あみたろう徒然小箱

お気に入りのモノに囲まれ、
顔のつぶれたキジ猫と暮らせば、あぁ、極楽、極楽♪

【新あみ 3】 「何すんのよぉ~」

2016-09-26 | 猫 ・ cat ・ ねこ
食事、水飲み、トイレ以外は机の下の奥から出てこない
 とにかく後ろに隠れる
 お婆さんとRikuさんが餌をあげていた外猫時代

4年間の外猫時代、新あみはRikuさんの隣家のお婆さんが餌をあげていました。
その間、Rikuさん宅にも餌をもらいに来ていたそうです。
お婆さんは「もみじ」と名付けて可愛がっていましたが、
「食べ物の好き嫌いが激しくて困る」と嘆いてもいたとか。
これはいずれ私も大いに実感することとなります。

お婆さんが亡くなった後は、もっぱらRikuさんが世話をしていました。
Rikuさんは「もみじ」を略して「もみ~」と呼んでいました。
「もみじ」って可愛いのですが、少しばかり呼ぶのが面倒。
かといって「もみ」は「揉み」という動作を連想させる。
特に意味を持たない方がいいんじゃない?
「チビ」とか「ミーちゃん」とか、いかにもペットらしい平凡な名前がいいのでは?
人それぞれの好みですが、私の世代はそう考えます。
そこでせめて「もみじ」が親しみやすいように、
「もみ」の「み」だけは使おうと考えました。
「あみ」「いみ」「うみ「えみ」・・・「をみ」
五十音を最後まで行ったけれどイマイチ、結局「あみ」という名に。
初代は「あみ動物病院」に保護されていたから付いた名前でしたから、
またまたイージーになってしまった。

こうして「もみじ」は2代目「あみ」となったのです。

さてさて、新あみの性格はというと、
気が強い (生来の性格)
非常におしゃべり (ボキャブラリーが驚くほど豊富)
自己主張が強い (生来の性格)
周囲の動きに非常に敏感 (外猫時代、素早く危険を察知することを身に付けた)
目が合うと異常に反応する (長い外猫時代、目が合うと「何かが起こる」と感じた?)
眠っていてものんびりしていない (外猫時代はこれが身を守った。その名残り?)
甘えん坊×ツンツンのツンデレ (一人を独占して甘えることができなかったから?)

外猫時代、お婆さんとRikuさんには気を許しつつ、
知らない人から触られることがなかった新あみ、
最初は触ることなどできませんでした。
半月ほど経った頃、あまりに気が強くツンツンしているので、
Rikuさんへの近況報告に書くと、
レスキューレメディ ペットを紹介してくれました。
効果があったような無いような、あまり判りませんでしたが、
少し目つきが穏やかになったような気がしました。
 レスキューレメディを与えた後、少し目つきが穏やかになった?
 態度も少しリラックス?
 リビングでの避難場所はここと決めたらしい
ときどきラグマットの上に出てくるようになった

数か月後、定位置で落ち着いているとき軽く背中を撫でると、
「何すんのよぉ~~」
鋭い目つきでギッ! と振り返り、飛び退いて行くのが常。
「何すんのよぉ~~」は1年経っても続き、
撫でてゴロゴロいっているのに、突然シャーッと威嚇されてしまう。
「いい気になって撫でんなよッ」   
「は、はい」
こちらは威嚇された経験がないから、すっかり萎縮してしまう。
ここで、なめられちゃいかん。
「あんた、いつまでシャーシャーやってんの!」
お尻をペチンと軽~く叩くと慌てて遠のいて、
さらに苦情を言いながら鋭い目つきで見据えると、
驚いたようにこちらをじっと見ています。
“まずい、まずい”
目をしばたかせながらしっかり状況察知、なかなか学習能力は高そうです。
1年ぐらいまでは、気に入らないと“シャーッ”。
癇に障ると“シャーッ”。
気が強いこと気が強いこと、なかなか気を許しません。
でも、ペチン、ぶつぶつを繰り返すうち次第に減っていきました。

そんなこんなで、1年経っても猫に癒やされるひとときはありませんでした。
なんで、こんなに気を遣わなければならないの?
この人慣れしない猫、うちが返却したらどうなるんだろうか?
折に触れ頭をよぎります。
4年間の外猫時代が続いたある日、
ほかの猫とけんかして怪我をした「もみじ」はRikuさんに保護され、
初めてRikuさんの家に入れてもらったそうです。
ところがこの性格です。
Rikuさんの飼い猫のアトム(雄キジトラの大猫)とうまくいかない。
身の程も知らず、嫡男アトムとすれ違うとき「ウゥ~ッ」と唸るそうな。
新参者に唸られればアトムだっていい気はしない。
譲渡会や里親お試しに出されてももらい手がうまく見つからない。
お試しから返却されてきたこともあるそうです。
さもありなん。
それにしても、うちが返却したらどうなるんだろうか?
外猫時代のトラウマが染みついているこの猫を引き取ってくれる家はあるんだろうか。
これはもうボランティアだと思って、うちが引き取るべき?

