Nの祝祭日

映画、読書などのメモ

俵屋宗達のアバンギャルド精神爆裂、養源院はびっくり箱!。

2015-02-20 | 展覧会

俵屋宗達のアバンギャルド精神爆裂。
養源院はびっくり箱です!。

俵屋宗達の原点はここにあり。
おなじみの「白象」を観に行ったんですが
ここ養源院はとんでもない宝の宝庫でした。
現代のびっくり箱です。
おどろきもんです。


春、夏、秋、冬、この道はいつ観ても謎めいて美しい。
《数奇な運命の糸で結ばれた魂が集うところ》です。
その場を飾るのが、俵屋宗達の絵。
この修羅場をコントロールできるのは俵屋宗達しかいない。

養源院の説明はガイドブックにまかせます。

僕は俵屋宗達に釘付け。
ぐさり、ぐさり。
唖然と眺め、見飽きることはありません。 

まず、杉戸絵3点

・《唐獅子図》


・《波と麒麟図》


・《白象図》


そして、本堂松の間の襖絵。

・《金地著色松図》


超越した造形力、装飾性です。
凄まじい想像力に感激します。

今年は琳派400年ということで、何かと騒々しいんですが、
琳派という括りの中で、俵屋宗達を観ることには、どうも違和感を感じてしまいます。
日本美術史の中で、彼の存在はちょっと異質に感じるんです。

ちょろちょろ雑感を述べるにちょっと罪深いとおもうので、
もう少し自分の中で整理してみましょう。

4点とも重要文化財です。
気軽に鑑賞できる幸せを感じますが、
国宝級の文化財であり、
保存について考えなければならないのではないかと感じました。


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夢の跡:《羅城門遺址》

2015-02-10 | 散策

 

 

 

羅城門遺址


羅城門。
平安京の正門です。
794年に建都された平安京は東西4.5km、南北5.2kmの規模。
その入り口南端中央に、羅城門がありました。

現在は、たぶんこの辺でしょうという地(花園児童公園)に石碑が立っています。
東寺さんの南大門から九条通に沿って西へ数分です。
なんともがっかりなことですが、
実は、現代の京都の街には平安時代のものはほとんど残っていないのです。
{いくつかある程度、ほんとにいくつか)

全ては土の中
いつか平安時代を訪ねてあるいてみよう。


公園内にこのような案内板がありました。
読んでみます。

 平安京のメインストリートである朱雀大路の南端に設けられた、都の表玄関にあたる大門で、この門を境に京の内外を分けた。弘仁七年(816)に大風により倒壊し、そのご再建されたが、天元三年(980)の暴風雨で再び倒壊した後は再建されることはなかった。11世紀後半に藤原道長が法成寺造営のため、門の礎石を持ち帰った記述が「小右記」にあり、この頃には門の礎石や墳墓のみの姿になっていたと思われる。
 付近の発掘調査では、羅城門に関わる遺構は見つかっていないが、東寺の木造兜跋毘沙門(とばつ びしゃもん)天立像(国宝)や三彩鬼瓦(重要文化財、京都国立博物館寄託)はこの門にあったものとつたえられている。  平成20年3月  京都市

へぇ〜。
と唸る。


★羅城門を題材にした《羅生門》

物語では、《羅生門》と書かれる。
平安京は華やかなイメージが多いが、右京はすぐに荒廃。
南部の治安は悪化の一途をたどり、羅城門周辺は夜ともなれば誰も近付かぬ荒れはてた地区となったという。
この荒れた地域を舞台にして、妖怪話が語られた。

有名なところでは

・謡曲「羅生門」
・今昔物語
・芥川龍之介の『羅生門』(1915)
・黒澤明の映画『羅生門』(1950)
 出演は三船敏郎、京マチ子、森雅之、志村喬、他。
 ヴェネチア国際映画祭グランプリ(1951)を受賞 

 

 


映画は何回観ても、引きこまれます。
日本映画の金字塔です。
封切り当時のポスターを見つけたので
貼り付けておきます。


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石川五右衛門参上!・・・水無瀬神宮

2015-02-05 | 散策

 

 

石川五右衛門参上!

国境を越え、ノスタルジックな西国街道を歩いて行きます。
サントリー蒸留所を越え、
水無瀬川を越えさらに歩いて行くと
左に水無瀬神宮があります。

神門は薬医門造だそうです。
その門に《石川五右衛門の手形》と称するものがあります。
水無瀬神宮の神宝である大刀を盗もうとしたが神 威に打たれ、
一歩も門内に入れずに手形だけ残して立ち去ったそうです。

手形は金網でしっかりガードしてあります。
ホンマデスカ??????
マジデスカ???????
菊の御紋と《石川五右衛門の手形》を一緒に記念写真を撮りました。
今なお神門に残しているところが凄い!?!?1??

