一人人海戦術

世界の3%くらいの人に納得してもらえばいいかなと考える、オメガ・ブロガーを目指してみようか。

大魔神カノン

2010-07-08 22:29:25 | 書評と感想
 ひどい目にあったという女子大生(カノン)が実は大魔神を目覚めさせる歌姫で、オンバケとかいう良い妖怪さんたちが、そのカノンを立ち直らせて、イパダダという悪い妖怪さんがやけに成長したので大魔神に退治してもらおうと計画するお話である。幸運なことに、PTAの生まれ変わりではないかと思われる我が恐るべき配偶者の眼を盗んで毎回見ることに成功している。全26話であるが、のんびりとした展開に、あっさり打ち切られるのではないかと、ハラハラドキドキし通しである。みんなもっとのんびりと見てやってもいいのではないだろうか。サザエさんくらいに。
 先日、黒猫亭様のところで、オンバケの年齢問題についてコメントしたが、テレビのオンバケは幼児で500歳の石灯籠のオンバケは長門裕之扮する爺さんであるので、どうやら誕生してからゆっくり年を取っている設定のようである。しかし、ここで新たな厄介な問題が生じてしまった。第13話「囮怨」で、兜のオンバケのタイヘイが、自分は300歳を超えると語り、金魚のオンバケのイケチヨ姉さんは実はずっと年上でと言おうとして、イケチヨに殴られるのだが、歳が第9話「夏音」でそれぞれ語っていたことと合わなくなってしまった。まず、兜のオンバケのタイヘイの兜の持ち主の何とか(トキサダとか言っていたかな)という武将は戦が終わるたびに兜に酒を吹きかけて労をねぎらって大切にしたらしい(単にエタノールで消毒したり掃除したりしていただけかもしれない)。とすると、戦らしい戦のない江戸時代が邪魔をして、300歳を超えた辺りの年齢になるにはどうしたものか悩ましい。携帯電話が出てきているのでそんなに昔の話に出来ないので、素直に2010年から換算して幕末の動乱では150歳に満たない。そして、最後の本格的な内戦である島原の乱だと、373歳となり、300歳を超えるという言い方には違和感がある。そもそも岩手の武将が参加するような気がしないし、「戦のたびに」酒を吹き付けてくれたと、何度も戦があったようなことを言っているので、戦が終結した大阪の役の1615年よりは年をとっているはずだから、400歳を超えているのが普通である。恐らく、カノンが驚くので自分の年を100歳もサバを読んでしまったいじらしい男心?なんだろう。
 それは許すとしても、イケチヨ姉さんは花魁(おいらん)の可愛がっていた金魚なので(第9話「夏音」)、花魁とは18世紀中頃の吉原の位の高い遊女のことだから、250歳くらいに過ぎないはずだから、兜のタイヘイよりずっと年上というのは奇妙である。今日では、広く遊女一般を指して花魁と呼ぶこともあるそうなので、イケチヨ姉さんは今風の言い方のつもりで花魁と言ったのかもしれない。
 しかし、まだ問題がある。普通に日本で金魚が養殖され始めたのは江戸前期なので、まだ、兜のタイヘイに勝てない。この時期を逃すと、ペットとして飼われていたのは中国の宋代、明代にまで一気に遡らなければならない。そのときの宋か明の遊女に飼われていたとすると、1000歳も夢ではない。恐らくブジンサマ(大魔神)に勝るとも劣らない力を秘めているに違いない。
 ところが、一見落着かと見えた年齢問題にもまだ問題があった。第9話「夏音」でイケチヨの飼い主の花魁はいわゆる金魚鉢にイケチヨ(予定)を入れて可愛がっていた。誠に厄介なことをしてくれたものである。中国でガラスの製造が盛んになる清の時代にまた引き戻されてしまうではないか。そうなると、イケチヨは374歳以上にはなれない。またしても、兜のタイヘイに勝てない。こうなると吹きガラスの発明はローマ帝国のころだから、シルクロードだか何だかを越えて、まるで日本の金魚鉢のようなデザインのものが宋か明の貴族にでも渡って、そいつに気に入られた遊女さんにプレゼントされたということで手を打とう。もう知らんもんね。
