足助千年ゼミ

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文化・伝統・歴史班 2/5 議事録

2010-02-06 16:34:12 | 日記
文化・伝統・歴史班メンバー:加藤さん、鈴木(邦夫)さん、坂本さん、高須さん、中園さん、青山(書記)

文化・伝統・歴史ってよく似てるけど、どこが違うの?その使い分けは?
邦夫さんからの問題提起から始まった今回のおしゃべり。

お断り:議事録は大きく分けて、自己紹介(各人の問題意識)パート、おしゃべりパート、書記感想パートにわかれます。思ったより長い文章になってしまったので、お好きなところからお読みください。

【自己紹介】
まずメンバーのみなさんが持つ文化・伝統・歴史のイメージを語ってもらいました。

・加藤さん
地元の土着文化は当たり前だと思っていた。
たとえば川魚を食べること、女人講、寄り合い。
でも他地域ではもう過去のこと!?ショック。
おもしろくて貴重なものと実感。
守っていくにはどうしたらいいんだろう。

・邦夫さん
今度作る拠点施設の名称に「文化」を入れるかで論争に。
そこから文化ってなにかを考えるように。
文化、伝統、歴史、それぞれどう使いわける?
たとえば、葬式、祭りは伝統?それとも文化?
また、生きた文化、伝統、歴史を次に伝えるにはどうしたらいいんだろう?


・高須さん
一般的に伝統=昔、文化=今という感覚ではないだろうか。
たとえば和太鼓。
子供がタンタカしているイメージをもつ人も少なくない。
カルチャーというと最先端のカッコイイものと捉えやすいが、伝統のかっこよさはイメージが難しいことも。伝統という言葉を使うのがいいのか悪いのか。
また文化は変わっていくものという感覚があるが、伝統は変えていけないもの。変えることがタブー視されることさえあると思われる。

・中園さん
歴史や文化が薄い地域で育ってきた。
そのためこれまであまり意識したことはなかった。
でも、地域のお祭りで「山車」を知ってから、地域のお祭りにかかわりたいと思うようになった。
でもその地域に住んでいないと参加することは難しいと実感。
江戸から続く伝統や歴史あるお祭りによそものは参加できないのか?


坂本さん
豊根村で花祭りの舞手として、地域の祭りにかかわっている。
よその人には内のルールが見えない。
そのために、いざこざが起こることも。
花祭りを地域の観光資源と捉えるかどうかで、地域ごとのルールも違う。
よその人が、傍観者として自ら壁を作っていることもある。
自分はそういった色々な壁を取っ払って風穴を開けたい
たとえば、H.P.上でルールを公開している

・青山
味噌を作ってみたいと思ったけれど、でもいざ作ろうと思ったら、味噌の麹・塩の配合がわからない。
種類ごとの大まかな配合はわかるけど、いったいどれがいいの???
各家庭で作っていたら当たり前にわかるのに。
地元の農業塾では、先生になってくれる人を見つけるのが大変な状況に。
土地ごとの気候風土に適した農業を教えられる人がいなくなっていっている。
どうしたら各地の特色、文化(?)を守れるんだろう。

【おしゃべり】
自己紹介から、そのままおしゃべりが続きます。

<体験することはとっても大事>
加藤さんは地域の伝統や文化を守っていく手法の一つとして聞き書きを行っている。
でも自分が経験したことを聞いてもイメージできない。
聞き書きだけでは本質的な解決にならないのでは?
全て体験してわかるようになって、それを伝えたい。

高須さんも、情報発信を通して同じ疑問を持っていたようです。
動いている映像として伝えても、体験が伴わないと「ふーん」で終わってしまう。
そこには本物の振動がない。
どうしたら伝えられるんだろう。

教育の場を通して、体験してもらうのは早くて簡単だけど、そこには人と人の1対1のつながりだったり、信頼だったりするものがない。それなら、時間がかかっても、自分の感覚で一本釣りで、1人1人に来てもらったほうがいいのでは。
たとえば、地域に人を入れようと思ったとき。
A.住宅をばんばん作って、じゃんじゃん人を呼ぶ:投網
B.足助流、交流してから戦法:一本釣り

<伝統って「守る」もの?>
花祭りの現役の舞手をしている坂本さんには疑問があります。
それは、伝統は守るものなのかということ。
今私たちが伝統と呼んでいるものは、生活の中で必要とされてきたから今まで残ってきたものではないのだろうか。それならば、生活に必要でないとされるものが消えるのは当然の流れとも思う。


そうなのかもしれないけれど、過疎化で消えるのは少し違うのでは?と高須さん。
やりたくとも、過疎化でいやおうなくできなくなるというパターンもある


でもそれも含めてだと思う、と坂本さん。
坂本さんの上久保地区では、祭りの担い手は既に地域外にいる状態。
過疎を考えたらとっくに花祭りはなくなっている。
それでも、みんな祭りがやりたくて、祭りの時期には戻ってくる。
みんなの祭りをやりたいという思いが重要。
祭りを維持できる人数が維持できなくなった時が、祭りが必要でないものとして消えるときなのだろう。

【書記感想】
・心に残った言葉その1「守ると伝承」
変えていけないと思うか、変わっていくのが当然と思うのか。残していく文化や伝統が次世代にとって重く大変なものになるのはどうかという議論から。

・心に残った言葉その2「文化や伝統は廃れはじめて意識されるものじゃないだろうか」
なんだかすごく納得してしまいました。
伝統行事ってそれが当たり前のときは、特段意識されることなく行われているけれど、それが廃れ始めて、さあどうしようとなったときに、残るか無くなるか、それは当事者の人たち次第という議論から。

私が味噌を作ろうと思ったときに感じた、どうしたらいいかわからないという気持ち。何年も何十年も、もっともっと経ってから、一度失われた文化や伝統を再構築しようとしたらとても大変。そこには今をどうするのかの選択とは別として、やっぱりなんらかの形で文化、伝統が残っていくと嬉しいというのが私の気持ちのようです。

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