Frany's Yard

Frany's Yardはトリュフのスタッフたちが、アンティークの話、日常の中の嬉しい、可愛い、心地いいことを綴ったミニコラムです。

It never entered my mind

2007-09-29 16:13:30 | tools
長い夏もいよいよ観念したような、落ち着いた気候になってきました。
ここ4ヶ月ぐらい、Tシャツしか着てないような気がしているsabaeです。
今日は。
やっとロンTが着れそうです。

暑い間はなかなか植物をいじる気になれなかったのですが、これからの季節は心を入れ替えてがんばろうと思います。ご来店いただいた方々には、裏庭の惨状がバレバレですね。
バラの葉っぱはほぼ無くなりました。
黒点病はいつものことなので、慣れてきましたが、いくら山の麓だとは言え、虫凄すぎです。

新しい枝が伸びると、確実にチュウレンジバチが3~5箇所に卵生んでます。
生みすぎだろう。そんなに生んでも幼虫潰されるだけだっつーのに。
あとオトシブミ。
たいした被害じゃないし、がんばって揺りかご作ってるなぁと思って好きにさせてたけど、5枚葉全部丸められてたのを見たときは笑った。いや笑ってる場合じゃないけど。
最大の被害はハダニでした。簡単に駆除できると思って油断してたんでしょうね。蔓延しました。雨のかからない所にいたピンクスターが発症源でしたね。黒点病の症状が出ないのでちょっと見てなかった隙に、ハダニの野郎、どんだけ増えるのですかまったく。
既に来年を見据えております。この冬にはほったらかしだった裏庭に着手する予定です。

そんないい加減な園芸をしていると、バラの枝を切ることも増えるわけですよ。枯れたりするし。細い枝だと文房具的なハサミで切ってたんですが、園芸鋏も欲しくなったので、マルツにねだってみたら持ってきてくれたのがこのハサミです。
おおっ。なんか本格的な、華道でも嗜んでいそうなハサミだ。
よく見たら「菊一文字」じゃないですか。
沖田総司御愛用の刀で有名な。
私も包丁を愛用してます。牛刀と薄刃の2丁ですが、牛刀は研ぎを失敗気味で研ぎなおしたらえらく短くなってしまいましたが。
その菊一文字のハサミは、なんでもマルツのおばあ様が、その昔使っていらした物だとか。マルツが幼少の頃は、マルツを呼び出しては育てた植物を「見て見て~。」って感じで見せてくれていたらしいです。
尤も幼少のマルツにとっては「遊ぶのに忙しいのにめんどくさいなぁ。」って感じだったらしいですが。まぁ、男の子ってのはそんなもんですね。俺もそうだった。

そのおばあ様、なんと今年、百寿を迎えられたそうです。スゲエ。京都市が表彰に来たらしい。そのうちテレビに出るんじゃないか。
そんなおばあ様がマルツに伝えた言葉で、心に残ったものがあります。

「花は見てもらうために綺麗に咲くのよ。」

心に沁みました。見てあげよう。小さな変化に気付いてあげよう。そう思った言葉でした。
だからマルツも見てやってくれよ、裏庭。

sabae


song for a friend

2007-09-26 23:48:09 | food
清涼の季節を感じるこの頃、皆様お元気でいらっしゃいますか? 長月も終わりごろにして、ようやく爽やかな風を感じるようになりました。
sabaeです。
皆様季節の変わり目に、お風邪など召されぬようご自愛くださいませ。

昨日は中秋の名月でしたが、むしろ今日のほうが、お月様が丸かったように思います。幸いにも昨日今日と、明るい夜空に涼しい気候の京都でしたので、自転車通勤の私には、楽しい帰宅路になりました。
今年は全国的に長い夏になり、秋の訪れを待ち焦がれる日々を、って言うか就眠時を過ごしていたので喜びもひとしおです。やっとぐっすり眠れそうです。
部屋にクーラーが無いもので。

