ボルネオ通信

特定非営利活動法人 ボルネオ保全トラスト・ジャパンのカジュアルなブログ。熱帯雨林やパーム油や生物多様性保全のはなし

カンブリア宮殿で取り上げていただきました

2014-07-04 | とりとめのない話題
昨日、7月3日のテレビ東京『カンブリア宮殿』はサラヤ株式会社の特集でした。番組を御覧頂いた方はおわかりと思いますが、サラヤ様はボルネオ保全トラスト・ジャパンを設立当初から支援いただいています。


番組ではまだまだ日本では馴染みの浅いパーム油をガッツリと取り上げていただき、日本の皆様にも少しは熱帯雨林を蝕むパーム油のプランテーションについて知っていただけたのでは、と思います。


とはいえ、パーム油はいつも悪者かと言えばそうでもないんです。そもそもパーム油は、今の世界で最も必要とされている植物油なんですよね。


他の植物油(大豆とか菜種とか)より単位面積あたりで8~10倍も採れるパーム油はたくさん採れて安い。世界で最も生産量の多い植物油がパーム油です。


人口が増える一方の地球において世界の人々の生活を大事な油です。日本人の私たちは「使う油を選択する」ことができますが、世界にはパーム油しかほぼ選択肢がない人々がたくさんいます。パーム油の供給が急激に減少すれば、彼らの生活は困窮するかもしれません。


仮に世界からパーム油をなくしたとしましょう。しかし植物油の需要自体がなくなるわけではありませんから、他の油に置き換える必要があります。生産量2位の大豆油で代用するとなると、果たしてどれだけの土地が必要になるんでしょうか。パーム油は同じ面積で大豆油の8~10倍作れるわけですから、同じ量を供給するとなると、既存のアブラヤシプランテーションの10倍の広さが必要になることに...。どれだけの広さでしょうか。想像も及びません。


ちなみに、ブラジルの熱帯雨林、こちらも生物多様性の宝庫であるアマゾンのジャングルををガツガツと削って畑にしていますが、それは主に大豆油を採るための畑です。世界はどこも同じような問題を抱えています。


なので、「熱帯雨林を守れ、パーム油の生産を止めろ!」という声は、理想論としては正しいかもしれませんが、代替案が無いという意味では単なる現状批判。何の解決策にもならないんです。


現状をシビアに見つめながら、その中で私たち人間が環境のため、野生動物のためにできる最善の策は何か...。そこを考えながら、私たちは日々活動しています。


カンブリア宮殿を見逃した!という方はこちらでご覧いただけるようです。


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