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迷走するインドの瞑想:インド旅行記 その弐十参 (書き手:カメラマンE)

2009年05月27日 | Weblog
私は今回の旅では大量の文庫本を持ち込んだのですが、その中には横尾忠則大先生の『インドへ』がありました。この中で大先生は1970年代の自身のインド旅行をスピリチュアルに描き上げています。文中で大先生はビートルズのインドへの傾倒に影響を受けたことと、自殺直前の三島由紀夫大先生より“君はインドへ旅発つ準備ができたようだ”と電話口で諭されたことがインド行きの直接の要因だと述べています。

▲横尾忠則大先生。1960年代よりグラフィック・デザイナーとして寺山修司の劇団、天井桟敷の公演ポスターをはじめさまざまな作品を手掛ける。現在は画家として世界をまたにかけて活躍中

▲スピリチュアルなインド旅行記です

さて、インドで何かを習うといえばヨガ!、とまっさきに思い浮かべる人も多いことでしょう。しかし、この本の中で大先生はやたらと瞑想にふけっております。さらに驚愕すべきことには、瞑想によりUFOを呼び出すことにも成功しているのです! そこで、我々もいっちょベントラベントラ・スペース・ピープル、とばかりにUFOを呼び出すべく瞑想教室に通ってみることにしたのです。

▲アダムスキー型UFO。UFOといったらやはりこれですよね

さて、ガンガー・フジ・ホームの近所をテレテレ歩いているだけでもヨガや瞑想の教室の看板がたくさんあるので、とにかく最寄りのところに入って体験レッスンでも受けられないか聞いてみようと突撃してみました。

▲我々の突撃したOM YOGASHRAM ACADEMY。ヨガと瞑想とREIKI(日本で言う“気”のことらしい。うそくさい)をさまざまなコースで学べるようです。

さて、中に入っていくと少し広い中庭のようなところがあって、その向こうに広めの家屋があります。最初に我々をみとめたのは小太りの20代のインド人女子でした。この娘がかなりのくせ者で、まず英語を上手く話せない割にはとにかく強引にレッスンに持ち込もうとするのです。すごくせっかちに“ヨガが良いのか? 瞑想がいいのか?”と聞いてきます。こちらの“体験レッスン”については聞かぬ振りです。こういう会話の間合いの悲惨な感じはインド独特のものです。

で、こちらもすごく暑いし、どうでも良くなってきたので、1時間の瞑想コースを受けることにしました。20代の小太りインド女子が奥へ消えていきます。どこからかヨガ・マスターがやってくるのかと思いきや、この不届きな小太り女子が、なにやら“瞑想のすすめ”みたいなガイドブックを持って、あらわれるではありませんか。この小娘がガイドブックを読みながら瞑想の手ほどきをしてくれるというのです。こちらは当然がっかりですが、行きがかり上仕方がありません。

やはり思い通りこの子娘では何も理解できません。瞑想の心構えやなどは無視していきなりヨガのポーズなどを複数とらされます。深呼吸で息を吸うことを“インナヘ~ル”、逆に息を吐くことを“エクサへ~ル”というのですが、さまざまなかたちでの屈伸などに合わせて小娘が呪文のように“インナヘ~ル”“エクサへ~ル”を繰り返します。しかも、この子娘も全くの素人ボディで屈伸なんかもまったく堂に入っておりません。かなり絶望的な気分になってきたところに、さらなる追い打ちが我々を襲います。

小娘が我々に教授をしているところに、なんかランニングシャツを着た用務員さんのような小太りのおっさんがあらわれます。“クーラーの調子が悪いのでも直しに来たのかな?”と思っていると、なにやら小娘に指示を与えて、下がらせます。な、なんとこの用務員さんがこのOM YOGASHRAM ACADEMYのマスターだったのです。さらなる絶望に裏打ちされた我々はさまざまな“インナヘ~ル”“エクサへ~ル”を繰り返させられますが、もちろんUFOを呼ぶどころでは無かったことは言うまでもありません。


▲いい気にも記念写真何かをとってみましたが、このおっさんはねーよな

明日も来るように強くすすめられますが、固辞してOM YOGASHRAM ACADEMYを後にしたのですが、出口のところで犬にほえられて、超びびって周りのインド人に笑われるという失態まで演じてしまいました。もう瞑想は結構です!

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