"The Problem We All Live With" (共有すべき問題)
January 14, 1964. Oil on canvas
バックの壁にはぶつけられたトマト、そしてNigger(黒人の差別語)やKKK(白人至上主義)の落書き。
連邦保安官に守られながら歩く、黒人少女の姿。
アメリカが、人種差別を当然のものとして「豊か」であれた最後の時代、50’s~60’s
その次のジェネレーション―――公民権運動と、白人たちの激しい拒絶に血が流れた60年代、
ノーマン ロックウェルは問題意識と勇気を持ち、きちんと描いていました。
ちなみに、その絵のタイトルは“The Problem We All Live With”。私たちすべての問題、と訳したらいいのだろうか。
モデルの少女は、ルビィ・ブリッジス。ときは1960年、人種差別が最も激しい南部・ルイジアナ州・ニューオーリンズ。
最初に白人専用だった学校に通った黒人のひとり。選抜試験で抜群の結果をおさめた少女だった。
初登校の日、白人たちはデモを行い、罵声の嵐。
「帰れ!」 「お前の来るところじゃない!」
ルビィはそのとき、6歳だった。白人の親たちは子供たちを登校させなかった。ガランとした学校に、ルビィはひとり。
先生までルビィを拒否した。北部・ボストンから来た先生だけがルビィを教えた。
二人っきりの授業がはじまる。デモは1学期間続いた。ルビィの父は解雇された。1年以上も、二人だけの授業は続いた……。
キング牧師の命を張った公民権運動(差別撤廃運動)を経て、あれから半世紀!
アメリカ合衆国は、黒人大統領オバマを誕生させた!
そしていま、NR財団から貸与され、ホワイトハウスの大統領執務室の隣室にこの絵が掲げられました。
掲げられるその日、ルビィ・ブリッジスさんはオバマ大統領からWHに招かれました。(中央がRubyさん)
小生、NRのファンとして誇らしい気持ちになりました! (^_^)/