サロン・ド・ハモ-ブログ館

ゴールデンハムスター大好き主婦のハムスター成長日記です。ふくちゃんの毎日をかわいい写真とともにお届けします。

彼岸先生(島田雅彦著)

2013年10月20日 10時15分44秒 | 本と雑誌

島田雅彦を読むのは「自由死刑」以来2作目だ。時代を10年先駆けして変化球で言いたいことを伝える作家なんだと思った。この小説は、一貫したテーマはあったのかもしれないが、多方面に話が飛ぶことがあったので筆者が一番何を言いたいかよくつかめなかった。それに読んだ後、ポイントをつかもうとすること自体がナンセンスであるように思えた。都市部の現代人に対する的確な指摘はたくさんあるけど、それぞれがバラバラでひとつにつながらない。そうしたなか私が気に入ったのは、自分は何者であるか、何をして生きているのかを明確にし、人生に意味をつけたがることに対する風刺だ。登場人物がカッコ悪くて、どんどん期待を裏切ってくれるところもおもしろかった。村上春樹の「ノルウェイの森」を批判している記述があったが、主人公の彼岸先生はそれに対抗するかのように狂うことに失敗し、自殺に失敗し、図太く生き続ける。精神を病んだり自殺する人たちをドラマチックに描かないところがいい。精神的に苦しいとき、つい悲劇のヒロインのような心境になることがあるが、この小説はそんな甘えた気持ちを軽くつきはなしながらも実はよりそってくれる、そんな一冊だ。

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冬の楽しみ

2013年10月18日 21時03分52秒 | ペット

急に寒くなったので、ホットカーペットを出しました。
実は我々には、冬の楽しみがあります。
ハムスターを衣装ケースごとホットカーペットの上に載せると、暖かくて気持ちがいいのか、あおむけ(横向け)になって寝るのです。ホットカーペットにかぎらず、下にホッカイロをしいてもあおむけになります。白いお腹とピンクの手足口鼻尻尾のコントラストがとてもかわいらしいのです。

フクちゃんと過ごす冬は今年で2回目ですが、実は去年はフクちゃんはあおむけになりませんでした。性格はおっとりしているのですが、寝ているときの緊張感が高いのです。ハモの場合は、起きているときはピリピリ神経質でしたが、寝ているときは緊張感がほとんどなくいつもあおむけで寝ていました。話をフクちゃんに戻しますが、そういうわけで昨年あおむけにならなかったので、今年もならないかなと思っていました。ところが、カーペットをあたためてから数時間後に家のフタを開けてみてみると、多少横向きとはいえ、あおむけに近づいていました。フクちゃんも年を取って、やっとうちでリラックスできるようになってくれたのでしょうか。そうだとしたら、とてもうれしいことです。

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ハモそっくり

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お腹(急所?)丸出しで寝ています
これまでフクちゃんはこういう隙を見せませんでした


今日の(いつもの)フクちゃん

2013年10月17日 20時01分22秒 | ペット

いつもフクちゃんは掃除のとき、家から出てくれませんが、

関心を持っているフリはしてくれます。

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「どうしたの?」と言ってるように見えるけど、実際は自分の利害関係のみ窺がっている

このまま何分でも停止している

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後ろ姿もかわいい

フクちゃんは掃除の後、とりあえず新しいトイレにおしっことをします(どんなに少量でも)。

水が新鮮になったこともちゃんと察知して、「まだのど渇いてないんだけどどうしようかしら・・・」と迷いながらも水を飲みます。

そのようにすぐに活用してもらえると掃除のしがいがあります。


フクちゃんの好きなもの―その③ペレット

2013年10月11日 21時40分28秒 | ペット

私が初めてハムスターを飼ったのは小学生の頃で、当時のハムスターの主食はひまわりの種でした。20年ほど時は流れて私はまたハムスターを飼うことにしました。そうしたら、主食はペレットという地味~な塊に変わっていました。ひまわりの種は肥満のもとになるので、1日数粒とか、制限してあげたほうがいいそうです。聞いたところによるとペレットは実験用のネズミに与えていたエサということ。実験用のネズミは長生きしたほうがコスト上都合がいいので、栄養バランスに優れたペレットを食べていたそうです。ペレットはあまりおいしくないらしく、ハムスターのコミュニティーサイトをチェックしていると、嫌いな食べ物ナンバー1に挙げられています。
ハムやハモも、ペレットはあまり好きじゃなさそうでした。他の食べ物がなくなってから仕方なく食べていました。とはいえ、他の食べ物はキャベツやニンジン、果物など推奨されている食べ物なので、ペレットを食べなくても問題ないと思っていました。ところがフクちゃんを買うときにペットショップから受けた指導によると、ペレットのみのシンプルな食生活が一番いいということでした。そこで今回は心を鬼にして、しばらくペレットのみの食生活にしてみました。それでフクちゃんが長生きするならと思ったのです。もちろん人生には彩りも必要なので、たまに野菜や果物をあげることもあります。でもハムやハモの時のように、毎日ではなくなりました。

