いまさら韓ドラ!

韓国ドラマの感想をネタバレしながら書いています。旧作メイン

私の名前はキム・サムスン 〆7

2013年11月20日 | 私の名前はキム・サムスン
  第7話 「マドレーヌ 失われた時を求めて」


ホテルの竣工パーティーで性懲りもなくサムスンに近づいてきた元カレのヒョヌ。
スペインみやげのネックレスを渡し、ジノンとはやく別れるよう忠告するが、
当のジノンにあっさりぶっ飛ばされてしまった。
婚約者のチェリも参戦してサムスンと女の戦いが始まるが、
慌てた彼氏に互いに引き離されて終了。
「若造!俺はサムスンの初めての男だぞ。この意味がわかるか!この野郎!」
ヒョヌの捨て台詞が耳に残る。

「なぜあんなやつを相手にするんだ!
奴と口をきくな!他の男と目を合わせるな!俺の言うことだけに耳を傾けろ!」
ジノンはサムスンを怒鳴りつける。
ヒョヌを殴ったことで、惚れられたなんて思うほどウブじゃない。
でも俺のいうことだけを聞けっていうのは失言ですか?失言ですよね。
「失言じゃない。イヤなんだ。他の男を見たり、熱心に話を聞いたり、
どうしてかわからないけど、イヤだ」
意外なジノンの発言にドギマギするサムスンだが、当のジノンは相変わらず。
「本気になるなって?何勘違いしてんの?」

「コレだよ……。もう帰る!」
ぷりぷりするサムスンを引き留めて、ジノンはサムスンの腹枕で一休み。
「ちょ、ちょとやめてよ。せめて膝枕……」
「これがいいの」
ジノンはサムスンの三段腹に頭を預けて、自分の過去を話し出した。
「兄を殺した。兄と兄嫁と僕の恋を、殺したんだ」

兄夫婦とミジュをのせてピクニックの帰り、車を運転した。
迷い出てきた野良犬を避けようとして、車は横転。
そこへ後続のバイクが突っ込んできて……。
気がつくと、血だらけの兄の力ない手が、目の前に突き出ていた。
自分自身も血を流し、身動きができないまま、兄の手を握っていた……。

ジノンは、サムスンの前で声を殺して泣いた。

事故の数日後、ヒジンはジノンの元から去って行った。
5年後に必ず帰ると言い残して。
「彼女を待ってたのね」
「ただ時が過ぎただけだ」
「待ってたのよ。未練にしろ、意地にしろ。彼女とやり直す?」
ジノンは答えない。
「まだ愛してるのね。私にはわかる」
それでもジノンは黙っている。

サムスンとヒジンは似ていると、ジノンは言う。
自分を笑わせてくれるところが。
昔、ハルラ山に登った。受験のあと、兄と。
リハビリの後、ひとりで。
登り切った頂上は雲海だった。
自分を責めることも、悔やむこともやめようと思った。
彼女が戻った時、無気力な姿は見せまいと。
兄と登って食べたラーメンはおいしかった。
雪解け水を使って作ったラーメン。あんなうまいラーメンはもう二度と食べられない。

打ち明け話の途中で、ついついおなかの虫が鳴いてしまったサムスン。
ジノンは笑って、「今度ハルラ山に一緒に登ろう」と言った。
でも、しっかり釘をさすことは忘れない。
「あなたのことを好きになったわけじゃないですから。勘違いしないで」

ホテルを出ようとしたふたりは、
ロビーでヒジンとヘンリーに出会ってしまう。
ジノンの腕をとり、「話がある」と言うヒジン。
しかし彼は取り合わず、サムスンを連れて行こうとする。
「ダメ。行かせないわ」
真剣なヒジンの目を見て迷うジノンを止めたのは、サムスン。
「行かないで」
彼女の言葉に驚いたような表情のジノン。
「あんたも他の女の目を見ないで。私の言葉だけを聞いて。そっちにいったら別れるから」
「少しだけよ」
「1分1秒でもイヤ」
助け船を出したのは、ヘンリー。
ヒジンの腕を取り、彼女を引き離す。
サムスンもジノンとタクシーに乗り空港へ向かおうとするが、途中でジノンが車を止めた。
「先に帰ってて」

別のタクシーを拾ってホテルへ帰ろうとするジノンをサムスンが引き留める。
「待って、行かないで」
「何ですか、後にして」
「好きになったの」
ジノンは目を丸くしてサムスンを見ている。
「あんたを好きよ。バカ野郎。行かないで。行ってしまったら……今行ったら……」
ジノンは黙って、タクシーに乗り込み、行ってしまった。
サムスンはとぼとぼと、ホテルへの道を歩き出す。
足が痛い……。

