私はお金は魔物だとずっと感じていた。
お金に心を奪われると人格までも変わってしまうのだ。
お金さえあればいい。お金で物を言わせる。
欲がからんで心の目がみえなくなってしまう。
身近にそのような人がいた。
いつも何かに飢えているようだった。
その人の台詞はいつも決まって「正直者はバカをみる」といっていた。
自分の欲望にまかせ、正直者は犠牲になって悲しんだ。
その人はお金を求めているうちにお金に人生を握られているように映った。
子ども達にいつも言っている。
「お金は追いかけるのではなくて、ついてくるもの。お金のことを忘れるくらい忙しく働いていれば、気がつくとお金が回ってきてくれる。お金に振り回されないようにしなさい。楽して得たものは、すぐ消えるようになっているんだよ。」
お金を大事にするのは大切だけど、汗を流して得ないと価値がないと私は思っている。
朝日新聞の特集で「12歳」を連載していた。
1月6日の記事がずっとひっかかっていた。
「ホリエモンいつか私も」という題である。ここに内容を要約してのせる。
小学6年生。始業式を休んで、東京証券取引所へ行く。証券会社主催の「株のがっこう」の受講日であった。この受講応募率は22倍。小中学生の口座が増えている。夜は親が一緒にネット株の購入を手ほどきし、子どもが自分の口座から株を買う。親は「学資保険代わり」「子どもに経済の仕組みを覚えさせる」と言う。子どもはノートに「今日のもうけ」をつけている。株主の小学生は「将来はホリエモン」になりたいと言うのである。
そんな矢先のライブドア事件。法の合間をくぐって膨大な資金を一夜にして手に入れる手法に検察が入った。結果社長以下役員数名は逮捕。
新聞に登場した親は子どもはどう思っているのだろう。
この敏感な年頃の子どもにもっと人として生きて行く上でなぜお金が必要なのか、なぜ働くのか根本的なところから話してほしい。
Enterを押したらお金ができると教えないでほしい。
親御さんたちは私と同じくらいの年代なのに心の話が抜けている。
どうも感性が違うのである。
このごろそのような話をあちこちで耳にして切に感じている。
心の話をしてもらえなかった子ども達が大人になり、ホリエモンだらけだったら?
冷たくて寂しい悲しい世の中になってしまうのだろうか?