偏平足

里山の石神・石仏探訪

石仏543板荷・石尊山(栃木)不動明王

2014年10月17日 | 登山

板荷・石尊山(せきそんさん)不動明王(ふどうみょうおう)
【データ】板荷・石尊山 594メートル▼国土地理院25000地図・文挾▼最寄駅 東武日光線・下小代駅▼登山口 栃木県鹿沼市板荷の唐沢集落。地図の青丸印▼石仏 石尊山の山頂。地図の赤丸印

 

【案内】栃木には石尊山がいくつかあるので、ここは山麓の地名をとって板荷・石尊山とした。その山頂の社殿手前に立つのが不動明王。穏やかな表情、小さな宝剣、羂索を取り付けるように造られた右手、簡略化された火炎。どれをとっても不動らしくない平凡な像容で、少々迫力不足。「安永八己亥(1779)四月 村内助力」とある。

 社殿前には二基の石洞が、あたかも狛犬が対峙するような位置に置かれている。社殿は木造のしっかりした建物。内部祭壇にはブリキ板で作った小さな鳥居がたくさん納められていた。ここは石尊山。山頂の社殿は、丹沢の大山から勧請した石尊大権現を祀っているのであろう。とすると、社殿前に立つ二つの石祠は大天狗・小天狗とするのが、このブログでたびたび紹介してきた丹沢の大山山頂に鎮座する石尊大権現の祀り方である。社殿の手前に立つ不動明王は、かつて石尊大権現の別当であった大山寺の本尊で、石尊山には欠かせない石仏となる。
【参照】千葉・石尊山、群馬・安中石尊山

【独り言】登山口を探して唐沢の集落をウロウロしているとき、墓地の近くで草刈りをしている男性に出会って訪ねると、墓地の奥に続く道が登山口とのこと。そこには車を止めるスペースもありました。それから獣除けのネットの扉を開けてスタートです。最近の里山には、このような扉が多いのには驚きます。猪除けですが、日光の山には鹿も多く、猿も出没します。だいぶ前のことですが、老人がパチンコで猿を追いはらっているところに出くわしたことがありました。農作物が荒らされる地元の人は、ほんとうに困っているようです。歩き出してすぐ右手の沢沿いの道に入りましたがすぐ行き詰まって、右岸の尾根に逃げました。尾根に道はなく、これ以後も道はありません。それでも杉・桧林のなか、歩きやすい尾根が続きます。倒れた石祠を見ると、間もなく石尊山。不動明王が出迎えてくれます。

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