ブルックリン横丁

ブルックリン在住17年の音楽ライター/歌詞対訳者=渡辺深雪の駄ブログ。 そろそろきちんと再開しますよ。

Jay-ZとD.O.A、そしてHOT97

2009-06-11 | ブルックリン横丁
久々にヒップホップねたです。

ストリーミングで24/7な感じで世界のどこでもHOT97をチェック出来るようになったご時世。HOT97としてもこのハイプには乗れるだけ乗っていきますよー!!的に毎日毎日宣伝に忙しい感じ。

先週末に開催されたお馴染みサマージャムではやはりJay-ZがDOAをパフォーマンス(Tペイン登場のサプライズ付き)してオイシイところを持ってちゃった訳ですが、HOT97でも数日前に行われたアンジー・マーの番組内に出演したジェイの発言を15分置きくらいに繰り返し繰り返し放送して「聞き逃したヒトはネットで聴けるよ!」的に宣伝しまくり千代子なわけです。

私もまさにそのインタビューが生放送されていた時にクルマを運転してて、信号待ちの時にメールチェックしてたら、最近リユナイトした東京の元レコ屋店員(フフフ)からの「今ジェイがHOT97で喋ってるのをストリーミングで聴いてます!」という知らせで慌ててチューン・インしたという始末。ってか東京午前5時だし。元レコ屋恐るべし。

残念ながら私が聴いた時にはアンジーとジェイは雑談モードに入っており、パンチラインは聞き逃したものの、数日経った今でもインタビューの核心の部分はガンガンラジオで流れているので一応「拾い聞き」ながらもジェイの言い分は判ったぜ、って感じ。

要は「ウェインとかカニエとか、オートチューンで良い曲作ってるやつらもいるし、自分はオートチューンが嫌いな訳じゃない、でも流行だからってみんながみんな同じサウンドを作るとそこでヒップホップが停滞する」ということ。

ま、その通りなんだけど、NYに住んでるからなのか、もうジェイZって何やっても周囲が良いように解釈してあげちゃうモードっていうか。ラッパーであるよりも既にビジネスマンの側面が強い存在になっちゃったし、DOAをこのタイミングでリリースするのも「そろそろヒップホップ界にビーフ投入→多少の物議を呼びつつサマージャム&ネットストリーミングの宣伝に貢献」というHOT97とのしがらみ/癒着を感じないでもないというか。本気でオートチューンが嫌いとか言ってるわけでも、Tペインがどうの、とか言ってるわけでもないし、釈迦の手の平で孫悟空が飛び回る図、というか、このゲームを手中に入れた人間が気まぐれにシーンを揺さぶってる、としか思えんのですわ。

「分厚い札束が入らねえからスキニー・ジーンズは穿かねえ!」のパンチラインも記憶に新しいジェイですが、これだって昨今のヒップスター寄りのヒップホップ・ファションを当然意識しつつも世代的についていけないオヤジなりの、「流行は意識/理解してるけど敢えてノらない分別のついたオレ」という姿勢出しだよね?

そのヘンの、若者に媚びないながらもシーンの動向には気を配ってる感の配分がウマいんだよなぁ。30+をも安心させる言動。策士だねぇ。

Tペインにしてもジェイから(エセ)ビーフを仕掛けて頂いた時点で男が上がるワケで有り難さ満点だろうし、何だかジェイを取り巻くシチュエーションはどう転んでも皆が得するように出来てるよなー。ウマいよなー。と感服です。これぞ究極のエンターテイメント、じゃないの?ヒップホップ界未曾有のアゲチン。それをハンドルするワイフィー=ビヨンセ。無敵だ…。

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