映画「しあわせのパン」、に出てくる「カンパニオ」という言葉は、カフェの店主でパン作り担当の水縞くんが大切にしている言葉。
「カンパニオ」はカンパーニュの語源になった言葉で、もともとは「パンを分け合う人々」のこと。そして、その語源をたどると「仲間」を意味し、映画の中ではそれが「家族」の原点でもあるのだと思う、と語られます。
大切なものを分け合うこと。
その大切なものは、パンだったり、ごはんだったり。思い出だったり、一緒に見つめる風景だったりするかもしれないけれど。
大切なのは、その、「わけあう」そして「ともにいる」ということ。
あなたがいて、私がいる。私がいて、あなたがいる。
一人でいても楽しいけれど、二人だったらもっと楽しい。
そんな風におたがいを想いあいながら、でもきちんとそれぞれが自分の世界を持って、自分の足で立っている。
お互いに依存しあうだけではなくて、お互いに自分の足できちんと立ったうえで一緒にいるからこそ、「分け合う」ということができるのだと思うのです。
北海道の大自然の中で夫といて、そんなことを思いました。
映画の中で水縞くんが、りえさんを本当に大事にしているのが伝わってきて。
それがとても心地よく、うらやましく思ったりもしましたが、夫も水縞くんと表現の仕方は違っても、
本当に大切に想ってくれていることが伝わってきて。
理恵さんにとっての水縞くんが、わたしにももう近くにいてくれているんだなぁ、と幸せに思ったりして。
これからも、手をつなぎながら一緒に歩いていけたらいいな、とあらためてしみじみ思いました。
20代までは夏が大好きで、南にばかり向かっていた私。
「冬生まれだから、生まれた時に寒いのはもういいやって、思ったんだと思う」なんてうそぶいていましたが。
北に向かう夫と一緒にいるうちに、北の大地も、冬という季節もいつの間にか大好きになっていて。
冬の寒い日のきりっと澄んだ青空。寒さの中で芽ぶきの準備をする木々たち。しゃりしゃりと踏みしめる音だけが響く雪の平原。雪面に残る動物たちの足跡。
寒さの中にいのちや自然の優しさがふわりと包まれていて。冬があるからこそ、春の喜びがあることを教えてくれる。
冬の寒さと厳しさと同時に冬の温かさと楽しさを教えてくれた夫に本当に感謝しています。
寒さが人と人を近づけるんだよ、という言葉を教えてくれたのは、大好きな写真家星野道夫さんでしたが、そのことを体験として教えてくれたのは夫。
好きな季節も、好きな人と一緒に過ごす中で、ともに分け合うことができるものなのですね。
カンパニオ、仲間。家族。
パンを分け合う人々。
自分が本当にやりたいことって、きっとそういうことなんだろうなってしみじみ思います。
大切な人たちが、笑顔の時も、涙の時もふと、会いたくなって、足が向く場所。
そこでは笑うことも、泣くことも、落ち込むことも自由にできて。
で、元気になったら、また笑顔で自分の居場所に戻っていく。そんな「元気を回復するところ」を作っていくこと。
それがカフェなのか、食堂なのか、はたまた診療所みたいな場所なのかヨガのスタジオなのか、まだよくわからないけど。
大好きな家族と自然に寄り添って暮らしながら、いつも温かに人を迎え入れることができる場所を作っていきたい。
それが今住む町(いまの町も落ち着いた寺町で大好き♡)なのか、はたまた別の町になるのかはまだ、不明。
大好きな場所、北海道の東川町でも何か素敵なご縁をつなげていけたらいいな。
水縞夫妻のように「いつでも来てください。私たちはいつもここにいますから」と送り出し、迎え入れるオープンな場所をもつこと。自然の中で。
で、多分その空間の1番いい場所にはみんなで囲める食卓がある。
食卓は、すべての関係の真ん中にあるものだと思うから。
丁寧につくられた美味しいごはんと、それを分け合う食卓があって、共に囲める人たちがいる。
そんな暮らしにたどりついていきたいな。
・・・どちらかというとごはん党の私の食卓はきっと、「パンを分け合う」よりも
きっと「ごはんを分け合う」場になると思うけど(笑)。
でも、そういう仕事、生き方ををしていきたいと思っていて。今年はその種をもっと具体的にまき始めたいと思って、屋号を考えてみたりしています。
いま考えている屋号は「ユクリアルモニア」。
縁の古語である「ゆくり」とイタリア語で「調和」を表す「アルモニア」。
様々なご縁を結びながら調和へと導かれていく場所。そんな願いを込めて。
どうかな?もしこの文章を読んだ方は、この屋号についてご意見頂けたら嬉しいでーす^^
雨降りで、ちょっとどんより曇り空の今日。青空と太陽に会えないのは残念だけど
でも雨は気持ちを落ち着けてくれたり、植物を養ってくれる大切なもの。
雨の日は雨の日で楽しみながら、素敵な1日を過ごせますように。春の慈雨のやさしいエネルギーを感じて、皆さま、今日も素敵な1日を♪
カンパニオを検索していたら、こちらにたどり着きました。
すてきな感性で綴られた文章に感動しました。
カンパニオの意味や、映画の内容がさらに深まって、私の中にストンと落ちました。
ありがとうございました。
それについて感想を書くと、意外な人から感想を貰えたり。少し気持ちが膨れてきて、カンパーニュ、をWEB検索して、このブログを読みました。
自分の思う事と重なってくると共に、言葉やイメージに惹きつけられる人、そのタイミング、環境って共通点が多いのだなと思いました。
私も再来月から恋人のもと、北海道へと広島から向かいます。
北の大地で何をしたいか、何が出来るか…。
物作り、人との関係づくり、
その中で大切にして行きたい言葉、カンパーニュ。
今までも、これからも…。そんな事を思いました。