ものぐさ日記

ひとり遊びが好きな中年童女の日常

ダ・ヴィンチ・コード

2006年04月09日 | 
 名古屋行きの新幹線に乗る前に「ダ・ヴィンチ・コード」を買いました。映画化されるベストセラーを買うなんて、めったにないことですが、今年は「博士の愛した数式」に続いて2作目。実は「ダ・ヴィンチ・コード」は、インド人の友人の従兄弟の彼女のお薦め。(つき合いいいなぁ~、我ながら。)

 上・中・下と、3冊もあれば、行き帰り楽しめるでしょう…と思っていましたが、1日目で3冊読んでしまったので、2日目には早くも2回目を読むことになりました。

 つまり、おもしろくない本、というわけではありません。カトリックの修道院や、秘密結社というと、日本人の私にとっては、それだけでワクワクする未知の世界。「薔薇の名前」は、原作を読まずに映画だけ見たのですが、羊皮紙に写本している書記の修行者の影像なんて、見ているだけで楽しかったです。

 記号も好きです。「記号とは、ひとつの形の中に、ひとこと以上の意味が込められているもの」と、勝手に自分で定義していますが、一目で意味がわかるのと同時に、誤解される危険性があるのも記号の特徴です。

 記号のひとつである表音文字は、現在では音を伝えるだけのものとして使われていますが、もともとは、ひと文字ごとに、意味があったはずです。卒塔婆に書く梵字はデーヴァナーガリーと同じ、インド系の文字が元になっていますが、それぞれ特有の意味を表しています。

 文字に意味を持たせると、音だけを表したい時にも、誤解をまねくので、あえて表音文字としてのみ使っているのでしょう。それでも、想像力がある限り、人間は文字や数字にも意味を見いだそうとします。そして、意味のとり違いこそが、おもしろいし、文化ともいえるのではないでしょうか。常識が違う集団の中で、説明なしに同じ記号を使うのは、難しいことかもしれません。この本でも、記号の意味が、東洋人の我々とは違っていて、おもしろかったです。
 
 にもかかわらず、あまり興奮しなかったのは、先が読めてしまったからかもしれません。書き方が親切すぎるのか、個々の記号の意味を説明された後では、暗号の答えがわかってしまう…。敵対する相手の正体は私にとっては意外でしたが、ミステリー好きの人ならすぐわかっちゃうのかな?2回目は、相手の正体がどのへんから出てくるのかを探しながら読んだのですが、やっぱりよくわかりませんでした(^_^;)。

 「博士の愛した数式」は、原作を読んでからでも、映画もちょっと見たいな、という気になりましたが、「ダ・ヴィンチ・コード」は、映画は見なくてもいいか…という感じ。最近の本らしく、「サー・ミック・ジャガー」という一文が出てきたので、にやっとしてしまいました。

 

 


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
私はとっても楽しめました (ラビラビ)
2006-04-09 23:34:31
作者のダン・ブラウンという人は、各ページ推敲したおして文章を書き上げるそうで、あれだけの情報量(しかも難解な)を盛り込んでいるにもかかわらず、読みやすい、というのにはまずビックリです。

個人的にはシリーズ前作の「天使と悪魔」の方がより面白く読めました。こっちも途中でいろいろわかっちゃうので要注意です(笑)。

それはともかく、この「ダ・ヴィンチ・コード」、インドのヒンドゥーの人たちはどんな感想を抱くんでしょうね??
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読書連鎖 (とーこ)
2006-04-10 09:14:15
ラビラビさん



文庫版下巻の解説が荒俣宏だったのですが、荒俣氏の「レックス・ムンディ」も読んでみたくなりました。



> それはともかく、この「ダ・ヴィンチ・コード」、インドのヒンドゥーの人たちはどんな感想を抱くんでしょうね??



インドには「クリシュナの子孫」とか、今でもいますからね~。
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暗号つながり (ラビラビ)
2006-04-11 02:56:44
暗号がお好きでしたら、こんなミステリはいかがでしょうか。アルトゥーロ・ペレス・レベルテという人の「呪のデュマ倶楽部」や「フランドルの呪絵(のろいえ)」。結末がどうこうというより、古書や絵画に隠された暗号を追って行く過程が面白いんですよね~。「デュマ倶楽部」の方は、ジョニー・デップの主演で映画化されたのでご存知かも(「ナインス・ゲート」)。

映画「薔薇の名前」のショーン・コネリーは、良かったですねー。憶い出して、また見たくなりました!
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呪という文字が恐ろしい… (とーこ)
2006-04-11 08:40:58
さっそくネットで検索してみました。「呪のデュマ倶楽部」は、2,650円と少々高め。でも、「ナインス・ゲート」の名前で文庫化されていて、940円。「フランドルの呪絵(のろいえ)」は、テキトーな検索にひっかからなかったので、映画化さまさまです。



地元に大きな本屋がなくて、店頭でおもしろそうな本を探す…ということが少なくなってきているので、本の推薦、ありがたいです~!
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うちにあるはず… (ラビラビ)
2006-04-12 11:07:10
と思い本棚を漁っているうちに、本棚だけでは収拾がつかなくなり部屋の片付けへと発展し、2時間後「フランドル」の方は発見しました~!記憶を掘り起こしてみると、「デュマ」の方は友人に貸したままになっているような…。「デュマ」はオカルトミステリなので好みもあると思いますが、まあ、どちらも貸し出しカードにF.モルダーの名前が見つけられそうな本ではあります(笑)。

片付け中にストーンズ関連のものも発掘しました!今度お会いした時にでも♪
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移動図書館 (とーこ)
2006-04-12 21:34:41
> 本棚だけでは収拾がつかなくなり部屋の片付けへと発展し、2時間後「フランドル」の方は発見しました~!

> 今度お会いした時にでも♪



ありがとうございます&お忙しい中、申し訳ありません~。「ダ・ヴィンチ・コード」は、明日から仕入れ旅行をするTさんについていくことになりました。

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薔薇の名前 (mugi)
2006-12-06 21:01:58
TBありがとうございました。
「薔薇の名前」、懐かしいですね~
私も原作未読で、映画だけ見てますが、ショーン・コネリーとまだ初々しいクリスチャン・スレーターがよかった。
「薔薇の名前」での本のページに毒を仕込んだ殺害方など、もし対象が左利きなら効かないのでは、と思いました。
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修道院 (とーこ)
2006-12-08 09:41:51
mugiさん

バラの名前に出てくるような修道院、現代でも残っているようですね~。インドの石窟寺院なども、きわめて近いものだったのかも…と思いますが、気温が高い国では、涼しくて気持ちいいけど、ヨーロッパの修道院は寒そうです。
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