外は黄金、中は毒
映像の質感がざらついていて粗いのが残念でした。
撮影もクリストファー・ドイルではないので浮遊感と言うか
ファンタジックさが感じられなかったのも物足りなかったな。
だけど、絢爛豪華なセット&衣装、
勢いのあるワイヤーアクション、
そして情念(愛憎)の演技はとにかく凄い!!
特に感心したのは金属音。
刀と刀、刀と甲冑、お盆と器etc
がこすれる時の金属音。
それらは宮廷内の不協和音を示しているのかな?
それらが妙なメロディを奏でているように聴こえてしまいました。。。
そして、クライマックスの戦のあとキチンとお掃除しているのが好感度大でした。(*^-^*
もしも、チェン・カイコーがこの作品を監督したとしたら
一大叙事詩に徹しきって仕上げるだろうけど、
やっぱ、チャン・イーモウの演出って気品が残っているのよね。
素朴さが抜けきらないと言うか、そういう作風が私は好きなんだけどね。(*^-^*
物語的には韓国のメロドラマや日本の昼メロをはるかに超越するドロドロさでした★
P.S.
韓国ドラマ『太王四神記 - Wikipedia』や
日本映画『武士の一分 - goo 映画』『女帝 春日局(1990) - goo 映画』など
宮廷や武家を描く時代劇には“毒薬”がキーワードになる作品が多いですよね。
「王妃の紋章」、どんな映画と訊かれたら、黄金と血とエキストラでしょうか^^。
元になった戯曲「雷雨」は、1910年代が舞台の、ある裕福な家庭の悲劇を描いた中国では有名な作品だそうで、それを唐朝末期の宮廷に置着替えて作られたんですね。「HERO」「LOVERS」に続く時代劇ですが、豪華さとドロドロの愛憎を際立たせることに徹していて、前二作よりも娯楽性はありました。
室内の場面が多く(しかもキンキラ・笑)、一家の閉塞感が迫ってきて、息を呑むというより息が詰まりそうでした。宮廷外のシーンが少なかったのも狙いでしょうかね。
淡々と進む清掃と宴の準備が人を食ったようで、大王の絶対的な力を感じずにはいられなかったです。
「女帝 エンペラー」のチャン・ツィイーを見たとき、彼女も西太后の域まで達したかと思いましたが、まだまだコン・リーの存在感には及びませんね。
ラストのジェイ・チョウの姿にエンディングの歌がかぶって、ちょっとジーンときちゃいました。
解説ありがとうです。(*^-^*
>元になった戯曲「雷雨」は、1910年代が舞台の、ある裕福な家庭の悲劇を描いた中国では有名な作品だそうで、それを唐朝末期の宮廷に置着替えて作られたんですね。
『危険な関係』を朝鮮王朝に置き換えてリメイクした『スキャンダル』みたいな感じなのかな?
>淡々と進む清掃と宴の準備が人を食ったようで、大王の絶対的な力を感じずにはいられなかったです。
戦いの場面に観入っていたので、この場面は呆気にとられちゃいました。(^-^ゞ
大王の絶対的な権力を誇示している重要な場面でもあったのですね。
コン・リーは欧米女優に例えるならば
ケイト・ブランシェット級だと思うけど、演技にドギツサがないのが良いですね。
と言ってもヤワではないし、気品と気迫が合わさった“たおやかさ”がありますね。
チャン・ツィイーの『女帝 エンペラー』は未見なので機会があれば観たいと思います。