満月通信

「満月(バドル)」とは「美しくて目立つこと」心(カリブ)も美しくなるような交流の場になるといいですね。

預言者さま(彼に平安と祝福がありますように)に平安を送ること

2010-11-13 | ハルカ
بسم الله الرحمان الرحيم

السلام عليكم


【預言者さま(彼に平安と祝福がありますように)に平安を送ること】


前回まで、死後に起こることを順番に見てきました。①死の天使が体から魂を抜き取る。→ ②(墓の中の)バルザフの世界 → ③最初のラッパによって生きている物がすべて死ぬ → ④次のラッパによって全員復活する。 → ⑤ 預言者さま(صلى الله عليه و سلم)のハウド → ⑥全ての人類が、結集され自分の清算の番を待つ。 → ⑦執り成し(預言者さま(صلى الله عليه و سلم)とクルアーンなど)

 前回の勉強会で、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)が私たちのためにアッラーに執り成ししてくださって、天国に最終的には全ムスリムが入ることができるという話をしましたが、最後の審判の日に預言者さま(صلى الله عليه و سلم)にとって最優先される人というのは、彼に一番多く祝福を送った者だというハディースがあります(ティルミズィーとイブンハッバーン出典)。天使によって録画されているこの世で行った自分の行いが全て上映される最後の審判の日に、アッラーに最も愛されている預言者さま(صلى الله عليه و سلم)が一緒にいてくださって、彼の執り成し(シャファーア)を優先的に受ける事ができたらどんなに心強いかわかりません。

 一般的に、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)のお名前を聞いたら「(صلى الله عليه و سلم)サッラッラーフ アライヒ ワ サッラム」(彼にアッラーの祝福がありますように。)と言って、彼に祝福を送るのは良く知られているかもしれませんが、お名前を聞かなくても、私達は預言者さま(صلى الله عليه و سلم)に祝福を送ることが大切です。それはクルアーンでアッラーが私たちに命令されています。

【本当にアッラーと彼の天使達は、聖預言者を祝福する(サラートを送る)。信仰するもの達よ、あなた方は彼を祝福し、最大の(敬意)を払ってあいさつしなさい。】 33章 部族連合章 56節 日訳P519

また、別のハディースによると、私たちが預言者さま(صلى الله عليه و سلم)にサラートを送るとき、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)のところに、私たちの名前と私たちの父親の名前が届けられ、≪○の娘の○が、あなたにサラートを送っています。≫とそれを伝える専用の天使が、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)のところに行って、私たちのサラートを伝えてくれます。預言者さま(صلى الله عليه و سلم)が、私たちの名前を聞いてくださって覚えてくださるかもしれません。
 今回は、そのサラートを預言者さま(صلى الله عليه و سلم)に送ることに関しての、イエメンのシェイフ、アリージェフリー先生の講義のお話しようと思いますإن شاء الله・
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アリー先生の講義「アッラーを求める者よ」からの抜粋

預言者さま(صلى الله عليه و سلم)は、私たちが彼に「サラート」を送ることを必要となさっているでしょうか?
もちろん、そんなことは必要とされていません。

【本当にアッラーと彼の天使達は、聖預言者を祝福する(サラートを送る)。信仰するもの達よ、あなた方は彼を祝福し、最大の(敬意)を払ってあいさつしなさい。】 33章 部族連合章 56節 日訳P519

アッラーは、ご自分が預言者さま(صلى الله عليه و سلم)を祝福し、天使たちがみな預言者さま(صلى الله عليه و سلم)を祝福していると伝えた後で、私たちに預言者さま(صلى الله عليه و سلم)を祝福するようお命じになられています。これにはアッラーの英知があり、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)が、私たちが「サラート」(祝福)を送ることを必要としていると間違った想像を私たちがして、誤解しないためということがあります。アッラーは、ご自分がすでに預言者さま(صلى الله عليه و سلم)にサラートを送っていることを伝え、アッラーに祝福を送られている預言者さま(صلى الله عليه و سلم)は、あなた方がサラートを送ることを必要としていませんよと伝えた上で、それでもあなた方は、もっと上に上りたいですか?もしそうなら、この祝福に入りなさいと言われています。ご自分もされ、天使たちもしている祝福された行為をあなたもしなさいと言われています。アッラーは、この行為をご自分に帰し、天使たちにも帰しています。

この預言者さま(صلى الله عليه و سلم)にサラートを送るようにという命令のアーヤが啓示されたとき、あるサハーバが預言者さま(صلى الله عليه و سلم)のところに行って尋ねました。「預言者さま、私達は、あなたに挨拶をするのは、「アッサラーム アライクム ワ ラフマトゥッラーヒ ワ バラカートゥフ(あなたにアッラーから平安とご慈悲と祝福がありますように)」と言うことは知っていますが、どうやって、あなたに「サラート」を送ればいいのでしょうか?」すると、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)は、

