Nの祝祭日

映画、読書などのメモ

しゃべれども しゃべれども

2017-10-15 | chinema(日本映画)

映画を観た。

★しゃべれども しゃべれども
原作 : 佐藤多佳子
監督 : 平山秀幸
主題歌:ゆず「明日天気になぁれ」
キャスト: 国分太一、香里奈、 松重豊、八千草薫、伊東四朗、他
2007/日本

国分太一さんがものすごくいい味をだして好演。口跡のよさ、着こなし、歩き方などは落語家の立ち振る舞いそのものであり、まさに東京に生きる現代の噺家の姿のようであった。寄席の雰囲気、東京下町の風土、落語「火焔太鼓」の世界など、スタッフの表現力もすごく熱っぽく巧みである。落語家のいわゆる「化ける」瞬間がいい。

関西弁のイジメラレっこの少年、ネクラの謎のような若い女、不器用な野球選手といった人間のからみが面白い。またベテランの八千草さん、伊東さんがどっしりとした存在感を示し、東京下町の風土感を淡々と漂わせている。

ラストの場面がすこし淡白であり、もう少し観客をゆさぶる仕掛けがあってもいいかなと思ったが、ゆずの「明日天気になぁれ」がエンディング曲として流れ、爽やかで鮮やかな印象を残した。
落語は「間」が全てである。人生も「間」、そして人の出会いもまた「間」である。

 


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする