『あるふたりの情事、28の部屋』
2012年 アメリカ映画
出演 クリス・メッシーナ マリン・アイルランド
お互いにパートナーのいる二人がバーで出会って惹かれあい、仕事の出張先のホテルで逢瀬を重ねる。タイトルの「28の部屋」というのは二人が過ごしたホテルの部屋の数だ。
いわゆる不倫もの。だから堂々とデートできないので、ほぼ彼ら二人しか出演しない逢瀬のシーンはほぼホテルの部屋の中だけ。
お互いに求めあっているのだから、ジャケ写真のようにドロドロしたベッドシーンばかりだろうという私の予想は外れた。
なんだか明るい。不倫なのに悲壮感がない。セックスもとても楽しそう。お互いのプライベートの話を普通にする。どちらかというと男の方がよく喋り、女性の方があまり自分について語りたがらない。それでもちゃんと会話が成立していて楽しそうだ。
エンディング近くで彼女が妊娠していることがわかる。夫との子どもなのかそれとも彼とのなのか、流れから察するにどうも彼との子どもらしいが、ぜんぜん動揺していない彼女ははっきり言わない。産んで育てるつもりだと言う。
エンディングは、解釈次第で、彼と一緒になるのかどうなのか、どちらにも受け取れる不思議な、余韻の残る終わり方をする。
男優は好みじゃないので興味が湧かなかったが、女優さんは特別に美人でもセクシーでもないのにとても気になった。笑顔がいい。マリン・アイルランドの名前で検索したらいくつかの作品がヒット。私が知らなかっただけかもしれない。
セックスシーンに期待して鑑賞するのはお勧めできないけれど、何も考えずに気楽に見ると、いろいろ小さな発見がある。
誰かを好きになるって、純粋な気持ちなんだ。そう思った。