境内には、「名水百選」に選ばれた「離宮の水」があります。
谷崎潤一郎にちなんで《蘆刈りの水》とも呼ばれています。
ペットボトルを持った人がとぎれることなくやってきます。

なにやら
ふむふむと辺りを散策します。
くらくらする時間のふりかえり。 


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京都駅のモニュメント《朱甲舞》

2015-02-04 | 展覧会

平安京の社寺を彩った朱色のモニュメント《朱甲舞》

★「朱甲舞」
作者:清水九兵衛
高さ:約6メートル
材質:鋳造アルミ鉄パイプ製

平安建都1200年記念作品として
京都駅ビル・室町小路広場にあります。

意識して見つめないと、大きな空間のなかで見落とすかもしれません。
それほど、広いこの駅ビルの構造物の1部のように溶け込んでいます。
が、作品はインパクトがありますよ。
鎧で装った舞人をイメージしているとのことです。
観る人それぞれにイメージを膨らませましょう。

この地点から見上げる171段の大階段は迫力があります。
この階段を観客席に見立て、
室町小路広場でいろんなイベントが開かれます。
クリスマスツリーなどのイルミネーションもここに設置。
京都を訪れて、偶然出会えばラッキー。

清水九兵衛さんの朱色のモニュメントは京都のあちこちで見かけます。

清水九兵衛さんは実は陶芸家なんですが、
アルミニューム・アーチストとしても大人気で
野外彫刻やモニュメントの作品は全国にあります。


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京都の《考える人》は何を考えているのか?

2015-02-01 | 展覧会

京都の《考える人》は何を考えているのか?

京都にもオーギュスト・ロダンの《考える人》がいます。
京都国立博物館にいます。


ここで疑問が湧いてきます。
まず、この《考える人》は本物か?
本当の《考える人》は何処にいるのか?
日本には《考える人》は何人いるのか?
そして、タイトル《考える人》は、タイトルはこれでいいのか?
そして、《彼は何を考えているのか?》
、、、、、。
ふむふむ、わからない。



写真は、平成知新館工事中時のものです。クレーンと考える人のとりあわせが面白いと思いました。



ロダンの《地獄の門》として制作され、1902年頃この人物だけが独立して彫刻作品として拡大、鋳造されたようです。
その頃に、日本にやってきて、現在、京都にいるということです。
初めて観た時は、かなり腐食が進みかわいそうなくらいでしたが、(酸性雨にやられたんです)
修復掃除がされ、
さらに耐震処置もされ、
今は素敵な青年?です。



で、これは本物かというと、本物です。
でも原型そのものではないということでは本物でない。
鋳造作品という性格からすればこういう説明になります。
同じたいやきがいくつもできるようなものでしょう。

(たいやきといっしょにするな!)


当然、最初の鋳造作品はパリのロダン美術館にあるんでしょうね。
(確認はとっていませんが)

日本のあちこちに《考える人》はいます。
ひょっとしたこれから増えるかもですが、
当然、工業製品でいう製造番号があるはずですから、
何番までが有効なんでしょうか?
(僕の知識外です。)
世界には20数体の《考える人》がいるとか。

APMoA館長による「ロダンのブロンズ作品について」:
http://togetter.com/li/260441


タイトル《考える人》ですが、
が、このひとの姿は、ほんとに考えるポーズでしょうか
ロダンという人はバロック調の劇的なポーズが好きなようですが、
どうかんがえても《考えているとは思えないのです》。
何をしているかは理解をこえています。

《地獄に落ちて行く罪人を傍観している男》と言われています。

ちょっとポーズを真似てみると、
背中や腰のスジが伸びて、ストレッチしている感覚です。
(この作品は斜めまたは後ろから観るといい)
そうか、かれはストレッチ運動の最中。
いままさに縮んでいるその一瞬を捉えた見事な作品です。
次の瞬間、大きく伸びます。
どんなポーズで伸びるんでしょうか?
大阪道頓堀のグリコ。

(はてしない夢想です)

アートは観る人が好きなように観ていいんんです。
何について考えているかについては、鑑賞者の自由な想像力にまかされます。
現代アートの本質です。
興味が湧かなければ路傍の石と同じです。


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新参者

2015-02-01 | 

本を読んだ。

★新参者(文庫本)
著者:東野圭吾
出版社:講談社

着任したばかりの刑事・加賀恭一郎、未知の土地を歩き回る。
人形町界隈が舞台だというので読んでみました。
人形町といえば、時代劇にもよく登場する地。
今も江戸情緒がほんのりただ酔う。
京都と東京のスキヤキ食べ比べということで、とある有名なお店さんへ行ったことがあります。
ゆらりゆらり辺りを散策した時、京都にも良く似た懐かしい雰囲気を感じました。

さて、お話は、
初めは、《これは推理物か?》と。
ミステリー物というよりは、江戸の人情物といったほうがいいような気がしたくらいです。
しかしさすがストーリーテラー東野さんです。
被害女性の人柄を少しずつ明らかにしながら、彼女に関わる人々の《想い》が語られます。
刑事・加賀恭一郎の眼は、東野さんの眼そのもの。
東野さんの人柄を改めて知らされる作品となりました。

 


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