ジノンはホテルへとって返し、ヒジンの部屋を訪ねた。
ヘンリーがニッコリして部屋へ入れてくれる。
「姿を消したわけは?留学は口実だろ」
ジノンはヒジンを問い詰める。
男ができたからだと勘ぐるジノンに、ヒジンは失望している。
彼女同伴で来ている彼に、何もいうつもりはない。
「そうとわかってたら来なかった。わたしたち本当に終わりみたいね」
「わけを言え」
「いいえ、言わないわ。一生気に病んで、後悔すればいい。信じなかった罰よ」
顔色が変わるジノンを、ヘンリーが止めた。
「落ち着け。彼女は重い病気だったんだ」

ヒジンは、進行性の胃がんだった。
「僕は彼女の主治医だよ」

ヘンリーは席を外し、ヒジンとジノンが残った。
「本当なのか?」
事故にあった彼を思うと、真実を言えなかった。
「ごめんなさい。大丈夫だと思ったの……」
泣き崩れるヒジンを、抱きしめる。

サムスンは養豚トラックをヒッチハイクして、ホテルに戻ってきた。
ロビーでヘンリーの姿を見つけ、ヒジンの部屋番号を聞き出そうとするが、
彼は韓国語がわからない。
サムスンは英語ができない。ヘンリーはフランス語ができないし……。
「ルームナンバー教えなさいよ!」

ジノンとヒジンは、部屋でふたり、語り合っていた。
空白だった3年間を埋めるかのように。

サムスンは、口を割らないヘンリーに降参。
一緒に紅茶を飲み、マドレーヌについての講釈を始める。
紅茶に浸して食べるとおいしいの。
マドレーヌはプルーストの「失われた時を求めて」に出てくるお菓子。
「きっとあのふたりも本の主人公みたいに失われた時を求めてるのね」

空港でジノンを待つサムスンは、彼の携帯にメッセージを吹き込む。
お兄さんの話のお礼に、自分のお父さんの話を。
お父さんの葬儀には、間に合わなかった。
フランスに行くとき、お餅をたくさん作って持って来てくれたお父さん。
お餅なんかかっこわるいとふてくされた私。
もしあれが最後だとわかっていたら、いただきます、お父さん、
私が帰るまで元気でね、って言ったのに。
「お兄さんの話をしてくれてありがとう。ほんとにありがとう。テンキュー」

涙をこらえて電話を切ったサムスン。
空港から遠くハルラ山の方向を眺めて、ため息と共につぶやく。
「お父さん、私の恋はどうしていつもうまく行かないの?」

(つづく)


ああ~もうどうしようもなく長くなっちゃったですね~。
あらすじのつもりが、なんかこまごまと……。

だってどうしたらいいのさ!

すっきりすんなりヨリがもどっちゃってさ!

この後どうしたらいいのさ!

ヒョヌをぶっ飛ばしてさ-、
なぜかわかんないけどサムスンが他の男と一緒にいるのはイヤだって言ってさ-、
自分の一番大きな心の傷を話してさ-、
彼女の腹で泣いてさー、
慰められてさー、
お兄さんとの思い出の山に一緒に登ろうって言ってさ-、

で、あっさりモトサヤか!

そりゃねーでしょう。

ヒジンもさ、
こないだはワケを話すとか言っといて泣きながら逃げちゃってさ。
今度は「同情で愛されてもそれは愛じゃない」とか言い出してホントのこと言わないとか言ってたね?
ヘンリーは話した方がいいってアドバイスしてくれたのに。
でも実際ワケを話そうと思って来てたんでしょ?
サムスンが一緒だったから切れてやめただけで、言うつもりだったんでしょ!
矛盾してないかなぁ。

まー、びんたされて可哀想でしたけどね。
ちょっとヒステリーみたいになってるところをびんたされて我に返り泣く、という
ビクトリア調の展開でしたね。
ジノン、何様か。
筋金入りのフェミニスト、ヘンリーがいたらゆるされんわ。

ヘンリ~、もちろんクレイジーなサムスンには部屋番号教えないとして、
あんたロビーでひとりぼっちでええんかいな。
二部屋とってなかったんですか?
まさか一緒の部屋だったのに締め出し食らっちゃったのか?
いやいや、紳士だからね、部屋は別だったでしょう。
でも彼女とジノンが一緒にいるお部屋のとなりには帰りたくないよな~。
主治医として、友人として、愛するものとして彼女を支えてきたのに。
不憫な男よ。

