アンクロボーグの世界

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アルジャーノン

2017年09月08日 14時06分39秒 | Weblog

なぜ「アルジャーノン」と命名? ダウン症治療に“光”の新物質 京大に聞く



京都大学が、ダウン症の治療につながる可能性がある化合物を発見し「アルジャーノン」と名付けたことが話題になっています。

研究者側は命名にはあの超有名名作古典のSF小説『アルジャーノンに花束を』と関係は無いと否定していますが。
一部ではあの小説の終わり方が悲劇的なので今回の命名には疑問を持っているとの報道もありました。




私的にはこの画期的な治療法の化合物にこの名前…まったく問題ない。
たぶん異論を出している人はこの小説読んでないのでは?


ということで久しぶりにもう一回この本、引っ張り出して読んでみようかと思います。

以下、アマゾンの『アルジャーノンに花束を』のレビューに是非多くの人に読んでもらいたい文章がありましたので以下、コピペ!!


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アルジャーノンに花束を〔新版〕(ハヤカワ文庫NV) 文庫
ダニエル・キイス (著), 小尾 芙佐 (翻訳)

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自閉症で知的障害児(次女5年生)を持つ父親です。
今年(平成26年4月)になって、初めてこの本に出会いました。
もしもこの本に巡り合えなかったら、私は「障害児である次女の療育」を、私は投げ出して
しまっていたかも知れません。

知的障害児を持つ親としては、当然「知性(IQ)が伸びて欲しい」と思うのは当然で、
「この子が生きている、或いはまだ小さいうちに、早く治療薬や治療方法ができて欲しい!」
と、誰もがお思いになっていると思います。

この本を読んで、「それだけ(知性が伸びればそれで良い)ではないのではないか?」という
考えに至りました。

次女はまだ、知的レベルは2〜3歳程度で、一応ひらがな・カタカナの読み書きは出来ます。
ただし、「お腹が痛い」とか「お花はキレイ」とか、そういう表現は一切出来ません。

知性(IQ)が伸びれば、このような部分は、当然克服できるのでしょうが、一方で「純粋さ」
みたいなものが失われるのは悲しいことです。

次女は、本当に純粋で、ガラス細工のような壊れやすい存在です。
嬉しいことには無邪気に笑い、嫌なことをやろうとすると泣いてしまいます。
ただし「嘘」を付いたり、人を欺いたり、人を見下したりすることなどは、一切ありません。
(そのような感情を持ち合わせていないと思います)

障害児の親としては、知性(IQ)も感情・情緒も伸びて欲しいのは当然ですが、現実問題としては
難しい状況で、現状を受け入れるしかありません。

この本は、そんなことを深く考えさせてくれた、素晴らしい本でした。
即ち、「いくら知性が幼稚であっても、人として、純粋な心を持っている方が素晴らしいこと」
であることを、気づかせてくれたと思います。

主人公(チャーリー)が、精神遅滞センターの「アリス・キニアン先生」に対して、最初のうちは
「キニアンせんせい」という表現から、知的成長を遂げるに従い
「アリス・キニアン」
「アリス、君が好きだ」
という表現に代わり、ただし最後は
「キニアンせんせえ」
という、当初以上に幼稚な表現になってしまう・・・

この「せんせえ」という部分ですが、次女の書く表現に極めて似ており、本当によく考えられている
と感じました。

そして、最後の一文。
「知的成長よりも、感情的・情緒的な成長の方が、実は人間にとって大切なことである」
ということを、深く心に刻むことが出来ます。

本当に素晴らしい本だと思います。

※ 追記
著者のダニエル・キイス氏が、2014年6月15日に亡くなられたと、昨日ニュースで知りました。
ご冥福をお祈りするとともに、このような素晴らしい作品に出逢えたことに、心から感謝致します。

(ついしん)
キイスせんせえ やすらかにねむてください


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このレビューたぶん本当に知的障害のお子さんをお持ちの方が書いたものだと思います(思いたいです)