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ニッパイのハムスターフード。約1年分。1000円以下で購入可能

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1日2粒でOK

そうしたらフクちゃんはペレットを結構好んで食べてるようなのです。もちろん他に食べるものがないからという見方もあるでしょう。でもハムやハモは、限界までペレット無視という態度だったのに、フクちゃんは野菜もあげた日でも、一定量をちゃんと平らげているのです。私たちはこれには感動しました。また病院へ行くときなど、フクちゃんは緊急事態に陥るとペレットを頬袋に詰め込みます。ハムやハモが馬鹿にして見向きもしなかったあのペレットは、フクちゃんにとっては確保すべき宝物なのでしょうか。なんていじらしいのでしょう。ここまでペレットを好きになってくれたのは、最初の頃、ペレットだけにしていたからでしょうか。本当に最初がかんじんです。

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コンサート行ってきました

2013年10月09日 16時19分28秒 | インポート

ピアノの先生のつてで、加藤タキのチャリティー・サロンコンサートに行ってきました。
ピアノもフルートもとっても素晴らしい演奏でした。

ピアノを習う身としては、碓井俊樹さんのピアノ演奏が勉強になりました。
まとめると…
・一生懸命弾いているように見えないので、安心して見ていられる
・強調するところと抑え気味に弾くところ、すべてが適切に表現されている
・姿勢は基本的にいいけど、適度にリラックスしていて(丸くなっていて)そり返る程ではない
・あんなに速く弾いているのにペダルを頻繁に踏みかえている

彼は36歳で私より2歳も年下でした…。フルートの北川森央さんも同じ1977年生まれでした。
お若いのにすごいなあ。

上野由恵さんの細川俊夫『線Ⅰ』は圧巻でした。
私は日本人なので、ああいう旋律には心を揺さぶられます。
息遣いも音楽表現の一部にするあたりはさすがだと思いました。
フルートを尺八のように使うなんて本当に斬新だと思います。

帰りは四谷アトレのSoupStokTokyoでシーフードカレーとボルシチを食べました。
とっても充実した夜でした。

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初めての紀尾井ホール。小さめながら立派なホールでした


ライ麦畑でつかまえて(J.D.サリンジャー著・野崎孝訳)&キャッチャー・イン・ザ・ライ(J.D.サリ

2013年10月01日 11時07分46秒 | 本と雑誌

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名作は時代を超えて語り継がれるといわれているが、実際に読むと、読みづらかったりつまらなかったりして、東野圭吾や桐野夏生なんかに走ってしまいがちな私。特に海外名作のなかには、いったいどこがいいのかわからないものも少なくない。ラクな読書に慣れてしまっているから、文化の違いを乗り越えて理解する力がないのだ。そんな私でも最後まで楽しく読めたのがこの小説。ただ楽しいだけなら読んだ後に何も残らないけど、この小説は、本当にいい作品に触れた際に感じる爽快な満足感が残った。

あらすじは、世の中のあらゆる事が気に入らない16歳の少年ホールデンの3日間の旅物語。色々な人とかかわっていくなかでホールデンの感じるひとつひとつのことが、語り口調で綴られている。読みながら、10代の頃こういうこと感じたなあと当時の感覚を思い出した。そういえば、高校生のときホールデンのように不満ばかり言っていた男子がクラスにいた。今から思うと、物事を辛口コメントすることで、洞察力があることを示したかったんだろう。そういうささやかな自己顕示力は大人にもおおいにある。この小説は青春小説として位置づけられているようだけど、人生全般に当てはまることもたくさんあるので、今読んでよかったと思った。10代で読んでいたとしたら、今とはぜんぜん違う解釈をしていただろう。10代、20代、30代…と読む年齢によって違う読み方のできる小説は本当にすばらしい作品なんだと思う。50年以上前に書かれたらしいけど、今読んでもすごく新しい。自分がもし小説家だったら、こういう作品を世に残したい。

今回、初めて翻訳の読み比べをしてみた。最初に村上春樹訳を読んだ。村上春樹訳は期待通り、キャッチ―な言葉選びで読みやすかった。それはそれでよかったが、次に読んだ野崎孝訳のほうが、クセがなくシンプルに楽しめた感じがする。なぜか野崎孝訳のほうが、ひとつひとつの場面に重要性を感じることができた。村上春樹の訳はオシャレで流暢だけど、少々軽い感じになっている気がした。でもテンポよく読みたいなら村上春樹訳だと思う。だから今回のように、小説家の訳で労せず興味を持ち、その後、翻訳家の訳でじっくり味わうという読み方も私にはいいかもしれない。