アートインプレッション

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世紀末パリが愛したダンサー ロイ・フラー

2011-12-02 17:52:39 | 陶酔のパリ・モンマルトル
世紀末パリが愛したダンサー
ロイ・フラー



『グラナダの夕べ』
パフォーマンス:ジョディ・スパーリング
2005年


アメリカ人の女性ダンサー、ロイ・フラー。
世紀末パリのキャバレーで彼女が踊った「ヘビ踊り(または電気踊り)」は瞬く間にパリ中を魅了し、万博公演やアメリカツアーも行われるほど大流行しました。
ゆったりとした白い衣装でくるくると旋回する踊り手に、前後左右から照明を当てて身体のラインを浮き上がらせるこのダンスは、照明を使用したパフォーマンスがなかった時代、最先端の踊りとして注目を集めました。

 

《カフェ・コンセール、劇場、サーカスのためのプログラム10種》より抜粋 1895年頃
《ロイ・フラー》 アンリ・ド・グルー作 1892年-1895年頃


そんなロイ・フラーがデビューしたのはカフェ・コンセール《フォリー=ベルジェール》。
本展でお馴染みのスタンランやシェレも足繁く通ったこのキャバレーで、ベル・エポックの芸術家との交流を深めた後、自身の劇場を持つ興行主として精力的な活動を展開したのでした。彼女がプロデュースした人物のなかには、日本人初の女優である川上貞奴、オッペケペー節の川上音二郎夫婦の名前もあり、1900年のパリ万博「ロイフラー劇場」で観客を多いに沸かせたと伝えられています。


談笑する川上音二郎と川上貞奴

アメリカ人でありながらダンサー人生のほぼ全てをパリの享楽に捧げたロイ・フラー。
彼女のダンスは多くの画家や作家によって描かれ、今日に伝えられています。まさに時代を象徴する踊り手だったと言えるでしょう。

展覧会場では彼女の「ヘビ踊り」を再現した映像も流されています。踊り手の動きに合わせて表情を変える照明効果に、100年前のアナログな驚きを重ねてみてはいかがでしょうか。
展覧会は北海道立函館美術館にて12月7日まで開催されています。お見逃し無く!



北海道立函館美術館
■市電(路面電車)
「函館駅前」から湯の川方面行乗車。「五稜郭公園前」下車徒歩7分

■バス
「函館駅前」から函館バス105系統/106系統乗車。「五稜郭公園入り口」下車徒歩3分

■タクシー
JR函館駅より約10分
 函館空港より約20分

詳しくは北海道立函館美術館アクセス情報をご覧下さい




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