観自在

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人生最後に飲む酒は・・・

2010-04-04 22:51:51 | 
 日本酒のスパークリングなどと聞くと、奇をてらった、怪しい印象をもちますが、その酒は別格です。「獺祭」は「だっさい」と読みます。獺はカワウソのこと。カワウソは獲った魚をすぐには食べず、岸や岩の上に並べておく習性があるそうです。それが供物を先祖に捧げ、先祖を祀っているように見えるため「獺祭」と言われるようです。正岡子規が号として用いていたこともあるようで、酒の名前は、蔵元の地名と子規の両方からとったもののようです。
 山口県の山奥の小さな蔵元ですが、出荷量のすべてが純米大吟醸というから驚きです。つまり、この蔵の酒は純米大吟醸がスタンダードということになります。遠心分離などというハイテクも用いていて革新的なところもあります。
 獺祭スパークリングは4合瓶で1600円ちょっとのお酒ですが、価値はそれ以上でしょう。発泡というよりはシャンパンを思わせるクリーミーで上品な泡立ちですし、おりがらみと呼ぶには、華やかすぎる香りでしょう。やはりスパークリングとしか言いようがない。味はもっと素晴らしい。シュワッとした刺激が消えた後には、しっかりとした厚みをもった酒の旨さが染み渡ってきます。甘すぎず、辛すぎず、酸っぱからず、苦すぎない。まさに中庸の銘酒といえましょう。どぶろくのもつ酒のオリジナリティーと、シャンパンのようなフレッシュな味わいが絶妙にバランスされています。おそらく、この時期にしかお目にかかれない銘柄ではないでしょうか。
 買って絶対に損をしないオススメの酒です。明日死ぬと言われたら、最後の酒として選んでよいと思える逸品です。


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