長電話

~自費出版のススメ~

核保有幻想

2009-04-30 | 政治
アメリカから来る年次要望書というものがあって、ネット上でも見る事ができます。これは一方的ではなく、日本からも要望をアメリカに伝えてはいますが、当然、大して顧みられません。

保守党であるはずの自民党は社会を保守せず、大店法、郵政民営化などをアメリカの要望通り実行、日本古来の経済環境や地方イメージを次々と変えてきたのは周知のこと。

選良であり、少なくとも大人であるはずの政治家達の党派的争いをみると、経済に引っ張り回される政治家もまた「空洞化」しているという印象です。アメリカに安全保障を依存し、衛星国であるという立場をとり続けてきたのですから、これも仕方のない現象なのでしょう。

パンデミック・アラート

2009-04-29 | 政治
今回のインフルエンザウイルスは、WHOのいうような新型ではなくスペイン風邪と同じ型だという説もあります。スペイン風邪というと、名前のせいでスペインから始まったように思われますが、実はアメリカ(シカゴ?)で最初に発病、当時は第1次世界大戦の最中、アメリカの兵隊さんが大西洋を越えてヨーロッパにもちこみ、戦場の劣悪な衛生・栄養状態の、いわば完全無防備の中で蔓延したものだそうです。(つまり開発途上国でのパンデミックが心配)

流行ったのはヨーロッパですが、震源地はアメリカですから「アメリカ風邪」とか「シカゴ風邪」でもいいはずです。縁起の悪い不名誉を隠すためにアメリカが嫌ったのでしょうか。

首相は月曜日に、風評被害を防ぐときと同じように、「人・人」の感染はまだないと言ってましたが、米疾病対策センターは人・人感染を認めています。これは首相の問題ではなく官邸の情報収集能力の問題で、マスコミもニュースバリューがないとみたのか、ほとんど報じていません。

混乱した情報が、整理されないまま流されるので、医学知識のない者には困った状況です。

田母神ホリエモン説

2009-04-28 | スポーツ
先日の朝生は外交や安全保障などがテーマでした。いつものように最後まで認識や立場の違いが際立つだけで、新鮮な情報や見識の披露はありません。

司会の田原氏が今回の「売り」であるパネラーのひとり(迂闊な発言で自衛隊空将を解任された)田母神氏から過激な発言をひきだそうとするのですが、自己満足な言説に終始、なによりも田母神氏自身に奥行きも魅力もなく、不発に終わりました。

彼の主張(陰謀論や核保有論)はもともとネット右翼や営業右翼の間で広く語られていたもので、政治や歴史にたいした造詣もない私ですら見聞きしたことのある範囲のものです。その正誤はさておき、目新しいものではなく、自らの発言の検証もなおざりで「言ってみただけ」、それはまるで安易な「正論」を吐くかつてのホリエモンのようです。

ただ現在は、博士でもなけりゃ政治家でもない、立場がなけりゃ責任もない、ときどきテレビに出てくるただの物書きさんなんですから、もう少し明解に、そして気丈に振る舞ってほしいものです。

麻生久美子と真木よう子

2009-04-27 | アート
かつての女優達はその才を見込まれると、過剰にお金を渡され、過剰な「経験」を積み、退廃するまで遊んだ末に「味」を獲得し、スターとして作品を隷属させたものですが、素材に徹する現在の女優たちは作品に従順です。

情熱大陸の麻生久美子を見ました。番組のキーワードは「からっぽ」です。からっぽにはストレスがないからいつもごきげん。朝丘ルリ子や桃井かおり、山口百恵などの女優は、くったくにみちてイレズミのように昭和を背負ったのに、顔つきに昭和の匂いを残しながらも、内面は軽やかな彼女は自らを「イレモノ」という。つまり素材に徹することを旨としているのです。

役柄に惹かれインタビューを読んでも、女優の言葉は軽く、好きなアーチストも凡庸だったりして、こちらの思い入れを次々と裏切っていきます。少しも話の合わない異性を好きになるケースと同じなのかもしれません。彼女達の次回作がいつも楽しみです。