Rikuさんは次々保護してあんなに健気にがんばっているのに、返したらどんなに落胆するだろう。
彼女は、類を見ないあったかい猫の魔法使い。
元あみのときのような普通の猫ボラさんだったら、迷いなく返却していたでしょう。
このRikuさんのキャラクターも、誤算の一つといえるでしょうか。
だって返すかどうかの迷いは、一年ぐらい続いたのですから。

メス猫の名前ランキングを調べたら、なんと「もみじ(椛)」が1位なんだとか。
ごめんね「もみじ」。
ランキング1位の人気名前を300位にも入っていない古風な名前に変えてしまった!

【2016年 猫の名前(メス)ランキング】
1位 椛(もみじ) 2位 琥珀 3位 小春 4位 もも 5位 きなこ 6位 小麦
7位 寿々 8位 さくら 9位 ルナ 10位 凛


【新あみ 2】 大好きな恩人をガブリ!

2016-09-12 | 猫 ・ cat ・ ねこ
ソファの後ろから出てこない。そのうち下に潜り込んでしまった

とにもかくにも非常に気が強い猫「新あみ」。
それはさっそく初日に現れました。

里親募集の猫ボランティアさん(略:猫ボラさん) のお店に実物を見に行き、
迷った挙げ句、「お試ししてみます」と電話しました。
迷ったのは、ちょっと取っつきにくい猫かもしれないという不安があったからです。

ここで、猫ボラさんとこの猫の来し方について触れましょう。
猫ボラのRikuさんは、京王線初台駅前でブティックを経営するかたわら、
長年、野良猫の保護をしています。
保護した猫は可愛い子猫ばかりじゃありません。
猫エイズだったり、明日をも知れぬヨボヨボの老猫だったり、
目の潰れた子猫だったり、片足のない猫であったり。
可愛い可愛くない、健康かどうかにかかわらず、平等に保護します。
そして、なんとしても里親を見つけてあげるまで責任をもち、
何度里子に出しても失敗する猫や事情のある猫は自宅で飼い、
最期を看取ってあげるのです。

ときに地元の警察から頼まれて猫の保護を頼まれたり、
近所の子供から猫を預かることもあるのだとか。
保護した野良猫の中には、初めて人と接したため威嚇しまくる猫も多く、
そんな思いやられる猫も、何週間か経つうち必ずRikuさんに心を許し、
ゴロニャンとなってしまう。
威嚇猫の扱いに慣れているとはいえ、なかなかできない芸当です。
そしてどの猫も彼女を慕い大好きになる。
彼女から猫オーラが出ているようです。
ある程度人慣れしてくると、
募集サイトに載せたり、猫譲渡会(猫と人とのお見合い会)に連れて行きます。
次々保護する猫たちにあげる食料代、病院代、トイレ用品代、
名札や首輪代、譲渡会参加代、いくら資金があっても足りません。
誰にでもできることではとうていありませんね。
彼女はどう見ても「猫の神様」「猫の魔法使い」の雰囲気たっぷりです。
     
新あみはRikuさんの隣家のお婆さんが外猫として飼っていた猫で、
Rikuさん宅にも餌をもらいに来るので、4年間玄関で餌をあげていたそうです。
長年庭先で餌を上げていた顔見知りだったわけで、
お婆さんが亡くなってからはRikuさんがあげていました。
この辺の事情は里親の募集要項にくわしくあります。
新あみがRikuさんのことを大好きで、絶大な信頼を抱いているのは有り有りでした。

お見合いの翌週の寒い日のこと、
Rikuさんが我が家に新あみを連れてきてくれました。
運び籠の中からいったん室内に出して様子を見、
帰る前にケージの中に入れることにしました。
なにしろこの後、家具職人さんが来ることになっていて、
部屋に放したままではまずいということになったわけです。
家具職人さんの来宅時間がだんだん迫り、
Rikuさんはケージの中に新あみを入れようと試みました。
迫る時間に事態は緊迫し、その必死さが伝わりますます泥沼化。
ソファの奥の手が届かない底に逃げ込んで断末魔の形相です。
そりゃぁ、見知らぬ家にやって来ただけでも恐ろしいのに、
頼りにしていたRikuママが自分を捕まえようと必死に追いかけて来るのですから、
裏切られた気持ちの新あみの恐怖感は最高潮に達しました。

窮猫、恩人を噛む
必死の新あみはRikuさんの指先をガブリ。
指先からは血がダラダラ
きつく押さえて手当てしてもさらに流れ落ち、傷の深さが判ります。
彼女は痛いとも言わず、その後ようやく新あみをケージの中に入れました。

大好きな恩人を恐怖のあまり思い切り噛んだ新あみはどんな思いだったでしょう。
自分を信頼している新あみを、
追いかけて捕まえなければならなかったRikuさんの思いやいかに。
ケージに入れられた新あみとRikuさんが目を合わせた瞬間を思うと胸が痛みます。

別れ際の悲しいドタバタ劇でした。

  
来宅翌日、食器棚から降りてこない。下からはお尻だけが見える。前を覗くと目がギラギラ
 ソファの後ろは格好の籠城場所

【新あみ 1】 誤算だらけの新あみ登場

2016-09-06 | 猫 ・ cat ・ ねこ
 新あみは目ぢからの強い「もみじ」という名の猫でした

新あみについて書くのは本当に難しい。
というのはこの新入り、並大抵の性格ではなかったのです。
気むずかしいといいましょうか、性格がねじれているといいましょうか、
自分の気持ちを素直に表現できないというか、超ツンデレといいましょうか。
とにかく、一筋縄ではいきません。

新あみが来てから1年8か月、いまなお飼い主は気を遣っていますが、
それでも最初の一年まではハラハラの気遣い。
なぜこんなに猫に気を遣わなくてならないのかと、
我ながら可笑しくも困惑する日々でした。
いまはましになったとはいえ、
一般的な猫を飼う日常のイメージから見れば番狂わせの日々でした。

初代が亡くなった後、なぜまた猫を飼うことにしたのか・・・。

年齢のことを考えればもう猫は飼わないと私は決めていました。
今後はますます加齢による病気になったり入院したりというということが出てくるはず。
そんなとき、飼い猫がいたらどうなってしまうの?
無責任な飼い方は決してできません。

人生最後に飼う猫と決めていた初代あみが逝ってから半年。
そりゃあ、小学校の頃から猫好きの私、飼いたいのはやまやまでした。
でも万が一、猫を飼えなくなったときのことを考えていたら、
ちょうどNHKの番組で「猫の森」という団体の紹介がありました。
飼えなくなったとき、猫を生涯保障をしてくれるというもので、
現在では1匹150~300万円のようですが、2年ほど前は200万円ということでした。
往々にして女性の方がケチですから、
私は「万が一とは言え200万円なんて出せない、もったいない!」と主張。
相方は「200万円は安いもんだよ」と言う。
ひさびさの意見のぶつかり合い。

ときに田舎でのびのび暮らすお婆さんが自分の年齢を顧みることもなく、
野良猫を次から次へと拾ってしまう多頭飼いの話はよくあります。
あるときお婆さんは病気になって、長期入院することになってしまいましたとさ。
さてはて、多頭飼いの猫たちはどうしたもんでしょうか。
ま、こんなような話はたくさんあって、
猫の里親募集のサイトを見ると、
「多頭飼い崩壊のため里親募集」などというケースが出てきます。
都会ではそんな無責任なことはできません。

でも、折れたのは私でした。
相方は私にもまして無類の猫好きです。
猫好き6人兄弟で育った相方は、小学校低学年の頃、
毎夜、ふとんの中に大事に猫を抱いて寝るのが習慣だったそうです。
末っ子だったため一番先に寝ることになり、
寝ている間に上の兄弟が猫を連れて行ってしまうのだそうです。
末っ子のふとんを開けてすぐ上の兄が、その兄のふとんを開けてさらに上の姉が・・・。
そうやって順次猫を奪っていく。
相方はそれが悔しくて、あるときパンツの中に猫を入れて寝たそうです。
上の兄弟たちは「おかしい、猫がいない。どこにもいない」と騒いだとか。
猫は無事翌朝まで確保できたのだとか。
「猫パンツ事件」は、兄弟の間でいまでも語り草になっています。

ということで、根負けして飼うことに賛成した私。
初代あみのときと同様、ネットの里親募集を見始めました。

私も相方もキジ猫が好きなんですが、
相方は総キジ好み、私はキジ白を飼ってみたかった。
だって白い靴下をはいた猫ってかわいいじゃありませんか。
何匹かの総キジ、キジ白を当たった結果、
迷っているうちにタイミングが合わなかったりすでに里親決定していたり。
そんな中で、何回か画像と説明を読んで、気になっているキジ猫がいました。
目ぢからインパクトが強い、キジ白でした。
肉球はピンクとな? 
う~ん、ピンクの肉球って可愛いじゃん?

では何が誤算だらけだったのか。
それはまた次回。