ラストオーダーズ。

「なぁ、飯に行こうか」


そうやって友人に電話をしたのが午前０時。
色々あって、友人とともに出発したのが午前１時。
飯に行こうか、は良いのですがどう考えても時間が時間です。
本当にありがとうございました。

さらに、この友人…潤い氏は既に回転寿司を食べ終わった後という。
俺も誘われていたようなんですが、
聞き落としにより行くタイミングを逃してしまいました。


さて、午前１時です。
この時間帯に営業している店は２４時間営業の店くらいのもの。
そうなると、ガストなどのチェーン店くらいしか思いつきません。
とはいえ、折角ご飯を食べに行くわけですからチェーン店以外に行きたい。

なら時間考えろというのはごもっともですが…
そんな考えで店を探しても希望に沿う店が見つかるはずもなく、
車で彷徨ううちにいつしかサイゼリヤの前に立っていました。

〝チェーン店以外に行きたい〟などという贅沢な要望は、
空腹という現実の前に鮮やかに考えの外へ放り出されました。


なお、この時点で午前１時20分。サイゼリヤの営業時間は午前２時まで。
店に入った時、当然ながら客は一人もいませんでした。
明らかに片づけを、さらには明日の準備を始めている店員さんがいるのみ。
さぞかし迷惑な客だったことでしょう。


店員「すいません、ラストオーダーの方１時半となっておりまして…」


さぞかし迷惑な客だったことでしょう。
閉店間際の飲食店というのは色々な制約がつくものです。
俺はサイゼリヤの定番メニュー、「ミラノ風ドリア」を頼もうとしました。


店員「すいません、ミラノ風ドリアはもうご用意することができなくて…」


さぞかし迷惑な客だったことでしょう。
そりゃオーブン、グリルの類は閉店前に使えるはずがありません。
注文可能なのはサラダ、スープ、パスタ、デザートのみとのこと。
それならばパスタです。店員さんに謝罪の意を伝えるとともに注文。


～３分後～


店員「お客様、よかったら…１食分であればミラノ風ドリアの方用意できます」


さぞかし迷惑な客だったことでしょう。
そしてこの店員さんの、サイゼリヤの気配りに惚れました。
なお、ドリアは強引に飯につき合わせてしまった、潤い氏に譲ります。


この日最後のミラノ風ドリアの匂いは、
それはそれは食欲を掻き立てるには十分なものでした。
最後の１品。これは大切に、感謝の気持ちを込めて食したいものです。




ですよね、潤い氏よ。



…。




…なんか、早速タバスコかけてるこの人。