人の言うことの節々に、幼稚園が楽しみだという風なことを私は感じ取ることができます。

 愛子が幼稚園に進むにあたっては、私も本当に親として、どの幼稚園に行くのが本人にとって幸せなことだろうか、ということを一番の大きな課題として考えてきまして、いろいろ色んな方からのご意見ですとか、それから実際に色んな調査をしてみました。その結果として、やはり学習院幼稚園が愛子に今後、色んなことを学んでいくのに一番いい場所ではないかという結論に達したわけです。学習院の方でも、愛子が入園することを許可していただいたことを大変うれしく思っております。

【関連質問】紀宮さまが結婚されて幸せそうだとおっしゃいましたが、具体的にどんな風景を見て幸せそうだったのか、印象に残っていることを教えてください。

【皇太子さま】そうですね。まず一つは結婚式の当日、その日の2人の様子を見ていたときにそのようなことを感じましたし、それから、結婚式の後でも何回か会う機会がありましたけれども、その際に2人で交わしている色々な会話ですとか、本当にその時の2人の様子から、「あーこれは本当に幸せなんだな」ということを感じました。