まあ、気候はともかくとしても、「十五夜お月さん」は日本の風物詩。やっぱり満月を楽しみにこの頃を過ごしていたんですよ。大抵帰宅が8時ごろになるので、毎日の月の満ち具合を見ながら自転車を漕いでいました。そして、いよいよ月が満ちるとなれば、やはり酒か、団子かってな話になりますよね。
今日は酒でした。仕事とチャリ漕ぎで疲れた体を癒す良い酒を頂きました。発泡酒ですが。

先日は団子な気分だったので、トリュフの近所の「緑庵」さんの(写真の)「十五夜」(栗饅頭)を食べながら煎茶を頂きました。
酒も美味いしお茶も美味いし、団子も美味い。毎年のように秋頃になると、日本に生まれてよかったと思ってしまうのは、幸せなことだと思います。
季節が変わるごとに、美味しい物がある事に感謝しつつ、酒かっくらって寝ました。
月見のBGMは、aztec cameraの「stray」がここ数年の定番なsabaeでした。
おやすみなさい。

sabae

旅行記 伏見 その2

2007-09-19 00:22:15 | 旅行記
9月になったというのに、暑い日の続く日々、まだまだ夏は終わってはいないようです。
とは言え、魚屋には秋刀魚が並び、菓子屋には栗菓子が並び、紅茶屋にはオータムナル・・・はまだですね。セカンドフラッシュが並び、ホームセンターにはハロウィングッズが並ぶ様を見ていると、秋が来たんだなぁと、色々な食べ物が頭を過ります。
しかしいくらなんでもハロウィンは早すぎるだろう>近所のホームセンター
近所の焼肉屋は「敬老の日はおじいちゃん、おばあちゃんと天○へ」なんて垂れ幕下げてますが、お年寄りの血圧上げる気か。
そんな秋の気配を感じる今日この頃、如何お過ごしでしょうか。
sabaeです。写真は稲荷山の「仁志むら亭」からの眺めで、今回の話には関係ありません。
前後編の後編が遅くなって申し訳ありません。書き出したのは9月の初めごろだったのでこのような書き出しになっております。そんなわけで相変わらずタイミングを逸したまま後編行ってみましょう。

京阪電車の伏見桃山駅に降り立つ。
人が多い。多すぎ。さすが京都最大人口の区。
同じ伏見区内とは言え、稲荷とはかなり違った感じです。
伏見城の城下町として発展し、伏見城の戦い、寺田屋事件、鳥羽伏見の戦い等歴史上重要な事件のあった土地ですが、あまり重みは感じない。伏見城が無くなってるんだから当然かもですが。
町的には坂本竜馬ゆかりの地、という売りのようです。そりゃそうでしょう。竜馬通りなる商店街があったり。
良くも悪くも現在進行形の町というか、一部を除いてさほど計画的に保存も開発もしてなさそうな、町名からかろうじて城下町の歴史が垣間見れる感じです(職業名のついた町名が多い、「○○屋町」のような)。

しかし元々歴史遺産や史跡が目的ではありません。
伏見といえば酒所。
酒造メーカーも多く、「黄桜」、「松竹梅」といった有閑倶楽部のキャラクター名に使われるような全国銘柄もあります。「月桂冠」とかもね。
それ以外にも「英勲」、「玉乃光」、「月の桂」等名の通った銘柄を含む大小20以上の酒蔵があり、それらがすべて飲み放題。なんてことはありませんが。
一応「月桂冠 大蔵記念館」では見学に利き酒が含まれてたり、「キザクラ カッパカントリー」では地ビールや樽出しの酒が飲めます。
もちろんそれらを目当てに行ったのですが、先ずは「御香宮神社」で湧いている名水「御香水」を味わいに。おいしい水が無けりゃ始まりませんから。

重要文化財の門をくぐって参拝。水もらってく気だからお賽銭も入れましたよ。
「御香水」は「え、これ?」と言いたくなる位目立たない所で湧いていた。一度真横を素通りしたし。それでも容器持参で汲みに来る人も多いようで、順番を待って飲んでみた。
やわらかい。そして甘い。
みなが汲みに来るのも納得のいく味で、私も持参したアラジンの魔法の瓶(1L)でしっかり持ち帰りました。この後の道中結構な荷物になるのも構わず。