小島慶子の扱い方

2009-04-26 | アート
小島慶子がラジオの昼の帯番組「キラキラ」が始まって一月たちますが、面白くない。報道色の強かった「ストリーム」の聴取率の低さに対するTBSなりの回答なのかもしれませんが、馬鹿話をするには長過ぎるし、構成にメリハリがないので、生番組ならではの新鮮さがなく、テーマ設定も苦しい。小島慶子と毎日変わる相方の才能のみにおもねった、先の見えない番組に成り下がっています。

先日など、ゲストでくる予定の町山さんが遅刻すると、番組に奥行きがないから、仕方なく紡ぐ話が痛々しく、聴いていてつらいのです。

あれだけ初期アクセスで輝きを放ち、久米宏を「くそおやじ」呼ばわりする怪物のような才能を持つ小島慶子をTBSはもてあましているようです。渡辺真理のアクセスも軌道にのってはきていますので割り込むのは難しいでしょうが、、やはり彼女は報道畑でこそ活かされる素材、名物政治記者の武田さんのような使い方はできないものでしょうか。

檜町公園のアルカイダと鳩山法務大臣

2009-04-25 | 政治
「死神」「失言」といえばご存知、鳩山法務大臣です。血筋も頭も良く、優秀な政治家でありながら、リップサービスが過ぎ、発言が発言者の意図を離れてメディアを浮遊するという、失言界の天才です。

彼の失言に最初に触れたのは、世界記録となる本塁打を放った王さんの記録にちなんだ週刊現代「王貞治765号記念増刊号」でした。王さんの記録が社会的にどういう影響を与えるか、みたいなアンケートに、多くの人が「素晴らしい」「日本人の自信となる」などとなおざりな回答の中、彼のひとことは

「プロの世界というと、プレスリーの悲惨な死のように暗い影がつきまとうが、王さんにはそれがない。人間的にも磨きがかかっているのは社会の支えにもなっている」
という「死神」面目躍如の、めでたい宴に意味もなくシリアスな、70年初頭にあいついで死んでいった天才アーティスト達を連想させる不吉なものでした。

麻生首相の偏見に満ちた失言と違って、どこか文学の匂いがし、さらに書生臭くあいらしいところが彼の失言の特徴です。

自民に個性派がいなくなった今、民主小沢さんの最強のライバルとして、動向、発言の見逃せない、「顔」のある政治家として台頭著しい鳩山さんの原点がそこにあります。

檜町公園の全脳感

2009-04-24 | アート
中川翔子が中川勝彦の娘だと知ったのはつい先日のことでした。中川勝彦は当時ライバル扱いされ、神秘性に満ちていた本田恭章に比べると、とても親しみやすいキャラの今でいうイケメンで、ヘルムートバーガーだのデヴィッドシルビアンだの退廃系の美形が好きだった私は、「かっちゃん」と呼ばれ、なぎら健壱とすら番組で仲良く共演し、誰からも愛される人のよい美形に随分抵抗がありました。

ただ、好事家の女友達には広く認識されていたらしく、彼が亡くなったときはその死因の意外性もあって、随分話題になり、結婚していたことも子供がいたこともそのとき始めて知りました。

自分が特別の存在であることに酔う「全能感」「万能感」の克服は、才能溢れる、特に「自己肯定感」に乏しい人達にとっては必ずぶつかる難儀な課題のひとつであり、生きていくためには解決せねばならないものなのでしょう。

セリーグの灯

2009-04-23 | スポーツ
巨人が強い。以前は金にあかした補強が非難された割に結果が出ず、「あそこは育成がダメ、選手をつぶす」「トップが決めちゃうのでスカウトが育たない」などと揶揄され、アンチ巨人の溜飲をさげる話のタネを提供し続けてきました。

しかし今や、阪神の4番と5番は元広島の金本と新井、投手の軸は下柳(元ダイエー等)だったり、去年の中日の軸はウッズ(元横浜)和田(元西武)中村(元近鉄他)と、決して巨人を責められない他球団からの引き抜き、FAによる移籍による陣容です。

海外サッカーでは、プレミアリーグやリーガや、セリエAでも、選手を育てる球団、できあがった選手を引き抜き優勝を狙う球団に色分けされ、それが常識となり誰も不自然に思わなくなってもう随分経ちます。

今年の巨人は大技小技があり、中継ぎ抑えが充実。若手とベテランの融合が実現し、前半に少々点を取られていても最後まで試合を諦めない理想的なチームです。原監督には采配の力はなくとも差配の力はあるのでしょう。

