何を信仰として生きていくか

４月にブログ歴を振り返るという日記を書いていた。
そのときにはブログを書くことの効果として「整理」と「定着」しか見出せていなかった。
しかし最大の効果は、「気づき」なのではないかと最近思うのである
外出して受けた新たな刺激も、過去を振り返っての棚卸しも、その日だからこそ感じられる気づきを与えてくれる。
さらにそれを文章化することでバラバラだった出来事が一気に関連性を持ち始める。
特に私はメールもブログも、自分が話をしているような流れを感じてほしいと思って書いているため、その意味でも繋がりを重視している。

・・・いや、正直いうと、それを意識したことはなかった。
そのことに気付かされたのは私の文章がロジカルではいと指摘されたときである。
直そうとも思ったのだが、結局はそのスタイルが自分らしさであると思い、論文などで専門性を求められたときには注意しようということで折り合いをつけた。
指摘をしていただけるのは本当にありがたいことである。

指摘と同様に新たな気づきを与えてくれるものが、ブログに寄せられるコメントである。
たとえば、「君は○○な人だね」と褒められたりすると、「いえいえ、そんなことはありませんよ」なんて謙遜しながらも、「へぇ、そうなんだ～」なんて妙に納得したりして・・・。
意外と他人の方が自分のことをよく知っていたりするものだ。

また、「それ、わかる！」とか「その本、ちょうど読んでたとこ！」とか言われると、「あぁ、分かってくれる人もいるんだなぁ、繋がっているんだなぁ・・・」って嬉しくなる。

さらに、「ブログを読んで思い出したけれど、そういえば・・・」という情報は、書いている人にとっては気づきであり、私にとっては新たな展開を生むきっかけとなる。


とすればこの「気づき」、言い換えると「知恵」といえるのではないだろうか
つまり私は毎日、新たな知恵をあらゆるところからいただいていることになる。楽しいわけだぁ。
そして知恵とは自分がこれから進むべき道をひらいていく力だと最近思うようになった。
熊野古道の弥山小屋で得た「智慧とかいてひらくだよ・・・」のメッセージ以来、探すともなしに気のむくままに読んだあちこちで、出るわ出るわこの知恵という言葉。
般若心経でぶつかり、キリストの教えでぶつかり、今週買った４冊の本、全てに出てきた。

繰り返すが、探すために読んでいるわけでない。
全ては偶然である。
なぜそれで出会えるのか？
自分でも明確な答えは出せないが、言ってみれば、偶然とはいえない偶然の一致、カール・ユングのシンクロニシティを信じているから
ふだんはボヤ～っと生きていても、偶然に対してだけ鋭く、強く反応し、柔軟になってこれは何かと素直に受け入れていく。
それが今日の私をつくっている。


沢木耕太郎さんの講演会をまとめていて思ったのだが、私の山の登り方、「ありのままの自分を自然の中に放ち、自分の立ち居地を確かめ、そして自分を知る」とは、すでに「ソロ」としての生き方そのものなのである。
つまり私は素のまま、ありのまま、自分の感覚のみしたがって導かれるままに生きている。

塩沼亮潤さんの言葉を借りると、本来あるべき自分の心を「訪ねて歩く」という意識で人生という行をさせていただいている。
それが、信仰＝生活　生活＝信仰であり、「自分の人生がそのまま信仰」になるということではないか。

風のように、水のように生きたい、そう、良寛のように・・・とまたLess is more＝我の放下＋我の昇華に繋がるのであるが・・・
う～ん、素晴らしきかな、人生


私は宗教など、いわゆる信仰というものを持たない人間である。
しかし、あるとすればこれだ。
「偶然を信じるという自分信仰」


旅行し、考え、読書し、行動し、ブログを書くという毎日の中で気づいたことがこれであり、５月を振り返っての総まとめとなる。
写真は５月のこの一枚「落差１３３メートルの世界遺産・那智御瀧！」

私に関るすべての人たち、すべてのものたちへありがとうと言いたい。
６月も素晴らしい一月になるよ