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Core 2

2006年08月05日 08時04分00秒 | ACADEMIC・MUSEUM・駅・空港
文具類やサプライ品などを仕入れに、夜半過ぎ、チャリで秋葉へ。

すると要所要所のPCショップの軒先にけっこうな行列が出来ている。
「もしや」と思い、行列が出来ているショップの店員に尋ねてみると、案の定インテルの新CPU『Core 2 Duo』の発売待ち行列とのことだった。Windows95やXPの発売よろしく、深夜のカウント販売。自作erにとっての「お祭り」という訳だ。

――Core 2 Duo

仮想ではなく、物理的に2つのCPUコアを内包したデュアルコアプロセッサー。これまでのインテルのデスクトップ向けCPUの主流であったLGA775版『Pentium D』の3分の1程度のTDP(Conroeコア版で75W)で駆動し、40%の性能向上(Pen D 960を基準とした場合)が図られたインテルの切り札。そしてこの『Core 2』の登場により、1993年から続いたPentiumの系譜に終止符が打たれることになる。今後『Pentium』と銘打つCPUは一切発売されることはない(骨子となる命令系統は80年代から連綿と続くx86アーキだが)。

この『Core 2』は、そのアーキテクチャー以外にも興味深い点を多々持ったCPUである。その筆頭が「イスラエルで開発されたCPUである」ということ。あまり表立って語られることはなかったが、Centrinoテクノロジ登場以降のインテルは、デスクトップ向けCPUの設計は米国のデザインセンターが、モバイル向けのそれはイスラエルのデザインセンターがそれぞれ担当するという“分業体制”になっていた。その“分業体制”による米・イの成果の差は残酷なまでに大きく、手始めにイスラエルのチームが開発したBaniasコアの『Pentium-M』は、米国サイドの『Pentium 4』(たとえばNorthwoodコア版)よりも40%ほど低いクロックで同等以上の性能を発揮。インテルのクロック至上主義を真っ向から否定する、「1クロックあたりの処理量の高効率化」(どこのCPUベンダもこれに腐心しているのだが)というアプローチにより、インテル久しぶりの良作として瞬く間にノートPC市場を席巻。さらにはあのAppleまでをも懐柔することに成功している。対してPentium 4~Pentium Dは「温風ヒーター」「ブレーカースイッチャー」などの悪評を賜り低迷、その間隙を付かれ、昨年11月、コンシューマ向けデスクトップCPUのシェアにおいて、ついにAMDの下克上を許してしまうことになる。

さらに興味深いのが、このイスラエルチームの成果により、インテルがロードマップの変更を余儀なくされたという点。本来はデスクトップ用のPentium 4系(Pentium D、Celeron D含む)、モバイル用のPentium M系(Celeron M含む)という2つの軸によるコンシューマ向けPC市場戦略はもっと長く続くはずであった。しかしBaniasコア版Pen Mの「クロックあたりの性能でモバイル向けCPUがデスクトップ向けCPUを大きく上回ってしまう」というパラドックスにより、2004年、これまでのPen 4系の系譜を断ち切った、“イスラエル・アーキテクチャ”1本に統合させた新ロードマップを発表。そして今年の今日、そのロードマップに則り、インテルのコンシューマ向けCPUは一つに統合されるに相成った。

このインテルの「イスラエル化」は、『Core 2』に搭載されるCPUコアのコードネームに色濃く見ることができる。たとえば『Core 2』より一足先に登場したモバイル向けCPU『Intel Core』のコードネームは旧約聖書に登場するイスラエルの地名『Yonah』だ。そのYonahの開発にあたり、デバッグツール的に開発されたテストCPUの名は『Kikayon』。これも旧約聖書に登場するゴマの木の名前だ。さらにYonahの後継となる予定の新型コア『Merom』は、これまた旧約聖書のジョシュア記11章、ジョシュア軍とハツォル軍の戦いの場となった「メロムの水場」に由来していると思われる。これがアーキテクチャーを確立したイスラエルチームへの敬意の表れなのか、ある種の法則なのか、はたまた何かの隠喩なのかは定かではない。バビロン補囚、マサダの全滅、そして20世紀のホロコーストと、常に迫害を受け、棄民であり続ける運命ゆえ、国家の中枢に食い込める金融かテクノクラートに就くしか生きる道がなかったユダヤ民族の、さりげなくも強烈なアピールが見えてくるようで実に興味深い。
余談だが、キワ物扱いされたかつてのVIAのSocket 370互換CPU、『C3』の「Nehemiah」コアも、明らかに旧約聖書のネヘミヤ記に由来するものだろう(このCPUも驚異的な低発熱量で話題になったんだっけ)。イスラエルとの関与は定かではないが。

なにはともあれ、今やノートもデスクも『Core 2』一色。これをカンフル剤に自作ブームも再燃の兆し。おかげさまで俺様君の仕事も一時的に増えることだろう。


EOS 20D + EF-S 17-85mm f4-5.6 IS USM
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