≪「اللهم صل على سيدنا محمد و على آل سيدنا محمدアッラーフンマ サッリ アラー ムハンマディン ワ アラー アーリ ムハンマド」と言いなさい。≫(日本語訳:アッラーよ、どうかムハンマドとそのご家族を、祝福してください。)

と言われました。

また、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)に「サラート」を送ることには、すべての悩み事・心配ごとからの解決があります。ハディースで伝えられている通りです。あるサハーバが言いました。

「預言者さま、あなたにどのくらいサラートを送りましょうか?」
≪あなたがお好きなだけなさい。≫
「では、私の4分の1の時間を使いましょう。」(注:クルアーンを読んだりズィクルをしたりするアズカールの時間の内の4分の1)
≪好きなだけ。もし増やせば、それもいいでしょう。≫
「では、3分の1の時間を使いましょう。」
≪好きなだけ。もし増やせば、それもいいでしょう。≫
「では、私の時間の半分を。」
≪好きなだけ。もし増やせば、それもいいでしょう。≫
「では、私の3分の2の時間を使いましょう。」
≪好きなだけ。もし増やせば、それもいいでしょう。≫
「では、私の時間の全部を使いましょう、預言者さまよ。」
すると預言者さま(صلى الله عليه و سلم)は言われました。

≪では、あなたの心配ごとは、補償されて、なくなります、そして、あなたの借金は返済されます。また、あなたの罪は許されます。≫

私たちが、それを必要としているのです。誰も、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)がサラートを必要としていると間違った想像をすることはできません。これが、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)に「サラート」を送ることの徳です。
でも更に、これ以上にすばらしいことが、あります。人生の心配事を補償され、悩みがきれいさっぱりなくなり、借金も全部なくなり、しかも罪まで許される、でも、これ以上のものをアッラーは用意なさっています。
ハディースサヒーフによると、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)は仰いました。

≪誰でも、私にサラートを送った者は、アッラーが、それによって、彼に10のサラートをお送りくださいます。≫

アッラーから私たちへのサラート(祝福)というのは何でしょうか。アッラーの「サラート(祝福)」というのは、アッラーのご慈悲です。クルアーンに詳しく述べているアーヤ(節)があります。
【かれこそは、あなた方を暗黒から光明に連れ出すために、天使たち共々、あなた方を祝福なされる方である。】 33章 部族連合章 43節 日訳P516

私たちが預言者さま(صلى الله عليه و سلم)を祝福する徳は何かというと、アッラーが私たちを祝福してくださることです。では、私たちがアッラーから祝福されることで、何を得られるのでのしょうか。【あなた方を暗黒から光明に連れ出すために】 
アッラーが、私たちを暗闇から光へと救い出してくださるということです。もし、私たちが預言者さま(صلى الله عليه و سلم)にサラートを一回送ったら、アッラーが私たちを10、暗闇から光へと救い出してくださり、もし私たちが10回送ったら、私達は100、暗闇から光へと救い出され、もし100回送ったら、私たちは1000、暗闇から光へとアッラーによって救い出されます。

では、これよりももっと奥深い意味があるでしょうか。暗闇から光へ救い出されるのは、すごいことですが、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)に祝福を送ることに関して、もっと奥深い意味があります。

では預言者さま(صلى الله عليه و سلم)は私たちにサラートを送られる権利があるでしょうか。もしこういった徳がなくても。それともないでしょうか。
預言者さま(صلى الله عليه و سلم)は、私たちに、よくしてくださいましたか?
預言者さま(صلى الله عليه و سلم)には、私たちに対する権利がありますか?
彼はあなたに善いことをしてくださいましたか?

アッラーに誓って、すべての人類の中で預言者さま(صلى الله عليه و سلم)ほど私によくしてくださった御方はいらっしゃいません。私たちを暗闇から光へと救い出してくださいました。不信・多神の状態から、信仰へと救い出してくださいました。忘恩の状態からアッラーの存在の実感へと導いてくださいました。背かれていた状態から受け入れられる状態に、地獄から天国に導いてくださいました。この世の人類の中の誰ひとりとして、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)よりも、私に権利のあるお方はいらっしゃいません。もし預言者さま(صلى الله عليه و سلم)にサラートを送ることが、先ほど言ったものすごくたくさんの徳、利益がなかったとしても、私たちが預言者さま(صلى الله عليه و سلم)への愛を誠実に実現したら、私たちのすべての時間は、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)にサラートを送ることに使われてもいい程です。では、それによって私たちが手に入れることのできる多くの徳がある場合は、どのくらいそれをすべきでしょうか。
どうか毎日、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)にサラート(祝福)を送ってください。

