廃人の詩

もし僕が真実を語るなら

吉野家の一人負け?

2010年07月08日 21時11分10秒 | 日記
吉野家、純損失7億円=ライバルの値下げに苦戦―3~5月期(時事通信) - goo ニュース

牛丼業界は大手三社の熾烈な争いが続いている。
そんな中で吉野家が一人負けの様相を呈している。

理由は価格なのだろうか?

かつて、アメリカで狂牛病が発生したとき、吉野家は頑なに牛丼の味を守るため、オーストラリアなどの地域からの代替牛肉を使用せず、メニューから牛丼を消した。
アメリカからの輸入が再開して、吉野家に牛丼のメニューが復活したとき、人々は拍手を送った。
牛丼の味に妥協しなかった吉野家よ天晴れ!
という拍手であった。

しかし、私は全く違う印象を持った。
狂牛病のリスクはアメリカ一国に輸入を頼ったことで、格段に増した。
優れた経営者であれば、他の地域にも契約牧場を持つべきではなかったのか。
リスクを回避できなかった経営者に拍手を送る気にはなれなかった。

かつてマクドナルドとともに低価格路線を走り続けた吉野家は、ここにきてツケが回ってきている。
マクドナルドは低価格路線を止めて、いつの間にか昔の高いマクドナルドに戻ってしまったが、それでも他の競合会社には負けることがなかった。
モスバーガーやフレッシュネスバーガーといった味も質も高いハンバーガショップは一定の人気があるが、マクドナルドと価格や質で競合する会社で元気がある会社は見当たらない。

一方、牛丼業界は、味も質も価格もみな競合している。
10年前には味でリードしていた吉野家のアドバンテージはもはやなくなった。

かつて、牛丼業界は中規模のチェーン店や単独店舗が多々あった。
渋谷のセンター街にも独立系の店舗があったのを覚えている。
そのような小規模の店舗を吉野家が淘汰していった。

そして吉野家と松屋の二強時代となり、その後、すき屋が躍進する。
すき屋は、メニューが豊富であり、女性や家族連れでも利用しやすい店舗で人気となった。
しかし、理由はそれだけではない。
昔のすき屋の牛丼は明らかに吉野家より不味かった。
キムチ牛丼のようにトッピングをしてごまかさなければ食べる気もしなかった。
しかし、今、すき屋の牛丼は味の上でも吉野家と遜色がない。

吉野家が負けた理由は価格ではなく、味で追いつかれたからではないだろうかと思う。

ちなみに、私は牛丼を持ちかえるのが好きだ。
店でそのまま食べるのではなく、容器の中で蒸らされて、ご飯にほどよく汁が馴染んだ状態でかけ込むのが一番上手いと思っている。
その点から、松屋の牛丼弁当にクレームをつけたい。
あの、ご飯と具を分けるタイプの弁当の容器は、蒸らしを楽しめない。
私のような嗜好の人間のために、弁当の容器は2種類用意してもらいたい。