DALAI_KUMA

いかに楽しく人生を過ごすか、これが生きるうえで、もっとも大切なことです。ただし、人に迷惑をかけないこと。

湖の鎮魂歌(102)

2013-11-12 17:08:37 | ButsuButsu


今日は、琵琶湖の調査で高島にやってきた。

風景明媚な場所でもある。

漁船を使うので、現地で宿泊することにした。

高島には昔、京都大学の古環境実験施設があった。

堀江正治先生が、1400mの湖中ボーリングをされたことで知られている。

この記録はまだ破られていない。

琵琶湖が見えるかどうかは大きな違いがある。

おそらく10倍くらいの価値があるのだろう。

堀江先生は1978年から1987年まで、この研究施設に勤務し、毎日、琵琶湖を眺めながら研究をされた。

さぞかし満足されたことだろう。

私もあやかりたいと思うのだが、まだ実現していない。

琵琶湖での私の研究歴が、堀江先生と重なる時期はそんなに長くない。

ただ、とても懐かしい思い出がある。

まだ、私が京都大学大学院理学研究科の院生だった頃だ。

私の机の前に研究室の外線電話があった。

そこへ堀江先生はよく電話をかけにこられた。

実際、彼は、電話魔として知られていた。

私が何気なく音楽を聞いていると、立ち止まって聞いておられた。

「お邪魔なら、切りましょうか」

ときくと、

「いや、聞かせてください」

と言って、電話をすることもなくたたずんでおられた。

先生は、モーツアルトが好きなようだった。

生涯独身だった先生は、きっとロマンチックな人だったのだろう。

今日は、この地で一泊する。

すでに他界された堀江先生のことを思い出しながら、琵琶湖に乾杯しよう。

京都大学には、時々、琵琶湖が大好きな研究者がでる。

その点だけは、私も負けない気がする。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