6月下旬、初夏の北海道を旅しまし
た。暑くもなく、寒くもなくちょうど
よい気候です。
最初は札幌の大通公園を散歩しました。
札幌
大通公園は、1871年(明治4年)
官庁街と住宅・商業街の間の防火帯とし
て造られました。
西1丁目から12丁目まで、全長約
1.5キロ。巾100m。
「フラワーフェスタ2017」が開かれ
美しさを競う花壇コンクールが人々の目
を楽しませてくれます。
大通花壇は、明治9年ごろ開拓使が輸入
した西洋花を植えたことに始まるそうで
す。
西3丁目の公園内には、石川啄木の歌碑
と像が並んでいます。
石川啄木(1886-1912年)が
函館から札幌入りしたのは、1907
年(明治40年)9月のことです。
満21才。
滞在2週間であわただしく札幌を去りま
すが、勤め先の北門新報に印象記を残し
、小樽・釧路へと旅立ちます。
歌碑には
「しんとして幅広き街の
秋の夜の
玉蜀黍の焼くるにほひよ」
歌碑の側面には「秋風記」が彫られて
います。
「札幌は寔に美しき北の都なり。初めて
見たる我が喜びは何にか例へむ。アカシ
アの並木を騒がせ、ポプラの葉を裏返し
て吹く風の冷たさ。札幌は秋風の国なり
木立の市なり。おほらかに静かにして、
人の香よりは、樹の香こそ勝りたれ。大
なる田舎町なり、しめやかなる恋の多く
ありそうなる郷なり、詩人の住むべき都
会なり。
明治四十年作 」
のち東京に居て遠く林檎園の夏に思い
をはせた一首。
「石狩の都の外の
君が家
林檎の花の散りてやあらむ」