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~楽しい方に正直に~車椅子バスケのコーチ修行日記

東北で車椅子バスケを盛り上げるには?

2005年06月13日 | 車椅子バスケのこと
初めて間もないブログですが、デザインを変えてみました。
この方が絶対見やすい!気に入りました。
四葉のクローバーもいい感じです。

そういえば、最近よつ葉のクローバーを探す時間も見失ってるなぁ・・・。

さて、今日のお題は、
「東北地方における車椅子バスケについて」
です。

昨日、障害者国体の東北・北海道地区予選が山形でありました。
私はマックスの一員として、というよりは昨日はクラス分け委員の仕事をしながら大会を見ていました。
クラス分けというのは、選手の持ち点を評価して決定する、車椅子バスケではとても重要な仕事です。

あるチームの選手で、まだ初めて1年ちょっと、という選手に出会いました。
今大会がはじめての試合ということで、持ち点を決めなければならなかったのですが、
その選手はどう見ても機能はよさそうなのに、車椅子が体にあっていないのか、とっても窮屈な動きをするんですね。
で、他の委員はその人の持ち点を3点と評価したんです(持ち点の決め方については、JWBFのホームページを見てください)。
でも、まだまだ未熟なプレーの中にさえ、ところどころにいい動きが出ていたので、
試合が終わってその選手と話をしました。

聞いてみると、「車椅子はある施設団体の所有のものを借りてきたもので、これから自分用の車椅子を作るかどうかもわかない。自分は膝の障害なので、歩くこともできる(つまり麻痺は全然ない)。」ということでした。私は、できればもっと体にあった車椅子を使えば、自分のもっている力をもっともっと発揮できるし、そしたらもっともっとバスケが楽しくなるし、ひいてはそれがチームのためになるんじゃないかな、といったことを伝えました。

いったんその場は本人も納得して終わったのですが、私が人気のない廊下を歩いているところに追いかけてきたんですね。どうしたのかと思ったら、「実は、あんまり派手にプレーすると持ち点を高くつけられてしまうから、(あまり動けないふりをして)演技しろと先輩からは言われている。」と言う訳なんです。

私は、いまだにこのような現実があるということに、ちょっとショックを受けました。
ひと昔前までは、医師が診察するように筋力やバランスを評価してこの人は何点、ときめていたので、演技しようと思えばすることもできたわけです。
ですが、現在のクラス分けの方法は、試合や試合前のアップなど実際にバスケ車に乗っている状態をみて判断します。

そんな場面で演技をしろと?

いつも誰かの目を気にしながら、本当は届くはずのボールに手を伸ばさなかったり、投げられるはずのパスを出さなかったとしたら?

そんなの、楽しいはずがないでしょう。

私は、絶対に演技してもわかることだし(現に今回はわかっちゃったわけだし)、そんなことをしても自分のためにもチームのためにもならないんだということを一生懸命説明しました。
そして、もっといろんなバスケを知るために、仙台に練習に来てもいいし、いつでも連絡をくださいと伝えました。

このような状況を打開するには、何から始めたらいいのでしょうか?
どうしたら、もっとみんな(特に車椅子バスケを始めて間もない人たち)に、純粋にバスケを楽しむことを知ってもらえるのかな?

私は車椅子バスケットボールキャンプ実行委員会の一員ですが、
このようなキャンプを開催することもひとつの方法でしょう。
でも、そのキャンプに参加して自分のチームに帰っても、また「演技しろ」と言われるとしたら・・・。
うーむ。

現在、東北地方では宮城マックスが突出しており、他のチームとの格差が正直言って歴然としています。
でも、そろそろマックスだけのことを考えていてはだめなんじゃないかな、と思い始めました。
やる気のある選手をマックスに集めても意味がない。
それぞれのすんでいる地域で、やりたいことができる環境を作っていくために、いったい自分には何かできることがあるんだろうか・・・、なんてことを考えます。