≪1≫よりつづき
-大悦土木-
「こっちはいいから~なんかあったらスグ連絡くれよ!」ってゆー職長さん
嶋さんが慌てて帰宅準備
「あ。誠治…お先な!」って嶋さん
「お疲れっす!」な誠治
どうしたんっすか?って訪ねる誠治に「奥さん具合悪いんだよ」って
「あ…。じゃ俺のこってやってきますから」
「たすかるよ」って職長
-オフィス街-
親父さんの携帯が鳴る
誠治って画面に表示されてる…誠治からCallingだ!
「…はい。遅くなる?薬だな…わかった。…わかったって言ってんだろ!しつこい」
電話を切ると胸ポケットにしまう親父さん
ふと…何かを思い出したような表情に。
少し歩くとワインSHOPへと入って行く
-誠治宅-
ママさん…お皿を拭いている
そこへ親父さんが入ってきて「すみこ…薬飲んだか?」
「はぃ」
「そうか」
1枚のお皿をこれでもか!ってくらい念入りに拭きまくるママさん
そっとそばへ来ると「なぁ」って呼びかける親父さん
カウンターに1本のワインを置くと「たまにはどうだ。一緒に」ってお誘い
ママさんの横っちょには可愛らしい熊さんの後姿が…(笑)←これ余談ですw
向かい合ってテーブルにつく夫婦
「お前も色々大変だろうけどな。」ってチーン!って乾杯する夫婦
静かにワイングラスを傾ける夫婦
-赤ちょうちん-
「うちの親父、誠一っていうんだけどさ。全然誠実のかけらもないっつーか…」って誠治
「ふーん。じゃあ誠治の誠って字はお父さんから貰った字なんだ?」なオンナ先輩
なんかムカつくってゆー誠治…そんなこんな話しながら、持ってた「たこ焼き」にマヨネーズをかけようとすると…
「ちょ!ちょっと~!」って規制がかかった
あたしのぶんまでかけないで!だそう
たこ焼きたべながら「ほんとはお父さん…誠治と仲良くしたいんじゃない?」って
男どうしてお酒を呑むとかさ…って
そんな諸々の会話
-誠治宅-
帰宅した誠治
「ただいま~」ってリビングへ…
キッチンに倒れているママさんを発見
「母さん!母さん!」呼びかける誠治
「おやじー!おい!おやじー!!」
親父さんやってきて「どうした!」って
「すみこ…しっかりしろ!すみこ」慌てる男たち
「何があったんだよ!」って誠治
「いや。わからん!」な親父さん
-病院-
ベッドに休んでいるママさん
うなだれる男2人…主治医の先生も
目が覚めたママさん「ごめんなさぃ」を繰り返す
「大丈夫ですよ」って先生が…
お酒と薬の相互作用でウツ状態が悪化して一種の意識障害になってしまったようです
自分を傷つけることで安心しようとしたのでしょう…だって
このまま入院して様子を見ましょう…だって
入院するのはイヤなママさん
「母さん…入院しよう。今は一番に自分の体のこと考えて」ってゆー誠治。
そうしてくれることが安心だから…って
「どうしてワインなんか飲ませたんだよ」って怒る誠治
「お酒がいけないなんて知らなかったんだよ」
「それは知ろうとしなかったからだろう」
「そんなことはない」
「じゃあ、なんで先生の話きこうと思わなかったんだよ」
イイワケすんなよ…って堂々巡りの親子の会話
「先生の前でみっともない」って親父さん
夜分に対応いただきありがとうございます。妻をよろしくお願いします
そう言うと出て行ってしまう親父さん
「逃げんなよ!」って誠治
「お父さん怖いのかもしれませんね…お母さんの病気と向き合い受け入れるのが」って先生
「怖い?冗談じゃないっすよ…」って誠治
親父は父親なんですよ?父親なんですよ…ってつぶやく誠治
-現場-
スコップを使う誠治
ふっと手が止まる
そこへオンナ先輩「誠治…大丈夫?」
「俺がバカだったよ…一緒に酒でも飲もうと思った俺がバカだった」
「…お父さん?」
無言でスコップを使う誠治
-居酒屋-
いつも集まる場所
いつものメンツ・・・あれ?あかりちゃんがいるぞ!
オススメの一品をオススメしてると職長が入ってきた!
「あ。職長!お先にジャンジャンやってます」ってゆー色男先輩←哲平くん
「やってるなぁ~」って職長さん「あかり~珍しいな」だって
「デートの予定があったんですけど。彼、急な仕事が入っちゃったから」って
おぉ?って表情の誠治
「デートの穴埋めか」って職長
「ホントは~今日は~フレンチに連れてってもらうハズだったから」って
チラッと横を見て「どうりで~おしゃれしてると思った~」ってゆー色男先輩哲平くん
「でしょぉ~?」
「店構えとか値段とか関係ねぇんだ。この店はホッとできる味があんだ。うめぇぞ」って職長さん
「まぁこういう店もいいかな~たまには」
あははっ!って相槌を打つようにわらう色男先輩←哲平くん
…だけど、向かいに座ってるテッシーは面白くないみたい…
すっごい形相で睨んでるんですけど
そこへ「お待たせしましたぁ~」ってお料理きました!