アリー先生の講義「アッラーを求める者よ」からの抜粋より
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 シリアにいたときに訪れたシェイフで、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)に何万回とサラートを送る会をしていらっしゃる、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)のことが大好きなことで有名な先生に、あるムスリマからの質問をしたことがあります。「非イスラーム国で暮らしているムスリムたちには、指導してくれるようなシェイフもいなくて、イスラームの知識を教えてくれるような先生もいない中で、どうやって信仰を育てていけばいいのでしょうか?」こう尋ねると、先生は即答で、「預言者さま(صلى الله عليه و سلم)にサラートを送りなさい。そうすれば、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)が、その方たちに必ずイスラームを教えてくださいます。」ときっぱりと、即答でお答えになりました。私は相談を受けた非イスラーム国にいたその人に、その言葉をそのまま伝えて、先生が仰った「一日に1000回彼に祝福を送ってみなさい。」というのをそのまま伝えました。彼女がそれをし始めると、本当にびっくりすることに、すぐに、誰も教える人がいなかった彼女の町に遠くの村から突然、イスラームを教える先生が引っ越してきたのです!すぐに電話がかかってきて、先生が来たからいらっしゃいと言われ、彼女はその先生のところに毎週通うようになり、その先生は本当に尊敬できるとてもすばらしい方で、先生からムスリマとしてのあり方や信仰など、いろいろなことを教わることができました、アルハムドゥリッラー。まさに、ハディースで言われた、≪誰でも、私にサラートを送った者は、アッラーがそれによって、彼に10のサラートをお送りくださいます。≫ というアッラーのサラート、【暗黒からこうみょう光明に連れ出す】 をアッラーが実現してくださったような状態でした。私たちのような非イスラーム国に住んでいるムスリムにとっては、直接預言者さま(صلى الله عليه و سلم)とつながりを持つことが、とても大切です。

今月は、聖なる月ズルヒッジャ月(巡礼月)で、私たちは今、この期間に崇拝行為をすることが聖戦に参加するよりもよいと預言者さま(صلى الله عليه و سلم)が仰った、月の最初の10日間の最中にいます。今日は、ズルヒッジャ月7日目です。

ハディース:預言者さま(صلى الله عليه و سلم)が、≪巡礼月の最初の10日間に行われる崇拝行為は、他のいかなるものにも勝ります。≫と仰ったとき、人々が、「アッラーのための聖戦よりも、ですか?」と尋ねると、≪そうです、聖戦よりも。ただし、生命と財産を投げ出して出陣し、何も得ずに帰還する者は別です。≫と仰いました。  ― アル・ブハーリーの伝承 ―

この期間にズィクル、「لا إله إلا اللهラー イラーハ イッラッラー」と「الله أكبرアッラーフ アクバル」をたくさん言うとよいというハディースがあります。また、他のハディースでは、この9日間は、ドゥアーが拒まれないというものや、この9日間の中にする一日の断食が、一年の断食に相当するというハディースや、善行に700倍の報奨がつくというハディースもあります。
特に、アラファの日(巡礼月9日目)の断食について、預言者ムハンマド様(صلى الله عليه و سلم)は仰いました。
≪前の一年と、残りの一年(前後2年間)の罪を許されます。≫ ムスリム伝承

アラファの日には、アッラーのご慈悲が、アラファの丘にいる巡礼者たちに降り注がれ、そこから、世界中に広がる日です。その日に、たくさん言うといいズィクル:

≪لا إله إلا الله وحده لا شريك لهラー イラーハ イッラッラーフ ワハドフ ラー シャリーカ ラフ
(訳:アッラー以外に神はなし。唯一で、他に並べるものない御方、
له الملك وله الحمد وهو على كل شيء قديرラフルムルク ワ ラフルハムド ワ フワ アラー クッリ シャイイン カディール≫
彼に大権は属し、彼に全ての賞賛はあり、彼にはすべてのことが可能であられる。)

 この祝福に満ちた10日間に、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)に祝福を送ることも、一日に10回でも始めてみるといいでしょう。言い方は、いろいろありますが、最初にご紹介したハディースで、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)が言われている形式、「アッラーフンマ サッリ アラー ムハンマディン ワ アラー アーリ ムハンマド」(アッラーよ、どうかムハンマドとそのご家族を、祝福してください)という形が一番簡単です。また、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)を「ムハンマド」と呼び捨てにするのは、失礼な感じがして、お名前の前に「سيدناサイイディナー(敬称)」をつけることもあります。また、他のハディースで、彼に祝福を送りながら、彼の家族に送らないのはよくないというものもあるので、「اللهم صل على سيدنا محمد و على آله وصحبه وسلمアッラーフンマ サッリ アラー サイイディナー ムハンディン ワ アラー アーリヒ ワ サハビヒ ワ サッリム」(アッラーよ、我らのムハンマド様と彼のご家族と教友たちに祝福と平安がありますように。)という形式もあります。

16日の夜(マグリブから翌日のファジュル前まで)、イードの日の前夜は、起きて崇拝行為をする人の天国入りが義務となる夜です。夜間中礼拝をずっとするのは、疲れて難しいかもしれないですが、ズィクルやクルアーンの読誦をしたり、今回お話した、預言者さま(صلى الله عليه و سلم)にサラートを送るというズィクルも、できるだけたくさんできるといいですね。إن شاء الله

アッラーのご加護と祝福がありますように
والسلام



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