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日々雑感  ~ 青亀恵一

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風車はなぜ倒れた

2007-04-12 07:50:51 | 環境
風車はなぜ倒れた

弱い風でも風車は倒れる。  その理由は、・・・・


今年、1月8日、青森県の岩屋ウィンドファーム発電所の
風車「11A号機」1基が基礎部から倒壊した。

風車は、風速 秒速60メートルに耐える設計であった。
倒壊時の風速は、秒速20メートル程度にすぎなかったのになぜ。

各地の風力発電所に不安を与えたものだ。

その原因調査報告がなされた。
岩屋ウィンドファーム発電所11A号風車 倒壊事故について(最終報告)
http://www.eurus-energy.com/data/20070316.pdf


簡単に言えば、
事故発生直前にロータが過回転状態になったことで
設計値を上回る荷重が風車基礎に作用したためとしている。

これは、NHKのBS放送でも報道していたので、
その内容を記すと、

風車には規定の回転数がある。
この風車の場合は、19回転/毎分。
風速15メートルで、19回転に達する。

風速があがると、羽の角度を変えて、
19回転/毎分になるように制御する。

この風車は、事故発生4日前に発電機が故障。
ブレード(羽根)が回らないように、付け根を固定。
その際、2箇所をボルトで止める規定であったが、
1箇所しか固定しなかった。

これが一つ目のミス。

やがて、ボルトが外れ、ブレードは回り始めた。

回転数は、倒壊前は、60回転/毎分を越えている。



担当者には、警告のサインが届いていたが、
対応しなかった。 

これが、第2のミス。

回転数は風車に大きな影響を与える。

回転が無ければ、風車に掛かる力は、風速分の風だけ。
ブレードが回転すると、
回転速度分の風の力がブレードに掛かる。



この2つの力の合成された力が、掛かる。



回転が速くなれば、回転速度分の風の力が大きくなり、
合成された力も大きくなって風車に掛かるというもの。



実験で、風車の回転をあげた場合に
風車に掛かる力の関係を見ると、
風速が20メートル程度でも、
回転数が早くなると、2倍・3倍の力が掛かるということだ。



機械システムとしては、制御されていたが、
発電所の故障という異常事態に対する人間の不適切な対応が
この事故を招いたともいえる。

システムが万全だと人間は安心しすぎてしまうのかもしれない。

そして、規定されたことを守ることと
警告に対応すること。
当然ともいえることを人間が怠ったばかりに、
起こった事故である。

このような初歩的な対応ミスで、大きな被害をもたらしてしまった。

これも、一つの危機管理意識の欠如事例でもある。

風が弱いからといって、安心できない。
これからは、風車の回転数には、気をつけなければならないことを始めて知った。


岩屋ウィンドファーム発電所11A号風車 倒壊事故について(最終報告)
http://www.eurus-energy.com/data/20070316.pdf

岩屋ウィンドファーム発電所 11A号風車倒壊事故報告(別紙
http://www.eurus-energy.com/data/20070316d.pdf





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