「お!きった~!」ってフットワーク軽く受け取りに行くと…
あかりちゃん!これ食べてみぃ。めっちゃ美味しいから」って
いきなりレモンをジューッて絞ってあげるんだけど、あかりちゃんに飛んだよね
「やだぁ~!おしゃれしてきたのにぃ~」ってあかりちゃん
ごめん!っておしぼり持って拭いてあげようとする色男先輩←哲平くん
「じゃあ帰れよ!」っていきなりテッシーが声をあげたよ!
ビックリして動きが止まる色男先輩←哲平くん&あかりちゃん
「前から思ってたんだけど、僕らをバカにするのも大概にしてくれよ」って
弁護士が上で僕らを下に思ってるかもしれないけど…って話し出すテッシーに
「あかりちゃん何もそんなつもりじゃないと思うけど」って助け舟を出した誠治
「誠治も一緒だよ」って返されてドキ!
今いる場所…誠治にとっちゃ一時的かもしれないけど、僕にとってはずっといる場所なんだ…って
「…バカにするな…」吐き出すように言うとビールをグイっと飲むテッシー
ややうつむきながら「自分が良かったら関係ないやん」って色男先輩←哲平くん
人にどう思われたって…って
「ホントにそう思ってんのかよ?あかりちゃん庇いたいだけだろう?」なテッシー
「関係ないって言ってるやろ!さっきからゴチャゴチャしょうもないこと言ってんなよ!」若干鋭い雰囲気で…色男先輩←哲平くんが対抗します
見詰め合って火花バチバチ!な雰囲気の中…テッシーがジョッキをテーブルにゴンッ!って置いたよ
「やめて!」ってあかりちゃん
「一番くだらないのは私だから…」
実は弁護士さんの彼女でも何でもなかった…
本当は単に遊ばれただけで…って吐露
バカすぎて…いい笑いモノだよね…
それをじーっと聞いてる色男先輩←哲平くん
「意味わからん…」って
上とか…下とか…違う世界とか…
あかりちゃんはあかりちゃんで何がアカンねん!
俺があかりちゃんのこと好きやのに
なんであかりちゃんは自分のこと好きとちゃうねんっ!
意味わからん…最後は搾り出すように…訴えかける色男先輩←哲平くん
「ガッカリや…」って泣き顔の色男先輩←哲平くん
上とか
下とか
違う世界とか
いつから人と比べるようになったのだろう
泣き続ける色男先輩←哲平くん
大先輩からおしぼりを差し出され…顔も上げられず右手で受け取る
いつから俺は
比べるようになってしまったんだろう
そこへ職長のケータイが鳴る
嶋さんちの奥さんが緊急手術になっちゃった…
泣きながら電話してきた嶋さん
-病院-
「俺のせいだ…」
ビデオの件があったからストレスかけちまったんだ!絶対…
ちゃんと生まれてくれば何もいらねぇから…って男泣き
看護師さんがやってきて「無事に生まれましたよ!男の子」ってさ
みんな一斉に立ち上がったよ!「嫁は!?」って嶋さんに「大丈夫です」って看護師さん
「シッカリな!お父ちゃん!」って職長さん
みんなホッとした笑顔
-病室-
「母ちゃん。よく頑張ったな」…生まれたての赤ちゃんを抱きながら感謝!感謝!の嶋さん
「かぁわいぃ~」ってあかりちゃん
「まささんソックリや。なっ?」笑顔でテッシーを見上げる色男先輩←哲平くん
「あぁ。」ってテッシー
無事に生まれてくれるだけでいい
最初はそれだけを望まれて生まれてくる
それだけを望まれて…
それだけを…親に望まれて生まれてくる…
-病院-
廊下を歩いてくる誠治
「…姉ちゃん?」
「シーッ!」なお姉ちゃん
病室を覗き込む姉弟
「ごめんなさぃ…」なママさん
「お前がいけないんだぞ。ワインなんか飲むから」な親父さん
「あのワイン…プロポーズしてくれたときの…」
「そうだったか?」
照れてるな…
「ありがとう…」
「とにかくもうワインなんか飲むな。俺のせいにされちゃたまったもんじゃない」って親父さん
「ごめんなさぃ…」なママさん
夫婦にも歴史がある
家族にも歴史がある
歴史があって今の家族がある
-お姉ちゃんち-
「おそくなりました」お姉ちゃん帰宅
「トモヤ~!しっかり勉強するのよ~」ってお姑さん
「はーい!」返事の元気なトモヤ
「分かってるのかしら?跡取りだってこと…」
「お母さん…私がフミヤさんと結婚したのは医者だからではありません。フミヤさんと結婚したいと思ったからです」ってお姉ちゃん
-夕暮れ-
オンナ先輩…「もしもしお母さん?」って電話
別に用はないんだけどさ…元気?って
-オフィス街-
誠治…一人でシュミレーション
「あのさ、親父…ちょっと飲みに行こ…いや。違うな…」
「あー、親父。なんか旨いモンでもおごってくんない?…ってのも違うなぁ…」
腕組みをして考えてるとこへ親父さんの姿が…
時計なんか見て時間も気にしてる様子
どんどんこっちへ歩いてくる親父さん
いつになく笑顔…手まで振ってくる…?
「なんだよ~」ってな雰囲気で半笑いのまま歩き出す誠治
…と
親父さんに駆け寄る若い女性
「早めに来たつもりだったんだけど…」
「大丈夫です。全然待ってないです」
仲良く連れ立って歩いて行く2人を呆然と見ているだけの誠治
それだけを…親に望まれて生まれてくる…