狭い日本の国土が高速道路や新幹線で網羅され、一極集中で地方が疲弊したように、セリーグのプロ野球も悪い意味で洗練され、「ペナントの優勝争いを楽しむ」ことに限ってはもうなくなってしまうのかもしれません。

ソフトバンクの犬とカフカ

2009-04-22 | アート
先日、眼鏡犬の件で、毛先の短い白い犬のペーソスについて触れました。もう少し薄汚れていますが、ソフトバンクのCMにでている「父親」役を演じる彼がそのイメージです。

「チンパンニュースチャンネル」の猿のゴメスの声を当てたビビる大木のアテレコの上手さにも驚きましたが、この「父親」の声を演じている北大路欣也も、その犬へのフィット感、広川太一郎ばりのコメディアンぶりにも、大いに驚かされました。(まずその事実に驚いたわ)

娘の友達?の台詞によると「こないだまで人間だった」とありましたので、犬になったのにも関わらず、本人も周囲もあっさりとその現実を受け入れ普段通りなのは、まるでカフカの「変身」。

カフカはユダヤ人でありながら、今でいうとニートのような生活をしていて、家族に疎んじられていたそうです。「変身」の主人公の「グレゴール=毒虫」は、そんなやっかいな自分を自虐的に描いた作品といわれています。

このCMの背後には、親に携帯電話代を払わせ、パラサイトするこを恥ともなんとも思わなくなった現代の一部の若者と、支え続けることに疑問をもたないその家族に対する皮肉が込められているのでしょうか。あるいはそういった連中に、怪し気なものを売り付ける企業側の後ろ暗さか。なんともそら寒いものです、まさかそんなことはあるまいが。

東京オリンピック

2009-04-21 | アート
ソウルや東京、北京のように、国威発揚と経済成長、それに伴う先進国への仲間入り宣言の為にやるものだというイメージもあります。それが今回は「シカゴvs東京」の構図ということで、どうも腑に落ちません。歴史的な新聞「シカゴトリビューン」の経営も傾き、所有するカブスの売却先も決まらないという苦境にあるシカゴの旗色が悪く、北京でやったばかりなので、「アジアに来るわけないじゃん、無駄無駄」といって斜に見ていた招致活動も熱を帯びてきました。

1964年の東京オリンピックを記録した市川昆監督による映画は、選手の息遣いだけでなく、庶民の生活との対比、変わっていく東京の風景をしつこく追ったり、大会のダイジェストとして追体験を期待した人達には評判が悪かったそうですが、大会そのものを離れてても成立する、私としては市川映画の最高傑作と思っていますし、好きな映画のひとつです。

今回開催されるとすれば、どの監督にオファーするのでしょうか。作詩家の松本隆が、オリンピックのための東京改造工事によってすっかり変わってしまった風景に「記憶の拠り所がなくなってしまった」、とエッセイに寂しそうに書いていましたが、すでに暗部を排除しきった感のある今の東京。「環境オリンピック」などと、スポーツと関係のないテーマを持ってくるところを見ると、独立した映画作品として完結させるのは難しそうだ。

ジャッキー・チェンとブルース・リー

2009-04-20 | 政治
量と質は対立概念です。それも「質」は「量」より上位にいるような気分でいますが、学生食堂よろしく、常に「質」が勝つとは限りません。でも「量」は「質」にコンプレックスがあって、「量」も「質」と同じ扱いをしてよ、と立場の強化を望んでいます。

中国ははんぱじゃない「量」の国家であり、さらなる立場の強化も望んでもいます。人権というものが国それぞれに一定に割り当てられているとすると、頭割りで、ひとりあたりの権利も微々たるもの、量の国家としてはいたしかたないという中央政府の立場も決して理解できないわけではありません。

かの俳優はかつて天安門事件での政府の対応を非難した香港のスターですが、同時に来日したとき、みうらじゅんに「ダッチワイフ」をプレゼントされ、「俺はそんなに女に不自由してねえ」と、そのユーモアに激怒で応えた、「割とまともな」人格の持ち主なので、昨今は共産党とも仲良くしているという噂もまんざら嘘ではないのかもしれません。

今回の発言は、アクションスター(量)と格闘家(質・ブルースリー)の違いをも彷佛とさせる、実に示唆にとんだ見識の披露ということでしょう。

港区

2009-04-20 | 政治
この年(40代)になると、外で飲むと、ほぼ確実に眠ってしまい、あらぬところで電車から放り出されます。先日など南千住という生まれてこのかたいったことのない、縁も所縁も無い場所で、朝を迎えることになりました。

道中のいきさつが分からないことには、対策のたてようもないので、腹をくくって寝るか、尿意を我慢し続けるか、起きているうちに、目的の駅から離れた場所に降り、歩くしかありません。トラブルを見越した対応は、生きた教訓として仕事にも活かせますからこういった一見無駄にみえる心構えもまた重要でしょう。どうですか?