なんかでかい商店街(大手筋商店街)を外れて、古い酒蔵や新しい店を見つつ、月桂冠へ。さすがにこの辺りは古い酒蔵を利用した、見応えのある店舗が多く、一本裏道に入れば、いい風情の古い民家などもあり、散策を楽しめます。
道中の焼き鳥屋の駐車場に湧き水(組に来てる人々も)を見たが、月桂冠の施設の中にも水が湧いていた。後でスーパーマーケットの前でも湧いているのを見たのですが、あれか、伏見では所かまわず水が沸いてるのか。
酒造りの資料など、貴重な資料を素通りして、出口でようやく利き酒。
味の違いは分かったが、味自体は普通な感じだった。
いまいち飲み足りない思いで「キザクラカッパカントリー」へ。
ここのレストランがなかなか良いと聞いてきたのですが、噂に違わずなかなかでした。
蛸の山葵漬けが旨かった。
地ビールも樽出しの酒も美味しかったのですが、酒好きとしてはイマイチ物足りないというのも正直なところです。
美味しいけどコツンとと来る物は無かったというか、求めているのは完成度では無いというか、満足のあり方は多様でそうそう応えてくれる相手なんかいやしないのは当たり前なのですが。
しかし、そんな最近甘口の酒が多いとお嘆きの貴兄に、お勧めの酒屋がありました。
酒場ではありません。酒屋です。
また大手筋商店街に戻り目指した酒屋、「油長」。伏見の全ての酒蔵の酒を扱っていて、さらに店の中で利き酒ができる。アテも結構あるという、居酒屋いかなくていいのでは、という店。
そこでまさに駆けつけ三杯、てな感じで利き酒です。何を飲んだかは忘れましたが。さらにもう一度利き酒セットを頼んで計6種試した中では「蒼空」という銘柄が気に入った。一番美味しい、ではなく気に入ったということですが、嗜好品は気に入るかどうかが大切ですから。
既に夕方、辺りも暗くなってきた頃店を出て、一日中歩き回って酒飲んで、さすがに汗がべたついて気持ち悪い。
最後に銭湯によってから帰ることに。

勿論事前に調べていったんですが、「鶴の湯」という銭湯は伏見の地下水で沸かしているらしく、水のお持ち帰りもできるという。
店の前にはガーデンテーブルが置かれ、湯上りに夕涼みも気持ちよさそうです。でもここ公道では?
お風呂は2階になっていて、1階にジェットバスや電気風呂など定番な仕掛け風呂があります。体洗って座り風呂で半身浴。日頃こき使っている腰を労わりましょう。ゆっくりと湯船に座っていると、これまでにお客様の下へと嫁いで行った家具たちがまぶたに浮かびます。極端に重かった物は特に。
普段風呂の短い私は既にのぼせ気味ですが、「鶴の湯」に来たらぜひ2階へ行くべきです。アロマな露天風呂(天窓が開いてるだけですが)にはラベンダー(日替わりらしい)の香りが漂い、サウナは竹炭を熾しています。そして水風呂が最高。半身浴とサウナで滝のような汗をかいて飛び込んだ。すごく冷たく芯まで冷やしてくれますが、肌に刺さるような冷たさではありません。すごくまろやかで、体温が引いても浸かっていたくなります。滝状に水が浴槽に落ちてくるのですが、滝に打たれて修行気分も味わえます。こんな気持ち良い水風呂は初めてでした。伏見の地下水ならでは、ここでしか味わえない水風呂です。癖になりそう。

湯上りにはフルーツ牛乳よりビールが私の定番なのですが、「鶴の湯」は妙に飲食物が多いのも楽しいです。ビールは生ビール、自家製おでんやソフトクリームなどもあり、屋台のような気分も楽しめる愉快なお風呂屋さんでした。また来よう。

そんなこんなでとっぷり日が暮れてから家路に。伏見を満喫した半日でした。

sabae