徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
since 17 JAN 2005


(since 17 AUG 2005)

微妙な高度で揺れに遭遇したのが残念です

 お怪我をされた客室乗務員の方にお見舞いを申し上げます。

Cockpit からは“全員着席”の指示は出ていなかったのでしょうか。

900m( 3000ft )とは微妙な高度でしたね。
当該便の混み具合や機内の状況が解からないので、何とも言えませんが、一般的には着席していておかしくない高度であり、STAR または Radar Vector されて降下して、進入体勢に入らんとするくらいの高度です。

Cockpit サイドからすれば、天候が良くても、10000ft 過ぎたら Cabin Crew も座って欲しいところでしょうが、サービスの進み具合やお客様のベルト装着状況の確認などで、実際難しいことも理解できます。
勿論、揺れが予想される場合には、出発前のブリーフィング時にその旨の注意喚起がありますし、上空でも Cabin Interphone を用いて、Crew 間のコミュニケーションをまめに行い、早目のベルト点灯、全員着席となります。

難しいのは、そこそこ天候が良く、悪天予報も出ていなくて、enroute もスムーズに来た場合です。
経験(悪い意味では“慣れ”)に基づいて、どうしても着席が遅れ気味になってしまうのですよね。
加えて、大人しいPICだったりすると....。

“後部ギャレー”とのことですから、お怪我をされたCAの方はサービス・カートの収納など、後片付けも最終段階だったのだと思います。

「たら・れば」は無意味ですが、もう少し早くサービスが終了して片付けも終えて着席していれば、怪我を防げたかもしれません。

CAT(晴天乱気流)だったのか、雲に入って揺れたのかも定かでありませんが、“突然の揺れ”と記事にはかいてありますから、CATだった可能性が高いですね。

私見ですが、3000ft ならば座っていてショルダー・ハーネスまでしていて欲しかったです。

お怪我をされたCAの方の一日も早い快復を願っております。


全日空機で客室乗務員骨折 着陸直前に揺れ、転倒 (共同通信) - goo ニュース
 松山空港に着陸するため降下中だった羽田発の全日空ボーイング767(乗客279人、乗員8人)で22日、突然の揺れのため客室乗務員の女性(25)が転倒し骨折していたことが23日、分かった。

ほかの乗客や乗員にけがはなかった。国土交通省航空・鉄道事故調査委員会は同日、航空事故として2人を担当調査官に指名した。

全日空によると、同機は着陸約5分前の22日午後1時54分ごろ、高度約900メートルで突然、縦横に大きく揺れ、機内後部のギャレー(調理室)にいた客室乗務員の女性2人が折り重なるように転倒した。

このうち1人が腰を強く打っており、23日に病院で診察を受け「腰椎(ようつい)の一部を骨折しており、1週間程度の安静が必要」と診断された。

2006年 1月23日 (月) 22:06
Comment ( 4 ) | Trackback ( 0 )
« どうした DHC-...JAL1922/15JAN... »
 
コメント
 
 
 
家内と話していたのですが.... ()
2006-01-24 22:56:08
こんばんは。寒い日が続きますね。

週末に札幌に飛ぶので、久々に悪友に会えるかなとメールを出したら、獣医学の学会で今モロッコにいるそうで、土曜日に関空経由で帰国だとか。

入れ違いのようなそうでないような....モロッコからですと経由地は何処なんでしょうね?聞いときます。



さて、ANAさんのTurbの件、

うちでも話題になってしまったのですが、家内曰く、"国内線も短い路線だとギャレーの片付けもなかなか終われへんねんから....ベルトサインのタイミングが命綱なのよ"とぽつり。

でも、3000ftで着席してないのはかなり遅いと思うと言ってました。

悪天候などでサービス開始が遅れたのかもしれませんね。



JALみたいに10,000ftのコールをかけない分、意識が

着陸に向かわないのでしょうか?



けがをされた方は本当に大変ですね。

後遺症が残らないことを祈りたいです。

 
 
 
ずっと問題にはなっているのですが... (PAX)
2006-01-25 14:12:53
「虎」さん、こんにちは。



> 意識が着陸に向かわないのでしょうか?

は無いと思います。CAとしてプロであるからには、現在のFLT Phaseはきちんと把握していると思います。

ただ、奥様が仰るように忙しかったり、ちょっとタイミングを逃すと、連鎖的に遅れが蓄積、後手後手に回ってしまうようですね。



昨年には鶴社のIntlで、サービス・カートを手で押さえてLandingする、という大“喝”ものもありました。

http://blog.goo.ne.jp/boeing777-346er/e/687077a8c56afd4aeb4788bc5d5e1b31



CAの地上滑走時の離席や降下中(ベルト・オン時)の離席については随分と歴史の長い問題なのですよね。殊に短距離の国内線。スーパーシートで預かった上着を返却するのにFINAL直前まで動き回ったり、etc.

サービスやCSも大事ですが、過度のそれが原因で怪我をしてしまったのでは本末転倒です。



さて、週末はSPKですか。お気を付けて、楽しいご旅行を。

モロッコから...、CDG, LHR, AMS, FRA あたりが乗り継ぎ候補地でしょうか。KIXだとCDGかLHRかな。
 
 
 
CATについて (星の金貨)
2006-01-30 06:09:47
初めまして!低層乱気流について検索していましたら、このHPに辿りつきました。

岐阜市の近くに住んでいる30代の私は一応気象予報士の資格を取得しています。

突然ですけど、CAT(晴天乱気流)についてお聞きしたいことがあります。

晴天乱気流は、高度の高いところ(約10000mを中心として約5000mから15000mぐらい)で起こるのではないでしょうか?今回の場合、高度約900mとかなり低いので晴天乱気流ではないと思うんですけど、いかがでしょうか?

いきなり、訪問して質問をぶつけてしまい申し訳ありませんが、解説よろしくお願いします!

過去のBlog拝見しましたが、大変勉強になります。これからもおじゃまさせて頂きます。
 
 
 
Re: CATについて (PAX)
2006-01-30 14:25:35
「星の金貨」さん、こんにちは。はじめまして。

気象予報士の方に突っ込まれて、タジタジであります。

ご指摘の通り、投稿ではCATを非常に広義で“雲が無いところで揺れる”の意味で使ってしまいました。航空気象からすると正しい使い方ではありませんね。反省。

仰るとおり、積雲状の雲に起因せず、通常は15000ft以上でwindshearに起因するものをClear Air Turbulence(CAT)と分類します。

今回、雑にCATと使ってしまいましたが、擾乱(Turbulence)の原因はwindshearだと思われます。windshareが何によって引き起こされたかは、当時の資料も無く解かりませんが、前線面に起因するFrontal Turbulenceか類似現象が疑われますし、高度としてはMountain Waveも要因としては排除できないと思います。

前線面の200マイル以内では、3000ft以下において、急激な風向・風速の変化でlow-level windshearが起こり得ることが知られています。

Mountain Waveの例では、羽田にapproachする機体が房総半島上空、数千ftで、富士山の風下に起こる擾乱の影響を時々受けることがあります。



満足な回答になっていないかと思いますがご容赦下さい。何れの内容も“釈迦に説法”でしたね。失礼いたしました。
 
コメントを投稿する
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。