お互い相手をほっといていちゃつく様子が腹立つわ。
へー、キスが薬ですか、ふ~ん。
「あとはどこ?」で、唇に要求しますか、無表情で。ふ~ん。

ジノンが、怒る時以外は、ヒジンに対してもそんなに表情豊かじゃないのが救いです。
もうこれでとろけるような笑顔とかだったらマジで泣く。
サムスンのために号泣必須だよ。

予告編でさ、「好きになっちゃった」って言ったのは、
サムスンがお姉さんに言ったのかな、と思ってたの。
それが、第7話でこんな風に告白しちゃうとは~。
あ、でも中盤かぁ。

ねぇ、ここからどうやって大逆転するわけ?

ジノンはもちろんヒジンが好きでさ、
ヒジンもジノンが好きでしょ?
いわゆる相思相愛でしょ?
このまま横やり入れたら、サムスンが悪者でしょ?
ヒジンにもなんか欠点あるわけ?ないでしょ?
そもそもジノンがすべてゆるしてるんだから、問題ナッシング。

ここで終了でしょ!

自分の三段腹の上で、男が男泣きに泣くなんて、確かにギャグにしかなりませんやね。
空港で自分のお父さんの話をするサムスンは、なかなか健気な娘なんですけどね~。
いかんせんライバルが強すぎる。

ジノンの事故の話、予想していたこととはいえ、すごかったですね。
何より、映像がシビアだった。
血だらけになり、逆さまになっているジノン。
事故の原因となった野良犬が、舌をたらして窓の付近をうろうろしているのが見える。
恐怖と痛みで、子どものように心細げな泣き声を上げてしまう彼の目の前に、
だらんっと兄の手が垂れ下がる。
ジノンの目から吹き出す涙は、額へと流れていく……。
血もいっぱい出てるし、なにより悲惨な光景ですよね。
きっと助けが来るまで、彼は兄夫婦の遺体とともに、車に閉じ込められていたはず。

この衝撃の映像があるからこそ、ジノンの負った心の傷の深さが、
心に迫ってくるわけですよ。
ヒジンをかたくなに拒否した彼の態度に、説得力が出たと思う。
たぶん、事故の前からシニカルでオレサマなやつだったのは間違いないだろうけど。

ジノンが自分から、事故のことを話したのは重要だと思ったんですけどね。
サムスンに甘えたジノンは、悪夢から解放されたんだと信じたんですけどね。
彼女には、一番つらい記憶を話しておきたかった。
それはジノンにとってサムスンが大切な人だからだと思ったのに、
彼はヒジンを選んだ。

しかも告白されといて、驚きはしたが躊躇なしですよ?
サムスンの言葉にぴくりとも眉を動かさず、タクシーに乗り込んだジノン。
もう、ヒジンのことで頭がいっぱいですものね。
もしかしたら65%の確率で、二度と会えなかったかもしれないヒジン。
重いわ~。

これまで自分の話はいっさいしなかったジノンが、
サムスンに心を許したんだな、と思っていたのに。
どうしてこんなことになっちゃうんですかね。私は悲しいよ。
サムスンの出る幕なんてぜんぜんないな、と思えちゃうのが余計悲しいや。

サムスンは、お菓子のことでは本当に博学ですね。
プルーストの「失われた時を求めて」
もちろん私は読んだことありません。
マドレーヌは「フレンチ クッキー」か。
そして官能的なお菓子、ということで「セクスィー クッキー」
焼き菓子は総じてクッキーなのか?
細かいところはわかりませんが、ふたりのやりとりは見ていて楽しかった。

ラスト、サムスンが必死で泣くのをこらえて、お父さんの話をするシーン、
涙なくしては見られないよ。
一生懸命泣くのを我慢しているところがまた泣ける。

このまま、ジノンをあきらめるのか、サムスン。
フツーはあきらめるよね。
割り込む余地ないもん。
失恋が続くと、ダメージもでかいぜ。

ジノンはなんであんなに無表情なんだろうねぇ。
サムスンが自分を好きになるなんて、みじんも思っていなかったんだろうね。


しかし目には感情がこもっていると思う。目だけの演技ってむずい。

あ~あ、いったいこの恋物語はどこへどう行き着くのやら……。


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