いつものように、おさらが、ふんふんふんと歩いていました。
すると、急に、もよおしてきてしまいました。
平たく言えば、おしっこをしたくなってしまった訳です。
そこに、いつものごとく神様が現れました。
「おさら君、久しぶりだね。会いたかっただろう?」
いや、会いたいとは思っていないけど・・・。
って言うか、かわやに行きたいんだけど。
何で今でてくるんだよ。
とおさらは思いました。
しかし、そこは、ちょっと大人になったおさら。
ジェントルマンな態度で聞きました。
「またまた、唐突ですね。今日は一体何か?」
「やっぱり、会いたかったんだね。嬉しいよ」
まったく、勘違いはなはだしい神様だな~。
そう、おさらが思っていると、
「ここに、金の便器と、紙の便器と、陶器の便器があります。どの便器がいいんだい?」
つーか、何でおしっこしたいって知ってるんだ?
「曲がりなりにも神様ですよ。わたしは。」
お~、何も話さないのに、分かってるじゃないか。
たまには、こいつも使えるな。
こいつもって、おさらさん、神様ですよ。あんまり失礼なことを言うと、ばちが当たりますよ。
ここで、おさらは悩みました。
前回も、前々回も、ここで、失敗したんだよな。
どうしよう。
金の便器は、何か裏があるんじゃないか?マジで金ですかね~。
紙は、だめじゃないか。おしっこしたら、切れちゃうだろう。
陶器は、一番、まともか?当たり前の便器だな。
悩みに悩んだ、おさらは、遂に決めました。そろそろ、おなかも厳しくなってきたことだし。
「じゃあ、陶器の便器をください。」
「では、陶器の便器をおさら君にあげよう。さらばじゃぁ~。ほっほっほっほ~」
よかった。もらさないですむ。
おさらが、便器でおしっこをしようとしたときです。
な、なんと、便器がっ!!
「なんだよ~。便器だけじゃないか!!これじゃあ、使えないだろ~」
そうです。
よ~く、神様の言ったことを思い出してください。
便器をあげたのです。便器だけです。
もう、おわかりでしょう?
ショールームなんかに飾ってあるじゃないですか。
それだけでは使えない便器が。
あ~おさら、かわいそうに。
もらしちゃいました。
おさら、もよおす≪完≫―おさらのお話は、まだまだ続きます。