帰るべき事務所のある六本木周辺は、靖国神社、日比谷公園や皇居、国会議事堂、首相官邸などがあり、いわば日本の中枢。よっぱらってあのみっともない東京タワーをランドマークに、千鳥ヶ淵を千鳥足で歩いても退屈しません。宴会での反省をしながら、ときおりバツの悪そうに近づいてくる警官の職務質問にも、自分を罰するようなつもりで、成果のなかった彼らに「ごくろうさま」の一言すら忘れず誠実に対応します。泉谷の「黒いカバン」の時代とは違うのです。

私は港区が好きです。

まゆのある犬、あるいは眼鏡犬

2009-04-19 | 政治
「まゆのある犬」といジャンルがあるのをご存知でしょうか。あるいは「めがね犬」。毛の短い白い犬の顔にマジックで子供によって眼鏡や眉毛を書き込まれた野良犬のことです。

かつて日本にはどこの組織にも属さないチンピラのように振るまう「野良犬」というものがおり、インスパイアされた黒澤が名作をものにしたりしています。

私が遭遇した、そんな眼鏡犬や、まゆのある犬は笑えるのに、もの悲しい、猫と比べると、産卵中の亀のように目が潤んでいたりして、随分困ってそうな佇まい、かといって人懐っこいわけではない、独特のペーソスを備えた興味深い、さらにいうと、「おいで」といってもコミットはできない凛とした孤独感がとても他人と思えない近しいものでした。

ヘロヘロ会見で有名な中川経済産業省長官を、作家の室井佑月が「濡れた犬」と表現したのは、非難ごうごうの当時、出色のコメントでしたが、そのように例えられる「犬」というものは、鳩やからすの糞尿がただれ、誰からも顧みられない銅像のように愛おしい存在です。

出版不況

2009-04-18 | アート
雑誌は景気のよかった企業からの広告収入が減り苦戦していますが、出版界はもう随分前から不況と言われているので、業界は他業種の人達よりは落ち着いて見えます。印刷屋さんを締め上げたりしてなんとかやってるので、たいしてこたえません。

そもそも広告取りの営業が幅をきかせているビジネススタイル自体がおかしく、工作舎や清流出版のように少数精鋭で地道に3000部程度のよい本を丁寧に作って出し、置いてくれる本屋さんを大切に考えていれば、本好き、活字好きな人達とのコミュニケーションは成立するはずです。

「短波放送」やってんじゃねえんだよ、とつっこまれ、苦笑されるような、青臭い意見であることもまた間違いないのですが・・・

助っ人外国人

2009-04-17 | スポーツ
先日、楽天のラズナーがとてもいいピッチングをしました。彼は去年NYヤンキースで20試合に先発し5勝を挙げた、いわばバリバリのメジャーリーガーです。世が世なら大騒ぎされそうなキャリアですが、さっぱり話題になりません。スカウトの採用理由は「アメリカじゃざらにいる150キロを投げる投手も日本では通用する」でした。
近年の日本のプロ野球での外国人打者への期待は、器用さではなく、打率は低くても長打力があり、1試合に1本大きいのを打ってくれればいい、というものです。WBCやオリンピック代表で「あれ、日本人で4番らしい4番って誰だっけ?」と考えてしまうのもそのせいでしょう。
同じようにラズナーへの期待はスピードだったことを考えると、細かい野球は日本、おおざっぱだけど豪快なのは外国人と、アメリカの野球に対して「必要」なところだけ引き出そうとするしたたかさをもって「利用」しています。
WBCの連覇といい、昔日のボブ・ホーナーヤクルト入団時のような狂騒は見られなくなったことといい、すでに大リーグに遜色もコンプレックスのない日本のプロ野球になっていることの証しでしょう。