穴蔵からの眺め。
学生時代、半地下の喫茶店が好きな友人がいました。薄暗い店内の隅っこで煙草をくゆらしながら文庫本を読むのがこの上なく落ち着くというのです。
当時の喫茶店には、落ち着いた調度品に囲まれ、穴蔵に潜り込むように自分(たち)の世界に没入できる、高尚で、少しばかりの退廃を楽しむ秘めごとめいた空気がありました。
いつからか、開放的な店内できらびやかなスイーツを楽しむカフェが増え、ブラック珈琲よりもラテやマキアートを選び、朝日を浴びながらの一杯を楽しむことも多くなりました。
健康的でカジュアル。そんな最近のカフェ事情を吹っ飛ばすノスタルジックな穴蔵空間を久々に体験しました。
前置きが長くなりましたが(笑)、京都の老舗「フランソア喫茶室」です。
ここだけ見ればモンマルトル!?
最近は、食べログなどが普及して事前情報を仕入れて訪問するので大丈夫ですが、まったく予備知識なしにこの閉ざされた古い扉を開けるのは相当勇気がいりますね
でも昔の喫茶店てそうでしたよね。馴染客と一緒でないとなかなか入れない。
実際は怖くもなんともなくて、むしろとても親切で丁寧な接客をしてくださるところです。
良家の子女風のクラシカルな制服も可愛らしいですし、あちこちにさりげなく飾られている絵や照明、インテリアなども品が良くて素敵
完全分煙ですが、喫煙席が入り口入ってすぐの広いエリアに占められているのは老舗の喫茶店ぽいですね。
漫画に出てきそうな優雅な窓際席。
会話を楽しむ方々はもちろん、一人静かに文庫本を読んでいる方もいらして、穴蔵的喫茶感満載の店内はとても居心地がいいです。
ついあちこち撮ってしまいます(笑)
チーズケーキ(ドレスデン風)と珈琲。
ケーキもたくさん種類があって、チーズケーキはなんと3種類(レアチーズケーキ、ニューヨークチーズケーキ、そしてドレスデン風)。今回いただいたのは、パウンドケーキっぽいハードタイプのチーズケーキでとても私好み 珈琲はホイップしたクリームが予め入れられてサーブされます。(ブラックも選べます)
高瀬川沿いには老舗っぽい店がたくさん並んでいて、歩くだけでも面白いです。
いつもは平安とか安土桃山などの歴史に触れることが多い京都ですが、昭和レトロもいいですね。老舗カフェはまだまだたくさんあるようですから、順番に巡ってみたいと思います
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