 また、ザリガニのオンバケのサワモリさんはロシアから北海道に渡ってきたザリガニだと本人が語っていたので(第9話「夏音」)、どういう経緯で海を渡ったのか分からないが(まさか氷河期に陸続きだったもんで来てしまった)、アイヌと呼ばれる人に○○カムイとか名付けられた日本産のザリガニのような感じだ。ついでに、犬は江戸時代くらいの町医者の飼い犬らしい。
 お金を掛けているだけに日本刀のオンバケのトウベエが登場してからのアクションは一見の価値ありだ(第12話「化恩」)。刀が手から離れた状態から自動でクルクルスパスパ回転しながら切ってまた手に戻ったり、回転させながら味方に投げて渡しても相手は当然のように見ないで受け取って攻撃を始めたりするなど、あり得ない刀さばきは面白かった。
 エンディングはカノンの寝顔を延々と映しているのだが、予想していた通り、話が新展開を迎えたら少しエンディングが変わった。カノンの夢の中なのか何か分からないが、レーザー光線の紐のようなもの(レーザーストリングと名付けるとしよう)を手からカノンが出すのだが、そのレーザー光線の色が赤だったものが、第13話「囮怨」から青に変わった。さらに、寝顔の最後のあたりで顔と体が動くようになり、もうすぐ目覚めそうである。恐らく最終回までには目を開けてくれるだろう。カノンのレーザーストリングと衝撃波(黒い輪っかのようなもの)は本編に出るのだろうか。演じている子が戦闘には参加しないと言っていたから、きっと、本編とは関係ないものなのだろう。ちなみにオープニングは毎回キーになるシーンを少しだけ挟んで、全く同じオープニングは無いようである。
 肝心の展開としては第12話でオンバケと友達のオタクっぽいのに妙にさわやかな矛盾した感じの青年が良き理解者として登場し、第13話でブジンサマ(大魔神)が何で岩になっちゃったのかということが明かされる。どうやら、オンバケは人から嫌われると痛く傷ついて機能停止してしまう弱点があるらしい。それから、イパダダを捕獲して、カノンの元彼から追い出して、イパダダはどこ行っちゃったのということになった。さらに、長門裕之のギャラと特撮にお金を吸い取られたのか、それとも日程が合わないのか、お釜のオタキさんも、ザリガニのサワモリもやたらと旅に出てしまう。大丈夫だろうか。
 ちなみに、兜のタイヘイは、私もかつて愛用していたスーパーカブに乗って某仮面ライダー然とした姿になる。この作品で仮面ライダークウガとか響鬼でやりたかった何かをやりたそうな雰囲気なので、こいつもきっとライダーなのかな、いや、やっぱ人間でさえないしなと思っていたら、仮面ライダーと聞いては黙っていられないNHKが、さっそくライダー認定を出してくれた。今週つまり、7月5日の週からタイヘイ役の眞島秀和が、朝の連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」に出演している。これは、かつて朝の連続テレビ小説「君の名は」に仮面ライダーブラックの倉田てつをが出たとき辺りから続く、ライダーを使う流れであろう(もちろん実力だろうが)。編集者役の眞島秀和は水木しげるの漫画を見てザラッとくるといって褒めている。きっとサメ肌が好きなのだろう。ちなみにまだ、お目当ての渡辺いっけいは登場せず。オープニングにも顔を出すから何か重要な人には違いないのだが。どこまでひっぱるのか。早く出してほしい。

<追記>
 なんと、カノンがちょっと目を覚ましそうだというエンディングはたった一回きりの使用で、第14話「霞音」から、全く別なエンディングに変わった。また、オープニングの音楽は基本的には同じだが、森山良子は二番の歌詞を歌っているようである(三番でも四番でもどれだか知らん)。オープニング及びエンディングともに、カノン役の子は夏っぽい格好になり、要するに露出度が増加した。これがいわゆるテコ入れということなのだな。きっと次からは、戦闘シーンも増えるに違いない。それでも私しか見ていないときには打ち切りか。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 終わった | トップ | 子供店長 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

書評と感想」カテゴリの最新記事