海と空

天は高く、海は深し

七十人訳聖書(ギリシャ語訳旧約聖書)

2006年11月17日 | キリスト教

 

昨日、七十人訳聖書が届いた。長い間欲しかった本だ。日本ではまだそれほど聖書研究などは普及していないから、なかなか手に入らなかった。洋書を取り扱っている書店などで探せば、すぐに手に入ったのだろうけれども、学者ならぬ世界の狭い私には縁が遠かった。しかし、ネットのアマゾンなどを通じて、自分のような無学の者にも洋書は身近になって、手にすることができた。本人のやる気次第ということなのだろうか。
装丁も美しく、値段もそんなに高くもない。関心のある人には価値ある本だと思う。

このSEPTUAGINT(セプチュアギント)の序言を読んでみた。
最初に出版されたのはロンドンで、1851年だという。この本自体はアメリカで印刷されている。本文の英訳者は、Sir Lancelot Charles Lee Brentonという人である。Sirがついているから、貴族だったのかも知れない。ただ、(1807-1862)と表記されているから、五十五歳程度でこの人は亡くなったらしい。カトリック系の人だったのかプロテスタントの人か今のところそれは分からない。

この本には古典ギリシャ語であるコイネーに翻訳された旧約聖書と、その英語訳が併記されている。序言によれば、このSEPTUAGINT(セプチュアギント)は、紀元前285年から247年ごろに、プレトミー・フィラデルフス治世下のエジプトのアレキサンドリアで、七十人もしくは七十二人のユダヤ人学者たちによって当時のギリシャ語に翻訳されたそうである。

英語訳の聖書もたまには読むこともあるけれど、現在私の使っているのは、日本聖書協会から出版されている和英対照の新共同訳聖書だから、誰が訳したのかは分からない。この七十人訳聖書で、サー・ブレントン氏は旧約聖書をどのような英語に訳しているのだろうか。優れた個人訳であれば貴重である。若くして亡くなられたブレントン氏の不朽の仕事なのかも知れない。

それにしても、ユダヤ人ならぬ私たちには、ヘブライ語の旧約聖書を私たちの本とすることができない。私たちの旧約聖書としては、やはり、このギリシャ語訳旧約聖書しかない。七十人訳聖書、SEPTUAGINT(セプチュアギント)が新約聖書とならんで私たちのよるべき最終的な聖書であると思う。

 

コメント (1)
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